次世代住宅エコポイントとは?対象となるリフォームのケースを解説
大好評だった住宅エコポイント制度が、「次世代住宅エコポイント制度」として2019年に復活することをご存じですか?
3回目の実施となる今回の制度は、前回までの制度とどんな違いがあるのでしょうか。また、リフォームをする場合でポイント発行の対象となるのはどんな場合でしょうか。
今日は、次世代住宅エコポイント制度について、リフォームをした場合に適用となるケースや発行されるポイント数などを紹介します。中古住宅を購入してリフォームするとポイントが2倍になる可能性もありますので、中古住宅を購入する予定のある人は参考にしてみてください。
2019年に復活した住宅エコポイントが話題に
これまで2回にわたって実施されてきた住宅エコポイント制度が2019年に復活するということで、不動産業界では話題となっています。
住宅エコポイントとは、一定の省エネ基準を満たす住宅の新築やリフォームに対して発行されるポイントのことです。
1回目の「住宅エコポイント制度」は2010年3月から申請開始となり、2014年3月の交換申請をもって終了しました。2回目に実施されたのは、「復興支援・住宅エコポイント制度」です。こちらの制度は2012年1月から申請開始となり、2015年1月の交換申請をもって終了しました。
どちらも同じ「住宅エコポイント制度」という名前ではありますが、対象となる住宅や工事の種類、交換できる商品などは少し異なります。「復興支援・住宅エコポイント制度」は、その名の通り復興支援の意味合いが強い制度でした。
では、2019年に復活した住宅エコポイントは一体どのような制度なのでしょうか。
次世代住宅エコポイント制度とは
「次世代住宅エコポイント制度」とは、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げに備えて実施される制度のことです。
これまでの住宅エコポイント制度と同様に、一定の省エネ性や耐震性、バリアフリー性能などを満たす住宅を新築・リフォームするとポイントが発行されます。完成済みの新築分譲住宅を購入する場合もポイント発行の対象となりますが、消費税率10%を適用される住宅のみが対象となりますので注意してください。
さらに、次世代住宅エコポイント制度では、「家事負担の軽減に資する住宅」の新築やリフォームもポイント発行の対象に加わっています。
これは、今回の制度が
- 環境
- 安全・安心
- 健康長寿・高齢者対応
- 子育て支援・働き方改革
などに役立つ住宅の新築やリフォームを対象としているからです。
家事負担の軽減に資する住宅とは、家事の負担を軽減することに役立つ設備がある住宅のことを指します。
たとえば
- ビルトインタイプの食器洗い機や自動調理対応コンロ
- 掃除のしやすいレンジフードやトイレ
- 浴室乾燥機
などは、家事負担の軽減に資する設備です。
発行されるポイントは設備によって異なりますので、ここでは上記の設備で発行されるポイントのみ紹介します。
- ビルトイン食器洗い機:1万8,000ポイント
- 掃除しやすいレンジフード:9,000ポイント
- 浴室乾燥機:1万8,000ポイント
- ビルトイン自動調理対応コンロ:1万2,000ポイント
リフォームをしてポイントがもらえるケース
ここからは、住宅エコポイントを発行してもらえるリフォーム工事について解説しましょう。
次世代住宅エコポイント制度でポイント発行の対象となるのは、所有者等が施工者に工事を発注し、工事請負契約を結んでリフォームをした場合です。個人・法人を問わず対象となるだけでなく、マンションの管理組合が実施するリフォームも対象となります。
リフォーム工事に対して発行されるポイントの上限は、1戸あたり30万ポイントです。
ただし、この上限には特例があります。特例に当てはまるリフォームの上限ポイントは、以下の通りです。
- 若者・子育て世帯が中古住宅を購入して行うリフォーム:上限60万ポイント
- 若者・子育て世帯が行う上記以外のリフォーム:上限45万ポイント
- 上記以外の世帯が安心R住宅を購入して行うリフォーム:上限45万ポイント
