【連載】閑散期をチャンスに変える!2つのポイントから導く「自分磨き」戦略

  • 2020/4/10
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株式会社アートアベニューの安藤と申します。弊社は首都圏の賃貸物件約6500戸をオーナー様からお預かりし、不動産管理に経営者思考を取り入れた「プロパティ・マネジメント(不動産経営管理)」をおこなっている不動産管理会社(PM会社)です。

本連載では、PM会社ならではのノウハウ、業界のリアルな裏話などを紹介します。



空室対策は、時期によってさまざまな戦略が考えられます。2月の当連載でご紹介したとおり、春の引っ越しシーズンには「期間限定キャンペーン」のような即効性のある空室対策が効果的です。

そして今回は、お部屋探しの問い合わせが落ち着いてきたこれからの時期にピッタリな空室対策を考えます。

夏の移動時期や次の繁忙期に向け、物件の「自分磨き」を!

業界のかき入れ時である1~3月は、移動のピークおよびお問い合わせのピークを逃さないことこそが肝要であり、即効性のあるキャンペーン等の空室対策が有効でした。

しかし、4月以降は問い合わせの絶対数が少なくなるため、成約までの時間も長期化しやすくなってしまいます。

そこで検討したいのが、時間をかけた「自分磨き」の戦略です。

成約が長期化すると聞くと、ネガティブな印象を受けるかもしれません。ですが、あえてポジティブに考えれば、この時期は時間をかけて「物件そのものの価値」を上げるような空室対策に取り組むチャンスと捉えることもできるでしょう。

もちろん、この時期もキャンペーンの効果がないわけではありませんが、キャンペーンは基本的に1回限りの使い切り。効果がなかったからと連発するのは、不経済です。

その点、物件そのものの価値を上げる空室対策は継続的な効果を狙うことができ、経済的かつ効果的といえるでしょう。

ポイントは2つ!費用対効果と需給ギャップ

物件の価値を上げるために新しい設備を導入する場合、入居者ニーズのない設備をうっかり導入し、費用を無駄にするような事態は避けたいものです。

そこで、まずは全国賃貸住宅新聞社が発表している『入居者に人気の設備ランキング』を参考にすることをおすすめします。

とはいえ、ランキング上位の設備をただ導入すればいいかというと、そうではありません。せっかく新たな設備を導入するなら、次に挙げる2つのポイントに気を付けて、もうひと工夫したいところです。

ポイント1:費用対効果を考えて効率的な投資を

まずは、「費用対効果」をしっかり考えます。

導入する設備によって投資効率は全く違ってきますので、どの設備が効率の良い投資なのかをしっかり見極めましょう

例えば、単身者向け物件で4番人気の「浴室乾燥機」(以下の表を参照)。弊社で採用しているコンペア式賃料査定(※1)では、浴室換気乾燥機の有無で約1,000円の賃料差をつけています。

※1:コンペア式賃料査定…エリアの相場から大まかな賃料額を査定するのではなく、近隣で実際に成約している類似物件と細かな比較(コンペア)を行い、賃料を算出する査定方法。建物の外観、間取り、設備といった具体的な比較項目を用意し、それぞれの違いがどの程度の金額差を生むかを分析する。アートアベニューでは長年の査定ノウハウを明確な「比較基準」に落とし込んだことで、査定の精度を向上。根拠のある、冷静な査定を可能とした。

仮に設置費用を10万円とした場合、家賃を1,000円上げる効果が期待できる同設備の利回りは次のように計算できます。

1,000円×12か月÷10万円=12%

では、1番人気の「インターネット無料」はどうでしょうか。

例えば、

  • 一棟導入費用35万円
  • 毎月のランニングコスト1,000円(1戸当たり)
  • 期待できる家賃上昇効果2,000円(コンペア式賃料査定による)

と仮定した場合、10室のアパートに導入した場合の利回りは

(2,000円-1,000円)×10室×12か月÷35万円≒34%

となります。

もちろん、全ての部屋への同時導入・賃料アップは難しいため、単純な比較はできません。

しかし、対策の種類によって利回りにこれだけの差が生まれるという事実は把握しておきましょう。

ポイント2:需給ギャップのある設備を導入して選ばれる物件に

2つ目のポイントは、「需要があるのに供給は少ない設備」を探すことです。

需要については『人気設備ランキング』で確認するとして、供給の多い少ないはどのように確認すればよいでしょうか。

実は、非常に身近なものを使って簡単に確認できます。「ポータルサイトの検索機能」を使用するのです。

例えば、2020年4月2日現在、SUUMOには東京23区の物件が63万5,113件、掲載されています。では、先ほど登場した「インターネット無料」の項目にチェックを入れてみると、どうでしょう。

何と、件数は12万6,994件となり、一気に19.9%にまで絞り込まれました!

単身・ファミリーともにランキング1位の「インターネット無料」は、リクルート住まいカンパニー社の調査(※2)においても、実に約3人に2人が「次に引っ越すときは(も)欲しい設備」に挙げています(以下の表を参照)。

しかし供給量をチェックすると19.9%、つまり5部屋に1部屋しか導入されていません。この「需給ギャップ」を埋めることができれば、成約への距離はグッと縮まるはずです。

※2:2017年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(PDF)|株式会社リクルート住まいカンパニー

まとめ

問い合わせが落ち着いてきた時期だからこそ、腰を据えた分析や比較検討も可能になります。ポイントを押さえた空室対策で、この時期にしかできない「物件の自分磨き」を効果的におこなっていきましょう。

 

株式会社アートアベニュー
プロパティマネジメント(不動産経営管理)の草分け的存在として業界からも評価される不動産管理・コンサルティング会社。日常の経営管理業務のみならず、オーナーの投資目標に合わせた売買・組替相談、不動産財務分析、建築企画、相続支援等もおこなう。代表の藤澤雅義氏は、日本でのCPM®(米国不動産経営管理士)を認定するIREM JAPANの2003年度会長。http://www.artavenue.co.jp/

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