不動産の投資顧問とは?メリット・デメリットから選び方まで徹底解説
不動産投資を始める際には、投資顧問のサポートを受けてはいかがでしょうか。不動産投資がうまくいかない、将来に不安があるといった場合にも、投資顧問に依頼することで解決できる可能性があります。ただし、不動産の投資顧問への依頼には、メリットとデメリットがあるため、事前に確認しておきましょう。
今回は、不動産の投資顧問について、概要やメリット・デメリット、選び方のポイントまでわかりやすく解説していきます。
不動産投資顧問とは
不動産投資顧問は、次の2つに分けられます。
一般不動産投資顧問
不動産の価値を分析し、投資すべきかどうかアドバイスします。あくまでもアドバイスのみのため、投資の判断や取引は顧客が行います。何の権限も与えられておらず、第三者の立場でアドバイスすることが特徴です。
総合不動産投資顧問
投資のアドバイスだけではなく、投資の判断を含め、総合的にサポートします。投資顧問だけで投資の判断をする場合もあれば、判断の一部のみ任されている場合もあります。また、不動産取引業務を行ったり、顧客から任された業務を資産運用会社などへと再委任したりすることも業務の1つです。
また、総合不動産投資顧問業を営むためには、宅地建物取引業の免許が必要です。
不動産投資顧問に依頼するメリット
不動産投資顧問に依頼するメリットは、より大きな利益を得られる可能性が高まることです。なぜ、より大きな利益獲得に繋がるのか、不動産投資顧問に依頼するメリットを詳しく解説していきます。
公正な立場でのアドバイスを得られる
不動産投資顧問は、投資すべきかどうか公正な立場でアドバイスします。投資先にメリットがあるアドバイスをしないため、投資を強く勧められて自己判断の精度が落ちる心配がありません。
強く勧められるにしても、その理由を細かく説明してくれるため、納得したうえで投資するかどうか判断できます。投資しない方がいい場合は、なぜ投資しない方がいいのか、納得できるまで説明してくれます。
この場合、複数の投資顧問にアドバイスを得ることで、投資の成功率をさらに高められるでしょう。
不動産投資のリスクを踏まえたアドバイスを得られる
不動産投資のリスクを踏まえ、投資すべきかどうかアドバイスしてくれます。そのときは将来の展望が明るくても、世の動向の変化により、一気に高リスクな投資物件になるケースがあります。そのため、周辺地域の状況や将来の予測だけではなく、日本や世界の情勢を踏まえた投資先選びが大切です。
不動産投資の経歴が浅いと、なかなかそこまでのリスクを予測することができません。高いスキルを持つ不動産投資顧問であれば、様々なリスクを想定し、投資すべきかどうかアドバイスできます。
不動産投資に関わる手続きも代行してもらえる
総合不動産投資顧問であれば、不動産投資に関わる手続きの代行や税理士の紹介なども行っている場合があります。不動産投資に関わる業務をすべて任せられるため、本業に集中したり、別の投資物件を探す時間を確保したりできます。
事前に、どこまでの業務を行えるのか詳しく確認しておきましょう。
不動産投資顧問に依頼するデメリット
不動産投資顧問に依頼することには、デメリットもあります。デメリットを踏まえて、不動産投資顧問に依頼するかどうかを決めましょう。また、デメリットを補うように行動することも大切です。
それでは、不動産投資顧問に依頼するデメリットを詳しくみていきましょう。
費用がかかる
不動産投資顧問に依頼する場合、費用がかかります。例えば、投資不動産の分析は1件あたり50,000~200,000円、公売・競売不動産への入札代行は売却基準価額の5%、相談料1時間15,000~20,000円程度かかります。
依頼先によって費用がかかるタイミングや料金が異なるため、事前に確認しておきましょう。月額料金を設定しているケースもありますが、基本的に何度でも相談や分析を依頼できる投資顧問はありません。
スキルの個人差が大きい
不動産投資顧問のスキルは個人差が大きいため、場合によっては満足できるサポートを受けられません。適切なアドバイスかどうか判断は難しいため、十分に実績がある人物を選ぶことが大切です。それでも、不動産投資の性質上、数年~数十年が経たないと、本当に投資してよかったかどうかわかりません。
