老後の大家は悠々自適?老後の豊かな暮らしを実現するためのポイント

  • 2019/10/24
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不動産投資によって家賃収入を得られると、老後の暮らしにゆとりが持てるようになると思っている方は多いのではないでしょうか。確かに、不動産投資に成功すれば悠々自適な隠居生活ができるでしょう。しかし、不動産投資は必ず成功するとは限りません

そこで今回は、老後の大家の暮らしはどのようなものか解説しつつ、老後の豊かな暮らしを実現するためのポイントを詳しく紹介します。

老後の大家の暮らしはどのようなもの?

老後の大家の暮らしは、不動産投資に成功するか失敗するかで異なります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

不動産投資に成功した場合

不動産投資に成功して不動産投資のために組んだローンを完済できれば、日々の暮らしにゆとりを持てるでしょう。

不動産投資の継続的な家賃収入と公的年金や個人年金、保険の解約返戻金などを合わせれば、働かなくても生活できるかもしれません

老後の不安を解消するために不動産投資を始める方にとっては、こういったパターンが理想といえます。

不動産投資に失敗した場合

不動産投資の失敗とは、不動産価値が下落して家賃収入が少なくなったり、空室期間が長くなったことで不動産投資用のローン返済に追われて貯蓄が減ってしまったりすることを指します

たとえ不動産価値が下落したり空室期間が長くなったりしたとても、ローンさえ完済できれば収支はおおむねプラスとなるでしょう。

しかし、不動産投資を始めて間もない頃に不動産価値が下落したり、空室期間があまりに長く続いたりすると、ローン返済に支障をきたし、老後までに完済できなくなる可能性があるのです。

そうなれば、老後もローンの返済に追われ、日々の生活さえ圧迫される恐れがあります。また、ローン返済に支障をきたすと、場合によっては物件を競売にかけられ、不動産投資をやめざるを得ない可能性もあるでしょう。

このように、不動産投資を始めれば必ず老後の生活にゆとりが持てるとは言い切れないのです。では、不動産投資に成功して豊かな老後を過ごすためには、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。

不動産投資に成功して豊かな老後を過ごすためのポイント

不動産投資に成功して豊かな老後を過ごすために押さえるべきポイントは、次の3つです。

ポイント1.老後までに不動産投資ローンを完済しておく

老後までに不動産投資ローンを完済しておかなければ、返済に支障をきたす恐れがあります

通常、老後までにローンを完済できるように返済額や返済期間を決めるものですが、当時の収入状況によっては老後に返済を続けるプランでローンを組む場合があります。これは、不動産投資用のローンに限らず、教育ローンや住宅ローンでも同じことがいえるでしょう。

しかし、何らかのアクシデントによって働けなくなった場合、老後の収入は一気に減ってしまいます。すると、これまで問題なく返済できていたローンを返済できなくなる恐れがあるのです。

老後も変わらず働いていけるとは限らないため、ローンは老後までに完済しておくことをオススメします。

ポイント2.信頼できる管理会社と契約しておく

不動産投資に成功して豊かな老後を過ごしたければ、信頼性の高い管理会社と契約しておきましょう。

無事に各種ローンを完済し、順調に家賃収入を得られる状態で老後を迎えたとしても、大家として対応すべき問題が頻繁に起これば心身ともに疲弊してしまいます。中でも、複数の投資物件を持つケースでは大家が対応すべき問題も多くなりがちです。

悠々自適な隠居生活を送りたいのに、慌ただしい日々を過ごすことになる可能性もあるでしょう。

そんなときに頼りになるのが、信頼できる管理会社です。管理会社は、大家の代わりに入居者とやり取りをして各種手続きや修繕などを代行してくれます。

ただし、管理会社の対応が悪いと、入居者が不満を感じて退去してしまったり、入居者同士のトラブルが起きて対応に追われたりする恐れがあるので要注意。だからこそ、信頼できる管理会社と契約することが大切なのです。

