サラリーマンの不動産投資のメリット・デメリットと検討のポイント
- 2019/9/14
- 不動産投資
- サラリーマンの不動産投資のメリット・デメリットと検討のポイント はコメントを受け付けていません
何か投資を始めたいが、どのような投資を選べばいいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。サラリーマンの方には、不動産投資をおすすめします。ただし、全ての人に不動産投資が向いているわけではありません。そこで今回は、サラリーマンが不動産投資を選ぶメリットとデメリットから検討のポイントまで詳しく解説していきます。
サラリーマンが不動産投資を選ぶメリット
サラリーマンが不動産投資を選ぶメリットは、次のとおりです。
場合によっては不労所得を得られる
不動産投資は、マンションの一室や一戸建てなどを購入し、賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得る仕組みです。物件の管理を管理会社に一任すれば、ほとんど労働することなく家賃収入を得られるため、「不労所得を得られる投資方法」と言えるでしょう。
一方で、経費削減のために自分で物件を管理する場合は、入居者からの要望への対応、ハウスクリーニングや修繕の手配などが必要になるため、不労所得とは言えません。しかしながら、労働の程度に対して得られる利益が多く、サラリーマンで働きながら実践しやすい投資と言えます。
生命保険の代わりとなる
不動産投資用の物件をローンで購入する場合は、団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。団信は、ローンの契約者が亡くなったり、病気やケガで重度の障害を負ったりしてローンを返済できなくなった際に、残債を契約者の代わりに金融機関へ支払ってくれる保険です。つまり、自分の代わりに家族がローンの返済に追われる心配がなくなります。
そして、団信によるローン完済後も家賃収入を得られるため、生命保険の代わりになるのです。ただし、家族に不動産投資のノウハウがなければ、その後に十分な家賃収入を得られなくなる可能性はあるため、生命保険よりはメリットが少ないと言えます。
節税になる
家賃収入から修繕費や固定資産税、減価償却費などの必要経費を差し引いた金額が不動産所得として扱われます。このとき、必要経費が家賃収入を上回り、税務上の赤字になる場合があります。赤字分は、損益通算という仕組みによって、サラリーマンの仕事で得た所得から差し引くことが可能です。
そうすると、サラリーマンの仕事だけで収入を得ているケースよりも所得が低くなり、確定申告することで所得税の還付を受けられるようになります。さらに、所得が低くなれば住民税も低くなるなど、不動産投資は節税効果が高い投資方法と言えるでしょう。
サラリーマンが不動産投資を選ぶデメリット
サラリーマンが不動産投資を選ぶことには、デメリットがあります。安易な考えで不動産投資を始めると後悔する可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
不動産価値の低下による収益減のリスクがある
不動産の価値は一定ではありません。マンションやアパート、一戸建てなどの建物に関しては、築年数の低下や入居者の自殺や事件、ニーズの低下などの影響で価値が下がります。不動産の価値が下がると、家賃も減額されてしまうため、家賃収入が少なくなってしまうのです。
月々のローン返済額に対して家賃収入が少なくなる恐れもあります。そうなれば、家計に大きな影響が及ぶ可能性もあるでしょう。このように、必ずしも高い家賃収入を得られるとは限らないことを覚えておいてください。
空室や入居者トラブルのリスクがある
不動産投資を始める際に注意したいのは、空室リスクが低い物件を選ぶことです。空室期間が長いと、それだけ家賃収入が減ってしまいます。また、空室期間が短くても、入居者の質が低いと、家賃の未払いや周辺住民とのトラブルの多発により、大きく疲弊してしまうでしょう。サラリーマンを続けながら、このようなトラブルへの対応に追われてしまうと、どちらかがおろそかになる恐れもあります。
天災による不動産への損害リスクがある