将来、不動産投資顧問のアドバイス通りに投資したことを後悔する可能性もあります。
失敗したときの補償がない
不動産投資顧問を信じて投資した結果、失敗に終わったとしても、何の補償もありません。総合不動産投資顧問に投資の判断まで任せる場合は、十分に注意が必要です。投資顧問に任せたからといって、必ずしも投資に成功するわけではないことを覚えておきましょう。
アドバイスに従うべきか悩む場合がある
不動産投資顧問のアドバイスは、あくまでもアドバイスであり、投資の可否を指示するものではありません。場合によっては、質の低いアドバイスをされ、参考にすべきか判断に迷ってしまうでしょう。
不動産投資顧問の知識やスキル、ノウハウを十分に持っている人が投資顧問のアドバイスを受けると、かえって悪い判断をしてしまう可能性もあります。そのため、アドバイスを受けることは必ずしも良いことではないのです。
特に、一般不動産投資顧問への相談は、人の意見に流されず、あらゆる情報や意見をもとに、総合的に判断できる人に向いています。
不動産投資顧問の選び方
どのような不動産投資顧問でもいいと思い、何となく選んでしまうと、質の高い投資は実現できません。どのような不動産投資顧問を選ぶと失敗しないのか、選び方のポイントを詳しくご紹介します。
実績の提示を求める
具体的なアドバイスの実績を求めましょう。不動産投資に関して、どのようなアドバイスをした結果、投資は成功したのかどうか、具体的にどれだけの利益が出たのかを確認してください。実績は、不動産投資顧問の実力を示す唯一の指標です。
有名企業の不動産投資顧問だからといって、必ずしも実績豊富とは限りません。判断材料にできるほどの十分な実績を提示してくれる不動産投資顧問を候補にしましょう。
国土交通省に登録しているか確認する
国土交通省は、不動産市場の育成と投資家の保護を目的として登録規定を定めた「不動産投資顧問業登録制度」を設けています。登録は義務ではありませんが、信頼性を高めることを目的に多くの不動産投資顧問が登録しています。
登録していないからスキルが低いとは言い切れませんが、不動産投資顧問業に力を入れている人物であれば、登録していると考えられます。国土交通省の不動産投資顧問業に関する登録を済ませているか確認しましょう。
こちらの話に耳を傾けるかチェックする
不動産投資顧問の中には、顧客の声に十分に耳を傾けない人物もいます。相談した結果、「こちらの言うとおりに投資をすれば間違いない」といった対応をとられた場合は注意が必要です。投資の世界に「絶対」という言葉は存在しません。
顧客の不安や疑問を解消し、論理的に投資の可否についてアドバイスできる人物が良い不動産投資顧問と言えるでしょう。
料金が高すぎず安すぎない人物を選ぶ
料金が高すぎたり安すぎたりする場合、アドバイスや業務の質が低い可能性があります。実績が少ないために料金を安くしていたり、顧客が少ないために料金を高く設定していたりする場合もあるのです。
複数の不動産投資顧問を候補に挙げて、平均的な人物を選んだ方がいいでしょう。
不動産投資顧問の個人と法人の違い
不動産投資顧問には、個人と法人があります。個人は、投資顧問で生活できるほど収入を得ているため、高いスキルを持っていると考えられます。ただし、事業の1つとして行っているケースもあるため、実績の確認が必要です。
法人は、担当者によってスキルに差があります。その代わり、資金調達など不動産投資に関するトータルサポートを受けやすいことが特徴です。どちらが良いか一概には言えないため、個人か法人かを問わず、複数の不動産投資顧問に相談し、最も印象が良かった人物・会社を選びましょう。
まとめ
不動産投資顧問は、投資の知識やスキルを持つため、投資初心者は相談することをおすすめします。ただし、費用面やスキルの個人差などリスクもあるため、相談先は慎重に選ぶことが大切です。また、投資の判断まで全て任せる場合には、どれだけトータルサポートできるのか、判断の質は高いのか、十分に確認しましょう。不動産投資の専門家をうまく利用して、より良い投資を実現してください。