賃貸物件の更新料って何?必要な場合と更新料なしの物件を探す方法
- 2019/9/20
- 賃貸
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初めてのひとり暮らしや初めて暮らす地域で賃貸物件を借りた場合などに、更新料の支払い通知書が届いて驚いた経験はありませんか? 実は、同じ日本でも賃貸物件の更新料を設定している物件が多い県もあれば、少ない県もあるようです。では、そもそも賃貸物件の更新料とは一体どんなものなのでしょう? 必ず支払わなければいけない料金なのでしょうか。
今日は、賃貸物件の更新料について、その定義と相場、注意点などを解説します。更新料なしの物件を探す方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸物件の更新料とは
賃貸物件の更新料とは、借り主が大家さんに対して支払う料金のこと。
賃貸物件の場合、一般的には2年ごとに更新をするケースが多いため、更新料についても2年ごとに支払うケースが多いようです。
名前は似ていても更新料とは異なるもの
賃貸物件の更新時には、
- 更新手数料
- 更新事務手数料
- 保証会社の更新料
といった名前の料金を請求されることがあります。
しかし、これらは更新料とは別の料金です。
たとえば、更新手数料や更新事務手数料は不動産会社へ支払う手数料であり、大家さんへ支払う料金ではありません。また、同じ更新料という名前でも、保証会社へ支払う更新料は大家さんへ支払う料金とは全くの別ものです。
これらの料金は更新料と名前が似ているので混同しがちですが、それぞれの料金は支払う理由や相手が異なりますので注意しましょう。
更新料の支払いが不要な賃貸物件もある
賃貸物件の中には、更新料の支払いが不要な物件もあります。
また、更新料を支払うのは昔からの習慣である場合が多いため、更新料の必要な物件が極端に少ない都道府県もあるのが実情です。実際のところ、関東では更新料の必要な賃貸物件が多く、関西以南や北海道では更新料の必要な賃貸物件は少ないことが分かっています。
さらに、更新料の必要な物件は更新料の不要な物件に比べて家賃が抑えられている可能性もあるようです。それどころか、更新料は毎月の家賃を抑えるためにできたともいわれています。
更新料の相場は家賃のおよそ1か月分
ある調査(※1)によると、更新料の全国平均は家賃の0.34か月分でした。
ただ、これは更新料を設定していない物件を含めて計算してある平均値です。更新料を設定している物件のみを対象に算出した平均値を見ると、更新料の全国平均は家賃の0.89か月分であることが分かりました。
更新料の設定が多い順に並べたトップ5が、こちらです。
- 東京都 1.02か月分
- 京都府 1.00か月分
- 千葉県 0.99か月分
- 神奈川県 0.98か月分
- 群馬県 0.93か月分
※更新料ゼロ物件を除いた数値
設定している更新料の平均値は、最も多い東京都で約1か月分でした。
ただし、中には2~3か月分の更新料が必要な賃貸物件もありますので、上記の平均はあくまで平均値と捉えてください。
反対に、更新料の設定が低い順に並べると、トップ5は
- 北海道 0.22か月分
- ⿅児島県 0.24か月分
- ⻘森県 0.27か月分
- 山形県 0.30か月分
- 岩⼿県 0.31か月分
※更新料ゼロ物件を除いた数値
という結果になりました。
仮に家賃が7万円だったとすると、最も高い東京都では7万1,400円、最も低い北海道では1万5,400円の更新料を支払う物件が平均的ということです。
このように、賃貸物件の更新料は都道府県によって大きな差があります。
更新料を設定している物件の割合が少ないのは「大分県」
続いて、更新料を設定している賃貸物件の割合が多い都道府県や少ない都道府県を紹介します。
更新料を設定している賃貸物件の割合が多い順に並べたトップ5が、こちらです。
- 東京都 72.6%
- 千葉県 68.9%
- 埼玉県 65.6%
- 神奈川県 64.8%
- 群馬県 61.1%
見事に、上位5つは全て関東地方の都道府県でした。最も多い東京都では、実に7割以上の賃貸物件で更新料を設定しているようです。
ちなみに、更新料を設定している割合の全国平均は37.6%でした。この平均と比べると、東京都は2倍近い割合の賃貸物件で更新料を設定していることが分かります。
反対に、更新料を設定している賃貸物件の割合が少ない順に並べると、
- ⼤分県 6.1%
- 宮崎県 6.2%
- 北海道 6.3%
- ⼤阪府 8.4%
- 岐阜県 9.0%
という結果になりました。
最下位の数値を見ると、いずれの都道府県でも更新料を設定している賃貸物件の割合は全体の1割未満です。
このように、都道府県によっては、ほとんどの物件で更新料が必要である可能性や、更新料が想像以上に高い可能性もあります。もし県外へ引っ越す予定があるなら、物件を選ぶ際には更新料の有無や金額についてもしっかりチェックしましょう。
契約書に記載されている更新料は支払う必要がある
「更新料のことなんて聞いてない!」と言い張っても、賃貸借契約書に記載されている更新料は原則として支払う義務が生じます。
正当な理由がないのに支払いを拒否し続けると強制的に契約を解除されて強制退去を命じられる可能性もありますので、注意が必要です。
一般的に、更新料が必要な場合は賃貸借契約書の「契約期間」や「更新方法」などの欄に記載があります。そこに記載されている更新料については、基本的に支払う義務が生じると考えて間違いないでしょう。
更新料なしの物件を探す方法
最後に、更新料なしの物件を探す方法についてお伝えします。
更新料を設定していない賃貸物件を探したい人は、インターネットで更新料のない物件を検索するのが最も早い方法です。
そのほかには、賃貸物件の検索サイトで更新料なしの物件を探す方法もあります。
たとえば、エイブルには「更新料なし賃貸物件(マンション・アパート)」という特集ページがあり、エリアや沿線を指定すれば更新料なしの物件を検索できるようです(※2)。
また、アパマンショップやLIFULL HOME’Sでは賃貸物件のフリーワード検索ができます。キーワードを入力する箇所に「更新料なし」と入力すれば更新料の不要な賃貸物件を絞り込めますので、ぜひお試しください。
同じ賃貸物件の検索サイトでも、更新料なしの特集を組んでいたりフリーワードの検索ができたりとサイトによって違いがあります。お好みのサイトがある人は、一度そのサイトで検索方法をチェックしてみると良いですよ。
まとめ
今日は、賃貸物件の更新料について、その定義と相場、注意点などを解説しました。
更新料がさほど高くないのであれば、引っ越しを考えるよりも更新料を支払った方が安く済むと考えられます。長く暮らしている物件であれば、更新料の減額について大家さんに交渉してみるのも良いでしょう。
また、家賃相場よりも低い家賃に設定してある賃貸物件に暮らすのであれば、「家賃相場との差額×契約年数」で計算した金額と更新料を比べることで、その物件がオトクかどうかを見極められます。
賃貸物件を探すときは、更新料についても忘れずにチェックしておきましょう。
【参考元】
(※1)全国の賃貸マンションの⼀時⾦共同調査結果(PDF)|東急住宅リース株式会社・ダイヤモンドメディア株式会社
(※2)更新料なし賃貸物件(マンション・アパート)|エイブル