注文住宅よりも建売一戸建てほうがいい⁈ハウスメーカー営業担当に聞いて納得した魅力

  • 2020/10/31
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一戸建てを買うなら注文住宅がベストだと思っている方は多いと思います。それでも建売を購入するのは価格が安いから。
ところが、ハウスメーカーの営業担当者に「正直、どっちがいいか?」と聞いてみたところ、「断然、建売り!」と答えたのです。

ちょっと驚きましたが、その理由を聞いて納得。
ということで、紹介したいと思います。

建売と注文住宅と売建の違いとは?

一戸建てには、建売住宅と注文住宅、それに売り建て住宅があります。分譲住宅や分譲一戸建てと呼ばれるものは建売と同じ物なので、ここは同意と考えてくださいね。

建売住宅とは、工務店やハウスメーカーが家を建て、土地付きで販売されるものです。土地は事前に工務店などが購入しているので、簡単に言えば転売されるということです。

では、なぜ建売住宅が安くなるかと言えば、ハウスメーカーが一定の規格の中で建てるのが基本だからです。建材をまとめて発注できるので、材料費が安くなりわけです。また、土地の形によって多少の違いはあるものの、基本的には統一規格に沿って建てられるため、建築家に支払われるの設計料がそれほどかからず、これも安くなる要因となります。

これの真逆にあるのが注文住宅。あらかじめ所有している土地がない場合、まずは土地を購入し、それに合わせて要望を交えながら家を建てます。土地に対する制約はありますが、要望をたくさん伝えられるので、理想に近い家ができるといわれています。ただし設計を個別にしなければいけないので建築費払う設計料は高くなり、建材にもこだわるため高くなります。たとえ、建売住宅と同じ品質の建材であっても、一戸だけのために注文するので高くなります。

では、売り建てとは何でしょうか?

これは「建築条件付土地」と言われるもの。最初に土地を購入すると言う意味では注文住宅と同じですが、「一定期間内に、指定した建設業者で家を建てる」という条件がついている点が違います。

家を建てる際、どの程度、自由にできるかは販売する業者によって違ってきます。実際に購入した人に聞いてみると、「玄関の場所から各部屋の間取りまで、要望通りに作ってくれた」という人もいれば、「洋室を和室に変えたぐらいで自由度がなかった」という人もいます。これは、どの程度の要望があったのかによるのかもしれませんが、ひとまずのイメージとしては、建売と注文住宅の間のような存在だと思って間違いありません。

注文住宅よりも建売をすすめたい!と言う営業マンがいる

ご存知の通り家は非常に大きな買い物です。多くの人は一生で一番大きな買い物になるでしょう。こうなると要望通りの家を手に入れたいと思うのが当然。「となると、注文住宅の方が理想的では?」と考えがちですが、実は「建売の方がメリットが多い」という営業マンがいるのです。その人は元々は注文住宅を売る営業マンで、その後転職し、建売を売る立場になった人。つまり、たくさんの事例を知っている人と言うことで、理由を聞かないわけにはいきません。

建売をおすすめする5つの理由

建売の方がいいと考える理由は5つあるそうです。ということで、ひとつずつ紹介していきましょう。

①土地の条件は建売の方が絶対的によい

建売にしろ、注文住宅にしろ、まずは土地がなければ家は建ちません。この土地は、一般の人に売る前に業者間で売買がされるのが一般的。つまり、条件がよい土地は早い段階でどこかの業者が買っていくことになります。そして一戸建てにむいた土地の多くは家を建て、建売として売られます。

例えば駅近の物件や、買い物に便利なところ、環境がよい所など。これは当たり前の話で、こういったところに一戸建てを建てると、高く売ることができますし、早く売れます。業者としては、単価が高い物件をスピーディに売った方が効率経営ができるので、条件のよい土地ほど先に買われるというわけです。

さて、注文住宅を建てるには、まず土地を買ってからとなります。この土地は、たとえ業者さんがサポートをする場合でも、先に述べたような理由で、絶対的な好条件の土地はでてきません。そのため、条件がよい土地を探すのにやたらと時間がかかったり、何らかの妥協をしなければいけなくなるというわけです。

