【連載】ニュージーランド経済と不動産市況
- 2020/11/7
- 不動産投資
- 【連載】ニュージーランド経済と不動産市況 はコメントを受け付けていません
こんにちは、ふりーパパです。
ニュージーランドの中央銀行が、史上最低金利に下げられてから、住宅ローン金利も大きく下がるようになり、現状では、2.5%(固定金利1年)くらいが標準的な住宅ローン金利となってきています。
ニュージーランドの主要産業が、観光であることもあり、新型コロナウイルス問題発生以降、ニュージーランドの景気の悪化は激しく、不況は、空港などで出入国管理を続けている限り続くものと想定されています。
また。コロナウイルスによる2回目のロックダウンを解除した10月以降からも回復が大きく遅れる状態となっています。ニュージーランド中央銀行も、日銀やユーロ中央銀行(ECB)のように、『マイナス金利』を導入することも検討するようになりました。
加えて、住宅ローンも、2%程度と、通常ローンよりも0.5%も安いような特別なローンもあるという話を聞くようになっています。街中には、不動産が売れた(SOLD)看板が多数みられますが、ここにきて、不動産価格もこれまでの『史上最高値』を付けるような状況となっており、活況を呈しています。オークランド市では、3ベッドルームの一戸建ての価格は、最低でも100万ドル(円換算70百万円)という途方もない価格になっています。
一方で、不況による失業者がローンを払えずに、保有している住宅を処分するようなケースもあるようですが、ニュージーランド全国での不動産価格の上昇によって、不動産を売れば、手元に余裕資金ができて、当面の生活には困らないような事例も増えているようです。
[ニュージーランド各地区の過去1年間の不動産価格の上昇率]
Trademe PropertyのHPより
外国からの観光客の受け入れについては、来年3月末くらいまでは難しい状態が続くことが想定されていることもあり、不景気の続くオークランド市の中心街では、空きテナント物件がかなり多くなっています。これから年末にかけて、もっと閉鎖される店舗も増えるのではないかと思われます。
このような状況になり、ニュージーランド政府も公共工事などを大きく増やしているのが、わかるようになりました。オークランド市や多くの街で、道路の整備工事などが行われています。低所得者層の収入を維持させるためにも、公共工事を増やして景気浮揚しているものと思われます。
しかしながら、今後も不況が続くことが想定される状況にも関わらず、新築戸建てなどは、飛ぶように売れる状況が続いています。アメリカでもこのような状況となっている話を聞くことがありますが、市場最低の低金利による景気刺激が一番不動産市場への影響が大きいことが実感できる状態とも言えます。
但し、これだけ住宅価格が上昇すると、家賃なども、4ベットルームの戸建て住宅の家賃も週1000ドル(円換算週7万円)という状況になってきており、日本のように、月家賃に換算すると、30万円程度となり、日本の都内の高級賃貸物件並みの賃料となっています。高い家賃を払っても、生活をしなくてはいけない人々は、戸建ての4つの部屋のうち、3つを知り合いや第3者に間貸しして高い家賃を支払うための工夫をしながら、生活をしています。
今後、ニュージーランドの景気と不動産市況がどのようになっていくのか、不透明な状況にも関わらず、史上最高値圏にあるニュージーランド不動産市況は、狂乱市場なのかもしれません。