こんにちは。ふりーパパです。
明らかにニュージーランドの景気が悪化してきています。今年9月には、景気後退に入ったことも発表されています。景気後退の定義は、2四半期連続で、GDPがマイナスになることで、明らかに新型コロナウイルスによるロックダウン(都市閉鎖)が経済の悪化に効いてきています。
7月に入りコロナウイルスの感染者が再増加してきたこともあり、再び外出禁止を始めとする自宅待機要請がなされ、景気悪化が実感できような状態に陥るようになりました。2回目のロックダウンでは、給付金等の支給対象者が限定されたことなどもあり、レストランなどの店舗についても撤退が増えて、空きが目立つようになりました。
今後についても、観光業が主要産業となっているニュージーランドの景気回復期待が遠のいてきているのが目に見えてくるようになっています。このような状況下でも、ファーストホームバイヤーと呼ばれる住宅の一次取得者にとっては、当面住宅ローン金利が、2.5%程度と史上最低金利が続くという思惑もあり、住宅の取得ブームが続いています。
最近では、新築物件でも80万ドル~100万ドル程度の物件は、飛ぶようにうれているという状況となってきています。但し、100万ドル以下の住宅供給はかなり減ってきていることも影響しています。夫婦共働きで、世帯の平均所得は、9万ドル~10万ドル程度であり、その所得の10倍もする戸建て住宅は高嶺の花となっていました。5年ほど前には、5%もしていた住宅ローン金利がその半分のレベルとなったことが大きな要因となり、現状の住宅取得ブームが発生しています。
ニュージーランドでは、国際空港を実質的に閉鎖している状況が続いており、主要産業である観光業の景気回復が今後も見込めないという想定もあり、インフレになる要素はなく、現状の超低金利政策が数年続く可能性もでてきています。
日本では、住宅取得ブームは起きていませんが、ニュージーランドやアメリカでは、住宅取得ブームに沸いています。一方で、コロナウイルス問題による失業率の増加等によって住宅ローンのデフォルト率が大きく上昇している最中でもこのような状況となっているのです。
日本でも、1997年頃に住宅金利が当時史上最低レベルとなった時期には、ちょっとした住宅取得ブームが起こりましたが、そのような比ではないようです。インフレ政策をとっている国では、家賃や不動産価格が毎年のように値上がりしていくので、早く住宅を取得するメリットが大きいからです。加えて、仕事を止めて引退する頃には、住宅ローンも返し終えて、所有する住宅を売却すれば、高級な老人ホームへも入所できるようになるので、安心資産としての住宅を取得するのがデフォルトモード(標準)なのです。
日本のように住宅が供給過剰というような状態になることもなく、海外からの移民も受け入れる政策などが、うまく機能しているとも言えそうです。過去30年で、地球上の人口は、約2倍に増えていることもあり、世界中で住宅価格が高騰していることは、日本人が忘れている世界の常識なのかもしれません。