②注文住宅は自由が利きすぎて、なかなか形にならない

土地を購入した後、家を建てるために要望を伝えていくわけですが、この自由度の高さがなかなかの曲者。多くは今住んでいる家をベースに考えるわけですが、それは賃貸の集合住宅であることが多く、根本的にずれが生じることになります。

例えば、「今住んでいる家は部屋数が少ないから、とにかく部屋数が欲しい」と要望する人がよくいるそうです。しかし、小さい部屋がたくさんある家というのは住んでみると意外と不便。さらに長い目で見ると、子供が巣立つまで10年から15年あるとしても、その後は家族の人数が減ってしまいます。こうなると、小さい部屋がたくさんある家はますます住みにくくなります。

また、「今の家は窓が少ないから、大きな窓をたくさん作りたい」と望む人も多いとか。しかし、冷暖房の効率を考えると窓は必ずしも大きいほうが良いとは言いきれません。

この辺りは建築士が相談にのるのですが、こだわりが強い人ほどかたくなになってしまい、「あーでもない、こーでもない」と言っているうちに時間が経ってしまうそうです。

③要望がバラバラでもめる家族も多い

また、注文住宅の場合、細かい部分で家族の意見が合わず、もめるケースは意外と多いそうです。旦那が主導権を持ちながら進め、ある程度固まってから、「私はこうして欲しいと思っているの」と奥さんが後から要望を言い出し、営業マンの前でふてくされる夫婦というのを何組も見てきたそうです。

また、家の購入時に、実家に頭金を援助してもらうケースが多く、こうなると実家のおじいちゃんなども口出してくるので、さらにややこしくなります。

④要望を形にするにはコストがかかる

要望はすべて叶えられるとは限りません。なぜなら、理想を全部詰め込むには、それだけコストが必要になるからです。「掃除をしやすいトイレにしたかったのに、予算の関係でかなわなかった」など、意外と尾を引くことも多いようです。

さらに、妥協をしたにも関わらず、予算はオーバーしてしまう人も多くなりがち。住宅ローンは毎月の支払いですから、予算オーバーとなれば毎月の生活費が苦しくなります。

「こんなに苦しくなるなら、一部屋減らせばよかった」とか、「ルーフバルコニーは気に入ってるけど、これがなければ生活が楽だった」と言うファミリーを見るのは忍びなかったそうです。

⑤こだわって作った家なのに後悔する人が多い

家は住みだしてから良かった点、悪かった点が分かるもの。不思議なもので、建売であれば最初から制約があるため、それを工夫して快適に暮らそうとする人が多いようですが、注文住宅であると発想を変えられないファミリーもいるそうです。

「最初から収納は少ないと思ってた」「やっぱりこの窓は使いにくい」「建築士さんの言うことを聞いていればよかった」という後悔はよく聞く話。家を売った営業マンとしては、切ない気持ちになることが少なくなかったようです。

自分にとってベストは何かを考える

もちろん、注文住宅を買った人が全員が後悔しているというわけではありません。この話をしてくれた営業マンは、色々なことを自分ごととして考えてくれる心優しいいい人がゆえに、後悔している人のことの方が意識に残っているのかもしれません。

家は非常に高価な買い物です。また、家を買うのは多くの人は初めてということが多く、経験が役に立たないのが辛いところ。洋服であれば、あうかどうかわからないけどちょっと冒険してみようかなという発想も出るでしょうか、家ではそうもいきません。ある意味、いつでも一発勝負なわけです。

満足を得るためには、自分にとって何が重要で、どういうところは妥協ができないのか、また妥協できるのはどこなのかといったことをあらかじめ整理しておくことが大切なのかもしれません。またそれは一緒に暮らす夫婦や家族ですり合わせることも大切。せっかく高い買い物なわけですから、家を購入したことでその後の人生がハッピーに過ごせるようにしてくださいね。

原田園子

原田園子ディレクター

投稿者プロフィール

「不動産の学校」のディレクター兼ライター。
住宅メーカーや不動産業者をクライアントに持っています。
不動産関連の取材実績も多数あり。
不動産投資から日々の暮らし記事まで、幅広く担当します。

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