高収入なサラリーマンほど騙される。不動産投資の問題点~かぼちゃの馬車は氷山の一角かも

  • 2020/9/25
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どうして無謀な不動産投資を行ってしまう人が後を絶たないのでしょうか?

本来不動産投資は着実に資産を増やしていくはずのもの。しかし、「支払いができない」と嘆く人が出てきます。たとえば、かぼちゃの馬車のように…

ここでは不動産投資に関する問題を整理しながら、なぜうまくいかない人がいるのかを考えたいと思います。

欺されるのは高給取りのサラリーマン?

いきなりですが、危ない不動産投資のターゲットになるのはサラリーマンで、中でも高給取りな人達です。

彼らの特徴として、お金はそこそこあること。これは持っている貯蓄額が大きいことに加え、大企業に勤めていたり収入が安定的に高かったりして、ローンを組みやすいということも含みます。

また、こういう方々は会社でそれなりの地位にあり、さらに忙しくて時間がないために、あまり勉強する習慣がないのも特徴です。もちろん業界のことは勉強するのでしょうが。

不動産投資という新しい事業をはじめるにも関わらず、業者の言うことをまるまる鵜呑みにしてしまうわけです。

しかし、めちゃくちゃ美味しいことを言っている業者は不動産物件を売りたい人であり、一緒に事業をしていくパートナーではありません。ローンを通すという不慣れなことを親身になって乗り越えようとしてくれるかもしれませんが、それは不動産業者の業績、あるいは個人の業績を伸ばすためであり、全員が新規参入者が儲けることを第一と考えていないことを知らなければなりません。

ある会社で起こった不動産投資ブームと10年後の現実

そういえば・・・。

私が過去にかかわった会社で、不動産投資ブームが起こった例をあげましょう。確か2005年頃なので、ITバブルと言われた頃です。ネットマーケティングで事業展開し業績は絶好調。若い社員にふんだんに給料を出し、そのお金で投資用不動産を買う人が増えたわけです。

その会社は大成功していたものの、“THEお人好し”といった感じの集団だったので、どこかの不動産業者のターゲットされていたのかもしれません。とにもかくにも、不動産投資が一時期ブームのようになったわけです(ちなみに私はマーケティングのクライアントであり、不動産投資にはかかわってません、笑)。

10年くらい経ち、再びその会社に行ったのですが、その時には何人もの人が、意外に儲からなかったなあ、、、と言い、何人もの人が給料も減ったことで物件を手放していました。幸い(?)なことに、「自己破産しそうな人はいたけど、誰もしなかった」が自慢のようです。

最初に知識を身につけていれば、結果は違ったものでしょう。たとえば、こんな記事とか……。

これは余談ですが、ある時からどういうわけか多額のローンを持っている人を会社が把握するようになり、危険と判断された人は呼び出される自体になったそうです。そこに行くと多くの人は不動産を手放す話になるらしく、私はそれを聞いて、そっちの方が怖い!と思いました(笑

かぼちゃの馬車問題は何がいけなかったか?

私はこのメディアの仕事をしていることで、不動産投資の話になることがあります。私は決して、「誰もがみんな不動産投資をやれ!」とは思っていないわけですが、「素人がやって本当に儲かるの?」と聞いてくる人がいます。

「素人がやってどうこうではなく、勉強して正しい知識を仕入れるかどうかが決め手になるんじゃないかな、知らんけど」と回答するのですが、こういうことを言ってくる人は次には、「かぼちゃの馬車みたいに騙されるんでしょ」というようなことを言ってきます。

結局、否定したいだけなら聞くなよ!と思うのですが、、、

ただし、そこで出てくるキーワードで気になることがあります。それは、
「サブリースとか危険なシステムなんでしょ」
「シェアハウスなんて、まともな人は住まないよね」
という決めつけです。 

私は、「その程度の知識だから失敗するんだよ!」と思うのですが、本当にそう思っている人って意外といるのかもしれないなと思うので、軽く説明しておきたいと思います。

サブリースは業者とオーナーがWin-Winになるシステム

サブリースとは、業者が物件オーナーから賃貸建物を一括して借り受け、これを入居者に賃貸するシステムです。これには、「賃料保証型」と「実績賃料連動型」があります。

賃料保証型は、実際の貸出し賃料に関わらず、オーナーに一定の賃料を支払うもの。実績賃料連動型は、実際の貸出し賃料に連動して、オーナーに賃料を払うものです。

サブリースのメリットは、物件オーナーと入居者が直接契約をする必要がなく、入退去の手続きや客付けをしなくてよいところです。当然、入居者からもらう賃料とオーナーに支払われるサブリース料はイコールではありませんが、その差額は手数料。賃料の回収など面倒な作業は一切必要がないわけですから、忙しいサラリーマン大家さんにとってはありがたいシステムなわけです。

かぼちゃの馬車では、家賃保証型サブリースを採用していましたが、システム自体は以前からあります。かぼちゃの馬車が作ったわけでも、広めたわけでもありません。つまり、このシステムは不動産投資を支えるシステムの一部になっており、これ自体が悪いというわけでは全くないのです。

シェアハウスは時代のニーズにあった居住スタイル

また、シェアハウスがまともなところじゃないというのも、とんだ勘違いです。というか、どこからそんな発想になるのかという感じ。

シェアハウスとは共同で利用するいわゆるスペースを持った賃貸住宅のこと。施設が比較的充実していながら価格はリーズナブルであるため、魅力を感じて住んでいる人がたくさんいます。

もっと言えば、ずっと昔に風呂やトイレは共用というめちゃくちゃ賃料の安い(たとえば学生寮のような)賃貸物件がありましたよね?

