日本の家はなぜ寒い? サッシにかかわる断熱事情とオンドルがない理由

「日本には四季がある」とよく言われますが、世界を見渡せば、同じように四季があるところって意外にたくさんあるって知ってました?
中には、夏は日本より気温が高く、冬は日本より寒いという地域もあります。

「日本には四季がある」の正しい言い方は、「日本には四季があり、それを生活の中に取り入れて、季節の移ろいを感じられる」という感じでしょうかね。
八百万の神がいる国だし…。

とは言え、冬が寒いことは間違いない。
寒さをコタツにミカンで過ごそうと思うと、コタツから出られなくなります。

では、海外は?
と目を向けてみると、外は日本の雪国級に真っ白の世界でも、意外と室内では寒そうではない。というか、むしろあったかそう。

と言うことは、電気代がめちゃくちゃかかっているのでは?と考えがちですが、ここでは日本と違った発想で、それほど電気代はかかっていないようで…。

と言うことで、海外の温かい家と省エネについて調べてみました。

 

日本と海外の断熱事情の違い

今どきの家は、断熱が非常に重要なのはこれまでの記事でも書いてきました。

断熱とは、家の外、つまり外気を遮断し、家の中に入ってこないようにすること。
断熱工法にはいろいろあるのですが、日本の家の基本的な考え方は、「夏をいかに快適に過ごすか?」と言うことでした。

そのため、開口部分はできるだけ大きく…と考え、「縁側」という、ある意味「ほぼ窓!」な部分を作りました。しかも、床下は通風構造。
今でこそ、縁側に窓ガラスがついていますが、昔の家はガラスはないところも多くありました。

私のおばあちゃんの家がまさにそれで、部屋との境に障子もなく、「雨戸を閉めるか、あけ放つか」の2択でした、笑

この名残りか、それとも日本人の特性かわかりませんが、断熱材を家に施工するようになっても、窓に対してはあまり配慮がなされていません。
そのため、窓から温度を上下します。そして、冬場には結露の嵐!
朝起きて、カーテンを空けたら、室温が下がるし、気も滅入るなんてこともあります。

では海外はどうかと言えば、実は日本ほど窓で室内温が奪われることはありません。もちろん、海外と言ってもいろいろあるわけですが、少なくとも、「先進国」と言われる国々では…。

それは、建築基準で明確に「断熱性能基準」が決められていて、家などを新築する際には、これを守らなければなりません。

世界の基準は以下になっています。

ドイツ 1.3w/m2K
イギリス 1.8w/m2K
中国 2.0w/m2K

「w/m2K」という単位は、熱貫流率(U値)のことで、熱の通りやすさを示します。つまり、「数字が小さいほど熱が通りにくい=熱が遮断される」ことを示します。

中国でも2.0なんですね。

で、肝心の日本はというと、なんと!
基準がない!!

びっくりですよね。

 

寒い国はどうやって基準をみたしてる?

では、海外では基準をクリアするためにどうしているかと言うと、樹脂サッシや木製サッシを使い、窓ガラスはペアガラスやトリプルガラスを使っているのです。

と言うか、世界でアルミサッシがメインな国は少ないほう。日本の断熱性能以外の基準をクリアした高品質なサッシを作るには、アルミサッシの方が都合がよかったという事情もあるようなのですが、、、

また、ドイツやオーストリアなど、ヨーロッパでも寒いと言われる国では、「窓の結露は建築物理上、誤った設計だ」という考え方があり、「人の健康を害するから瑕疵」と考えられているそうです。
結露があって当たり前の日本と大きく違いますよね。

そして、この断熱性能の悪さはエネルギー効率の悪さと、家の寿命にも大きく関わります。
やれやれです…。

 

日本で温かい家を作るには?

では、日本では省エネでエコな家には住めないのか?といえば、そんなことはありません。

例えば、最近注目されている「パッシブハウス」。
高性能なことで、世界基準の認定をうけています。

窓については、方角によって役割を考え、最適な状態に設計されます。
南向きの窓は、冬の温かさを室内に運ぶ重要な役割を果たします。
一方、夏は逆に、暑さの原因となります。

じゃぁ、どうすればいいの?という話しですが、窓や庇(ひさし)を工夫することで問題がクリアできます。

太陽の高さは季節によって随分違います。簡単にいえば、夏の太陽は高く、冬は低い。
窓の取り方や庇をつければ、冬は室内に快適な温かさを運び、夏は余計な太陽光を入れないことができます。

余談ですが、私の実家は南向きのマンションに住んでいて、母の口癖は、「うちは日当たりが最高にいいのよ~」です。
ですが、冬は日差しが室内に入り込みすぎ、畳は焼け、母は室内でサンバイザーをつけて日中を過ごす間抜けっぷり。「そろそろサンバイザーの季節だゎ」と言うのを聞いて、本当にいいことなのか?と思っています、笑

話しを戻しましょう。

パッシブハウスは、熱交換換気システムも備えられているので、吸気口から冷たい外気が入ってこないのに、ちゃんと新鮮な空気は入ってくると言う優れもの。
外気温が入ってこないので、エアコンを各部屋に用意しないと…と言うこともありません。

つまり、燃費が良い家ということですね。

当然ながらオーダーメイドの注文住宅で建てられるため、オシャレ!!

 

韓国のオンドルが日本で流行らないのはなぜ?

さて、もうひとつ。

韓国にある「オンドル」という床暖房設備があることを知っている方も多いかもしれません。

オンドルは、鮮半島の伝統的な床暖房システム。以前は台所の窯で発生する煙を各部屋の床下に通し、床を暖めることで、部屋全体を暖める設備です。
最近はいわゆる日本と同じ床暖房のようなシステムになっているようですが、それでもオンドルがあるのが標準と言えます。

では、なぜ日本ではわざわざ付ける印象のある(なんならホットカーペットとかしてしまうくらいなのに)床暖房が、韓国では標準装備なのでしょうか?

韓国は日本にとても近い国ですが、家に求めるもののベースが違います。これが床暖房にも影響します。
前述のとおり、日本は開口部をできるだけ大きくして、風通りがよいことを重視してきました。床下に通気がとれるのも特徴ですよね。

一方韓国は、開口部は小さくして、部屋の温度を逃がさないのが基本。この違いは、夏向けの家を建てるか、冬向けの家を建てるかによるそうです。
そのためマンションでも、日本では標準であるでっかい窓に面したベランダがなく、日本ならベランダの策があるところにも窓ガラスがあるのが標準です。

この違いは何かと言えば、文化的なものもあるでしょうが、一番の違いは首都の気候。韓国の首都ソウルは緯度的には新潟や福島と同じところになります。しかも、大陸にあることもあり、気候はほぼ北海道。
冬の気温は零下も珍しくなく、積雪も多く、こうなると寒さ対策に重きが置かれるのは当然のことなのですね。

何はともあれ、日本の家は冬にきびしいことは間違いないようで、コタツにミカンは当然のもの。今年も春が待ち遠しいです!

原田園子

原田園子ディレクター

投稿者プロフィール

「不動産の学校」のディレクター兼ライター。
住宅メーカーや不動産業者をクライアントに持っています。
不動産関連の取材実績も多数あり。
不動産投資から日々の暮らし記事まで、幅広く担当します。

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