地震や火事、台風、落雷など天災による不動産への損害リスクがあります。そのため、天災による被害を幅広くカバーする損害保険に加入することが大切です。また、複数の地域に分散して投資用物件を持つことで、一気に家賃収入がなくなるリスクを抑えられます。ただし、資金の状況によっては、複数の投資用物件を持つことは難しいでしょう。
自宅の購入にかかるローンの借入可能額が減る
投資用物件の購入に住宅ローンを利用すると、自宅購入時のローン借入可能額が減ってしまいます。すでに、自宅の住宅ローンをある程度返済している状況で不動産投資を始めるのであれば、借入可能額に合わせて物件を選ぶことになります。
いずれにしても、どちらかを妥協することになる可能性があることを覚えておきましょう。ただし、頭金を多く支払うことで、価格が高い住宅や投資用物件を購入できる可能性があります。
サラリーマンの不動産投資の検討のポイント
サラリーマンが不動産投資を検討する際には、次のようなポイントを押さえましょう。
信用力があるうちにローンを申し込む
住宅ローンを利用するには、審査に通過する必要があります。審査対象は、収入の安定性、年収、過去の金融事故の有無、年齢などです。サラリーマンは、安定的な収入を得られるとして、信用力が高めです。しかし、年齢を重ねるにつれて、完済年齢が上がってしまい、信用力が低くなります。
そのため、信用力があるうちにローンを申し込むことが大切です。ただし、若ければ若いほどいいわけではありません。一般的に、年齢を重ねるにつれて収入が高くなるため、若くて収入が低いと、審査に通過できない可能性があります。
ローンの完済年齢を確認する
ローンを利用できたとしても、完済年齢が定年を超えている場合は、十分に検討した方がいいでしょう。例えば、65歳で退職して75歳までローンを返済することになれば、10年間は年金や貯金を返済に充てることになります。自宅用の住宅ローンの返済も同じ程度の完済年齢の場合は、家計への負担が非常に大きくなるでしょう。
ローンを完済してから不動産投資の家賃収入の恩恵を得られるようになるため、できるだけ早いタイミングで完済したいところです。75歳から不労所得を得られても、それほど大きなメリットを感じられないでしょう。老後の蓄えのために不動産投資を始めるのであれば、尚のこと定年までに完済することが大切です。
資金に余裕があるか確認する
資金に余裕がない状態で不動産投資を始めると、ローン審査に通らなかったり、家賃収入が減ったときに精神的に追い詰められたりする恐れがあります。資金に余裕があれば、頭金を多く用意できます。また、空室期間が長くても、資金に余裕があれば精神的なストレスを抑えられるでしょう。
資金は、不動産投資をする体力を意味します。資金が尽きると気持ちに余裕がなくなり、投資物件の売却を考えるようになるでしょう。不動産は、地域開発が進むなどすれば価値が高まり、より多くの家賃収入を得られるようになるため、手放すかどうかは慎重に考えなければなりません。
資金に余裕があることで、冷静に物事を判断できるようになり、結果的に不動産投資の成功に繋がるのです。
仕事の安定性を見極める
空室期間中に無職になってしまうと、ローン返済を滞らせてしまう恐れがあります。そうなれば、一括返済を求められ、任意売却か競売にかけるかを選ぶことになるのです。住宅ローンの滞納への対応は非常にシビアなため、安定的に仕事ができており、住宅ローンを絶対に滞納しないで済むかどうか見極めることが大切です。
中小企業やベンチャー企業は、大企業と比べて安定性が低いと言えますが、業種によって差があります。世間からのニーズが高く、安定的な収益が見込める業種の場合は、倒産やリストラのリスクが低いと言えるでしょう。
会社の収益や今後の試み、市場規模などまで詳しくチェックして、安定性を見極めましょう。また、家賃収入があるからサラリーマンの給与が下がっても問題がないとは考えず、より多くの収入を得られるようにスキルアップを目指すことが大切です。
まとめ
サラリーマンで不動産投資をすれば、老後資金がうるおうだけではなく、生命保険代わりになることで万一の際に家賃収入によって家族を守れます。しかし、不動産価値の下落や空室リスク、住宅ローン滞納のリスクなどを伴うため、十分に検討することが大切です。不動産投資は、不労所得を得られる印象が強い投資方法ですが、様々な手続きや対応が必要なため、全く働かなくていいわけではありません。メリットとデメリットを比べ、現在の自分が置かれている状況も踏まえて検討しましょう。