ポイント3.入居者の質には十分に注意する

3つ目のポイントは、入居者の質には十分に注意することです。

入居者の質が低いと、

  • 家賃滞納
  • 入居者同士のトラブル
  • 部屋の汚染・破損

といった、さまざまなトラブルが発生しかねません。

質が低い入居者同士のトラブルによって、ほかの善良な入居者にも被害が及び、一斉に退去されてしまう恐れもあるでしょう。

空室を早く埋めたいからといって、入居者の質を十分に確認せず「とりあえず」の感覚で契約すると、結果的に大きな金銭的被害を受ける可能性があります

大家が対応すべき問題の数を減らすためにも、質のいい入居者と契約しましょう。

老後までに不動産を売却するのも1つの方法

老後までに不動産投資用のローンを完済し、家賃収入で十分な収益を得られているなら、豊かな老後を過ごすために不動産を売却するのも1つの方法です。

どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

メリット1.まとまった老後資金を得られる

不動産を売却すればまとまった資金を得られるため、老後の生活にゆとりが生まれます。

月々の家賃収入を継続的に受け取るか、それとも先にまとまった資金を受け取るか、の違いと捉えてよいでしょう。

また、売却して手に入れた資金を別の投資に使うという方法もあります。もちろんリスクのある選択ですから慎重に検討しなければなりませんが、うまくいけば老後資金をさらに増やせる可能性があります。

メリット2.大家対応に追われることがなくなる

不動産を売却してしまえば、大家としての対応に追われることもなくなります

信頼できる管理会社と契約しておけば大家としての対応は減らせるものの、入居者の審査や管理会社からの連絡などは避けられません。

「いつ連絡がくるか」と、そわそわする時間がなくなるため、老後の時間をゆっくり楽しめるでしょう。

老後のために不動産投資を始める際の注意点

最後に、老後資金をためるために不動産投資を始めるならぜひ注意してほしいことを4つお伝えします。

注意点1.不動産価値は下落していく

不動産価値が高くなる場合もありますが、多くの物件は下落していきます。

物件の価値は、築年数の経過とともに下がっていくのです。新築のときは空室期間がほとんどなかった物件でも、築30年や40年になると空室が目立つ状態になるかもしれません。

物件が古くなることは防げないものの、キレイな状態は保てます。定期的にリフォームや大規模修繕工事をして、築年数が古くても人気のある物件を目指しましょう。

注意点2.悪質な不動産会社もある

悪質な不動産会社には注意が必要です。

たとえば、月40万円のローン返済で月70万円の家賃収入を得られると言われて契約し、最初は実際にそれだけの利益を得られていたけれど、10年後には家賃の大幅な値下げを言い渡されたというケースがあります。

契約書に小さな字で「10年後から2年ごとに家賃を見直す」と書かれていたため、泣き寝入りをする大家も少なくありません。

不動産は年月とともにどうしても価値が下がるため、いつまでも新築物件と同じ家賃と人気はキープできないのが現実です。夢のようなメリットばかりを前面に押し出して勧誘する不動産会社には、くれぐれも注意しましょう

注意点3.将来の予測も踏まえて投資物件を選ぶ

不動産の価値は、周辺地域や日本の情勢など、さまざまな影響を受けて変動します。

1つ例を挙げると、東京オリンピックの開催を機に世界中から東京が注目され、不動産価値が高まるとのうわさがあります。

また、現在は開発が進んでいなくても、巨大ショッピングモールや大学などの建設予定がある地域は価値が上がっていくことを期待できるでしょう。

このように、将来の価格変動を予測しながら投資物件を選ぶことは、不動産投資において重要な視点です。こういった視点で物件を選べば、悠々自適な隠居生活の実現に一歩近づけます。

注意点4.ほかのローンも踏まえて検討する

不動産投資用のローンを組むと、ほかで組めるローンの金額が少なくなります

たとえば、4,000万円のローンを組める人だった場合、3000万円の不動産投資ローンを組んだことにより、ほかのローンは1000万円までしか組めなくなるのです。

すると、マイホームを購入したくても不動産投資ローンがまだまだ残っているために購入できないという状況もあり得ます。

所得によって組めるローンの総額は異なりますので、自分の所得ならいくらまでローンを組めるのか確認しておきましょう。

まとめ

老後も大家として不動産投資を続ければ、継続的な家賃収入を得られます。しかし、その一方では自分の時間が少なくなる可能性もあるでしょう。信頼できる管理会社と契約しつつ、いずれ不動産を売却することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。不動産を売却して十分な老後資金を得た後に悠々自適な隠居生活を始めるというのも、1つの方法ですよ。

加藤 良大

加藤 良大

投稿者プロフィール

歴8年の専門記事ライター。不動産記事の執筆本数は500本を超える。不動産売却や税金の話、相続やM&Aによる不動産売買に関する記事を執筆。誰が読んでもわかりやすく、すべての疑問を解決できる記事の執筆を心がけています。

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