若者世帯とは2018年12月21日の時点で40歳未満だった世帯を指し、子育て世帯とは2018年12月21日の時点、または発行申請をした時点で18歳未満の子どもを持つ世帯を指します。
なお、若者・子育て世帯に限っては、自らが暮らす住宅でのリフォームに限り次世代住宅エコポイント制度の対象です。その他の世帯は、全ての住宅が対象となります。つまり、若者・子育て世帯以外であれば、自分で購入した中古物件をリフォームして貸し出す場合においてもポイント発行の対象となるということです。
対象となるリフォーム工事は9種類
次世代住宅エコポイントを発行してもらえるリフォームの種類は、以下の9つです。
- 開口部(ドアや窓など)の断熱改修
- 外壁、屋根・天井または床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
- バリアフリー改修
- 耐震改修
- 家事負担軽減に資する設備の設置
- リフォーム瑕疵(かし)保険への加入
- インスペクション(住宅診断)の実施
- 若者・子育て世帯が既存住宅を購入して行う一定規模以上のリフォーム
エコ住宅設備とは、節水型トイレや太陽熱利用システム、高断熱浴槽などを指します。
ちなみに、リフォームしたトイレが「節水型トイレ」にも「掃除しやすいトイレ(家事負担軽減に資する設備)」にも当てはまる場合、重複させての申請はできません。この場合は掃除しやすいトイレとして申請した方が高いポイントをもらえますので、家事負担軽減に資する設備として申請すると良いでしょう。
発行されるポイントは、工事の種類や規模、面積などによって異なります。
たとえば、断熱改修リフォームをおこなった場合のポイントは以下の通りです。
- 内外窓・ガラス:4,000~2万ポイント×箇所数
- ドア:2万4,000~2万8,000ポイント×箇所数
- 外壁:5万~10万ポイント
- 屋根・天井:1万6,000~3万2,000ポイント
- 床:3万~6万ポイント
仮に0.1平方メートル以上0.8平方メートル未満のガラスを交換したとすると、ガラス1枚あたりの住宅エコポイントは2,000ポイントです。
また、次世代住宅エコポイント制度では、全てのポイントを合計して2万ポイントに達しない場合は発行申請ができませんので注意してください。
住宅エコポイントが2倍になるケースもある
中古物件を購入してリフォームする場合は、一定の条件を満たすと「既存住宅購入加算」の適用が認められ、2倍の住宅エコポイントが発行されます。
一定の条件とは、
- 自らが暮らすことを目的に購入した住宅である
- 売買契約を結んでから3か月以内にリフォーム工事の請負契約を結んだ
の2つです。
たとえば、家事負担軽減に資する設備を1つ設置しただけでは2万ポイントに達しないため、住宅エコポイントの発行申請ができません。そういった場合でも、中古物件を購入してリフォームし、かつ上記の条件を満たせば「既存住宅購入加算」の適用が認められます。2倍の住宅エコポイントが発行されて2万ポイントを超えれば、発行申請が可能になるということです。
とはいえ、売買契約を結んでから3か月以内にリフォーム工事の請負契約を結ばなければ条件を満たせませんので、中古物件を購入する予定がある人は注意しましょう。
対象となるのは指定の製品メーカーのみ
実は、どんな製品を設置しても次世代住宅エコポイントの対象となるワケではありません。
たとえば、開口部の断熱改修のうち、住宅エコポイントの対象に指定されているガラスには以下の製品メーカーがあります。
- IGウインドウズ株式会社
- AGC株式会社
- 日本板硝子株式会社
- 日本ベルックス株式会社
- 株式会社LIXIL
- YKK AP株式会社
たとえしっかりと断熱できる製品であっても、上記のメーカー以外を使用すると住宅エコポイントの対象外となりますので注意してください。
まとめ
今日は、次世代住宅エコポイント制度について、リフォームをした場合に適用となるケースを紹介しました。申請者や子どもの年齢によっても、発行してもらえるポイントの上限が異なります。損をすることがないよう、しっかりと理解しましょう。制度に詳しい工務店や製品メーカーもたくさんありますので、よく分からないときは相談してみると良いですよ。