あれが今どき、かつおしゃれに進化したのがシェアハウス。だから、新しくて危険といった認識はまちがっているし、逆に古いと思います。

ネットで検索をすれば専門サイトもたくさんあるし、そこから新しく生まれたビジネスもあれば、同じ境遇の人が住むことで救われたという人もいます。かぼちゃの馬車のように失敗してるシェアハウスよりも、何らかのかたちで人々を幸せに導いているところの方が多いと思います。

かぼちゃの馬車は何が問題だったか?

「それでもかぼちゃの馬車が失敗したのは事実じゃないか!」と主張する人もいるでしょう。

それは事実ですが、その原因はかぼちゃの馬車を運営していた株式会社スマートデイズが、無謀なビジネスモデルに手を出していたことにあります。つまり、経営が下手だったわけです。

軽く説明しましょう。かぼちゃの馬車のビジネスは一見サブリースによって経営をしていくものに見えますが、この面はずっと赤字事業だったと言われています。つまり、(将来的には求めるつもりだったにしろ)本来利益を求めるべきところ以外に利益をもとめたことになります。

では、どこから利益を持ってきていたのかと言うと、新しく建物を建てた時の請負工事会社からのキックバック。土地を持っているオーナーなどにシェアハウス建築の話を持ちかけ、それを請負工事会社に紹介し、キックバックをもらうことで成り立っていたわけです。

このキックバックも一般的に存在するものですが、その額が異常。なんと50%も貰っていたと言います。工事会社はそのお金から材料費や人件費を引いて利益を出すわけですが、スマートデイズはまるまる現金が手に入るわけです。こんなオイシイ仕事ってないですよね?

ただし、このキックバックは新しく物件を建築するときの一回だけしかありません。そのためどんどん作り続けなければならなかったわけです。

スルガ銀行がやらかした大罪

そしてここに、オーナーはどうやってそのお金を作ったのかという疑問が湧きますよね。だって建築費として2倍のお金を払うわけですから。
ここにスルガ銀行が関わってくるわけです。

スルガ銀行としても、通常の家の建築をするよりも高いローン契約をどんどん紹介してくれるスマートデイズは美味しい紹介主だったでしょう。強引な形でローンを通し、これが社会問題となったわけです。

確かに、スルガ銀行は銀行としてやってはいけないことをしてしまいました。そこをフォローするつもりは全くありません。

ですが、だからと言って新しく事業を始めようというオーナーが、「騙された」と言い、「それはかわいそうだ」とは思えないわけです。

オーナーは被害者ではない

本来であれば事業を始めるということは、それなりの覚悟をもってやるべきことです。たとえばこれが、副業で飲食店を始めるという場合、さまざまなことを勉強し、物件を選んでお金を借り、売り上げ計画を立てた上で、オープンするはずです。

それでもうまくいかなくて潰れてしまうところが多いわけですが、そのとき、「運が悪かったね」とは言われず、「見込みが甘かったんじゃないの」と言われるわけです。

不動産オーナーも同じはず。それでも、そうは言われない(と思っている)所に不思議があります。

これは決して「オーナーが馬鹿だ」と片づけられるものではありません。スマートデイズはおそらく、めちゃくちゃ口の上手い営業の人が、「めちゃくちゃ儲かりますよ」と話し、その気にさせたんだと思います。問題はこういう業者が少なからずいるということ。

しかし本来なら、これを鵜呑みにするかどうかはオーナー側にかかっているわけです。残念なことに、社会的地位がある人は、なんだか世の中を知っている気になる傾向があります。私もそうでした。

その一方で、味方になってくれると思った人を疑いません。それが大きなローンを組み、一生をかけた大勝負になるとしても、「この人だったら大丈夫」と思ってしまうわけです。

これから不動産投資をする人が同じミスをしないために

かぼちゃの馬車に限らず、不動産投資でうまくいかない人は、ほとんどが同じパターンです。みんな真面目に老後を安定させたいとか、子供達に何かを残したいという思いがあるのですが、思いは先行するものの、知識で武装しようという方にはいかない。それが失敗を招くわけです。

実際、かぼちゃの馬車で被害にあった人の中には、不動産投資家として成功している人はいなかったと言われています。そして成功者たちは、「ちょっと知識があればかぼちゃの馬車には手を出さない」とも言います。

いろいろと書きましたが、不動産投資を新しく始めるということは、新規事業を始めるということです。つまり、ある程度の知識がなければ成功しないということ。売りたい人の意見ばかりを聞き、それを鵜呑みにすることは絶対にやめるべきです。

たとえばセミナーに行く場合でも、売る側のセミナーは都合のいいことを中心に話されます。そんなセミナーに行って、わかった気になるのではなく、実際に不動産投資をしている人の話を聞くとか、投資家の集まりに参加するとか、生の声を聞くべきです。

また、そういった集まりに参加できないのであれば、本を読むということでもいいはず。私たちのメディアでも、役に立つ情報はたくさん発信しています。また、有料会員には大家業の実際の収支も赤裸々に発表しています。

必ずしも私たちの媒体に参加してくれといっているわけではありませんが、とにかく勉強をしていただきたい!

不動産投資は着実に資産を増やせる方法です。でも楽して稼げるというものではありません。ぜひ、知識をつけることから始めてください。

原田園子

原田園子ディレクター

投稿者プロフィール

「不動産の学校」のディレクター兼ライター。
住宅メーカーや不動産業者をクライアントに持っています。
不動産関連の取材実績も多数あり。
不動産投資から日々の暮らし記事まで、幅広く担当します。

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