【連載】満室経営のヒントが満載!最新・入居者ニーズ調査からお部屋探しのリアルを読み解く
株式会社アートアベニューの片平と申します。弊社は首都圏の賃貸物件約6500戸をオーナー様からお預かりし、不動産管理に経営者思考を取り入れた「プロパティ・マネジメント(不動産経営管理)」を行なっている不動産管理会社(PM会社)です。本連載では、PM会社ならではのノウハウ、業界のリアルな裏話などをご紹介していきます。
賃貸経営において最も重要なことは「入居者付け」です。では、入居者はどういった点を気にして部屋を探しているのでしょうか。今回は、21C.住環境研究会とSUUMO(リクルート住まいカンパニー)が今年5月に発表した「第8回 首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査」から、入居者のニーズと、部屋探しの最新動向をご紹介します。
21C.住環境研究会とは、首都圏の中堅・大手の不動産管理会社を中心とした約20社で構成される団体。主に賃貸物件の市場動向や管理運営上の課題を研究している。
3年に1度、リクルート住まいカンパニーと協力し、首都圏の賃貸住宅契約者(約1,200名)に住まいに対する意識調査を行っている。
新規契約の46%が「来店前にインターネットで見た物件」を契約
当意識調査には、部屋探しをする人たちのリアルな声が詰まっています。たとえば、「あなたが今回ご契約されたお部屋は、どのような物件でしたか」という質問に対し、新規契約をした入居者は次のように回答しています。
なんと、今や2人に1人がネットで見つけた部屋にそのまま住んでいるのです。ネットで部屋探しが当たり前の時代、入居者から選ばれるには、ネット検索の時点で気に入ってもらえる物件にしておく必要がありそうです。
ちなみに、「どのような情報があれば、来店前に絞り込むことができるか」という質問には、「室内のそれぞれの箇所の写真が全部確認できる」という回答が首位。募集時の室内写真は充実させておきたいですね。
リフォームされていれば、築年数が古くても構わない:48%
築浅の物件が好まれるのは今も昔も同じですが、古い物件もきれいにリフォームすることでチャンスを掴めるかもしれません。
築年数に関する質問では、重視する:約60%、どちらとも言えない:約19%、重視しない:約21%と、築年数重視の人が約6割いる一方で、「リフォームされていれば築年数が古くても構わない」という回答は48%にものぼりました。築古建物こそリフォームに注力すべきです。
自己負担(家賃増額等)をしてでも欲しい設備・サービス
自分でお金を払ってでも欲しい、言い換えれば、高い効果の期待できる空室対策設備は何でしょうか。
単身・ファミリー問わず票を集めたのは、「古い和室を洋室にリフォーム」、「エアコン」、「24時間ゴミ出し可能」等でした。単身では「wi-fiサービス」「宅配ボックス」、ファミリーでは「追い焚き」「録画機能付オートロック」も高い評価を獲得しています。
ただし、「自己負担をしてでも欲しい設備・サービスは無い」という意見も、単身・ファミリー共に約2割発生。設備の導入を検討する際は、ターゲット層に人気の高いものを選ぶことに加えて、過剰に投資しても家賃は上がらないことに留意する必要がありそうです。
自己負担(家賃増額等)をしてでも欲しい設備・サービスはなんですか?
求める設備・サービス | 単身 | ファミリー |
古い和室を洋室にリフォーム | 34% | 28% |
エアコン | 33% | 30% |
24時間ゴミ出し可能 | 31% | 29% |
Wi-Fiサービス | 29% | 27% |
宅配ボックス | 26% | 18% |
追い焚き機能付きバス | 17% | 35% |
録画機能付きオートロック | 14% | 22% |
民泊併用物件では、賃貸入居者の73%が引っ越しを検討…
空き部屋の民泊活用を検討されているオーナー様は要注意です。「ご自身が住んでいる物件で民泊が運営されていたらどう感じるか」という質問では、
- 気にせず住み続ける:27%に対して、
- 更新時に引っ越しを検討:52%
- 早急に引越を検討:21%
と、引っ越しを検討する人が約7割を占める結果となりました。賃貸住宅と民泊を併用する際は慎重な判断が必要そうです。
本アンケートには、今回ご紹介したQ&A以外にも、賃貸経営に役に立つ情報がたくさん掲載されています。書店では販売していませんので、ご興味のある方は以下にお問い合わせください。
お問い合わせ先
■WEB (株)アートアベニュー お問い合わせフォーム
https://www.artavenue.co.jp/contact_general/
お問い合わせ内容に、次のメッセージをご記載ください。
【不動産の学校をみて、「入居者ニーズと意識調査」を送付希望】
■お電話 (株)アートアベニュー マーケティング課 電話:03-5331-0551
株式会社アートアベニュー
プロパティマネジメント(不動産経営管理)の草分け的存在として業界からも評価される不動産管理・コンサルティング会社。日常の経営管理業務のみならず、オーナーの投資目標に合わせた売買・組替相談、不動産財務分析、建築企画、相続支援等もおこなう。代表の藤澤雅義氏は、日本でのCPM®(米国不動産経営管理士)を認定するIREM JAPANの2003年度会長。
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