マイホーム売却時の特例を活用しよう! その概要とメリット

マイホームを売却する場合は、不動産投資での売買と違い、利益が出たとき、損が出たときの両方で、それぞれ特例があります。それらの特例を受けるためには、売却した年に税務署に確定申告をしなくてはなりません。特例の概要について把握し、特例を活用して節税をしましょう。これからマイホームを売却する予定のある方は、ぜひご確認くださいね。

 

マイホーム売却時の特例概要

マイホームの売却で譲渡益が出た場合、その住居の用途や居住年数によって、税金の控除が受けられる特例があります。逆に売却で損が出た場合も、譲渡の損失額を控除することが可能です。それぞれの特例は以下の通りです。

【マイホーム売却で譲渡益が出た場合】

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 特定居住用財産の買換え特例
  • 平成21年または22年に取得した土地を譲渡した場合1,000万円の特別控除
  • 空き家の3,000万円特別控除

【マイホーム売却で譲渡損が出た場合】

  • マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

これらの詳しい内容については、次項以降で説明します。

 

譲渡益が出た場合の特例

マイホーム売却で譲渡益が出た場合、確定申告では他の所得とは別で税金を計算する分離課税方式で税金を計算し、確定申告書を税務署に提出します。税金を計算する際、以下5つの特例が利用できます。それぞれの特例について、順番に見ていきましょう。

【居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除】

マイホームを売却して利益を得た場合、3,000万円までは特別控除されます。譲渡益が5,000万円あった場合、3,000万円の特別控除額を引いた残り2,000万円が、所得税及び住民税の課税譲渡所得となります。

この特別控除は居住年数に関わらず適用される点が大きな特徴で、条件が合えば、10年超所有軽減税率適用の特例とも併用が可能です。この特別控除は、3年に1度しか適用されません。2年後にまたマイホームを売却して譲渡益が出た場合、その譲渡益はそのまま所得税や住民税の課税対象です。

特別控除後の課税譲渡所得は、居住年数によって以下の税率が適用されます。

  • 5年以下:39.63%(所得税30.63% 住民税 9%)
  • 5年を超えて10年以内:20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)

2,000万円が課税譲渡所得だとすると、かかる税金は、居住年数が5年以下なら792.6万円、5年を超えて10年以内なら406.3万円です。

【10年超所有軽減税率の特例】

10年を超えて所有していたマイホームの売却時は、譲渡益が出た場合も軽減税率が適用される、という特例です。5,000万円の譲渡益が出た場合、3,000万円は特別控除で引かれ、残り2,000万円を、軽減税率の特例で税金計算します。

譲渡した年の1月1日時点で、家屋と土地の所有期間がともに10年を超えていることが、本特例を受ける条件です。また、2年前及び1年前に本特例を受けていないことも、特例を受ける条件となります。

本軽減税率は2段階に分かれており、譲渡益が6,000万円以下と6,000万円超で違います。

  • 課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21%・住民税4%)
  • 課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%(所得税15.315%・住民税5%)

課税譲渡所得が2,000万円なら、税金は284.2万円です。課税譲渡所得が8,000万円の場合は、6,000万円までの部分が、6,000万円×14.21% = 852.6万円+2,000万円×20.315%=406.3万円で合計1,258.9万円となります。

【特定居住用財産の買換え特例】

マイホームを買換えたときの特例で、以下の条件に当てはまる場合、買換えたマイホームの金額よりも譲渡益の方が高ければ、旧マイホームの売却益と買換えたマイホームの金額との差分だけ、10年超所有軽減税率の特例と同じ税率の税金がかかります。対象となる譲渡資産の譲渡価額は1億円以下です。

  • 土地・家屋共に譲渡年の1月1日時点で10年を超して所有していること
  • 買換え先のマイホームは、譲渡年の前年1月1日から譲渡年の12月31日までの取得すること
    ただし、期限に間に合わない場合、税務署長の承認を得たうえで譲渡年の翌年12月31日まで延長可能
  • 平成31年12月31日までに譲渡すること
  • 他のマイホーム売却時の特例とは併用不可
  • 買換え家屋の床面積は50平方メートル以上、土地は500平方メートル以下が対象
  • 買換え先のマイホームは、新築住宅の他、築年数25年以内の中古住宅、あるいは新しい耐震基準に適合していると証明できる中古住宅

マイホームを売却するだけでなく、同程度の価格のマイホームに買換える場合はこの特例を適用する方が、税金が安くなる可能性が高くなります。どちらが得か、自分の場合に当てはめて計算し、お得な特例を選ぶようにしましょう。

【平成21年または22年に取得した土地を譲渡した場合1,000万円の特別控除】

非常にピンポイントの特例ですが、平成21年あるいは22年に取得した土地を譲渡して譲渡益が出た場合は、1,000万円の特別控除が可能です。

【空き家の3,000万円特別控除】

家を相続したタイミングで空き家となり、そのままとなっている住宅を売却する場合の特別控除です。以下の条件を満たした空き家を譲渡した利益を、3,000万円まで特別控除できます。

  • 平成31年12月31日までに譲渡
  • 相続した日から起算して3年を超過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡
  • 相続により土地と家屋の両方を取得している
  • 事業、貸付、居住いずれにも使っていないこと(空き家であること)
  • 譲渡額が1億円以下であること(複数の共有者がいる場合は合計額が1億円以下)
  • 売却の際は、相続した人が耐震リフォームをするか家屋を取り壊して売却すること

マイホームの売却と、相続した家を同時に売却して特別控除をどちらも受けることはできますが、合算して6,000万円の特別控除が受けられるわけではなく、合算して3,000万円が特別控除額の上限です。自己住居用財産の買換え特例や住宅ローン特例との併用もできます。

 

譲渡損が出た場合の特例

マイホーム売却で譲渡損が出た場合も、確定申告で損失を計上することができます。その際、以下2つの特例が利用できます。それぞれの特例について、順番に見ていきましょう。

【マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】

マイホームを買換えた結果、買換えた方の家が高くて損失が出た場合に、その損失分の金額を所得税・消費税から控除できる制度です。1年で引ききれない損失は、3年間繰り越しで控除できます。以下の条件を満たした場合に適用可能です。

  • 5年以上居住していること
  • 平成31年12月31日までに譲渡していること
  • 古いマイホームを譲渡した日の属する年の1月1日から12月31日までにマイホームを取得
  • 買換え後のマイホームに対して住宅ローンがあること(金融機関から借りた10年以上のローン)
  • 登記簿面積が50平方メートル以上

この特例は、住宅ローン控除との併用が可能ですが、ここで説明している他の特例との併用はできません。

【特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除】

こちらは、マイホームを買換えない場合で、譲渡損が出た場合の特例です。マイホームの購入金額よりも売却金額の方が安い場合、あるいは、マイホームを売却して住宅ローンが残ってしまう場合、どちらか安い方の金額を譲渡損と確定して、損益通算と繰越控除を行います。

5年以上の居住や、平成31年12月31日までに譲渡していること、繰り越しの方法や控除対象が所得税と住民税という条件は、マイホーム買換えの特例と同じです。

 

マイホーム売却時の特例を活用するメリット

マイホーム売却時の特例を活用するメリットは、ひと言でいうなら「節税できること」です。大きな金額が動けば、必ずそこに所得税がかかってきます。損失の場合は税金がかかりませんが、申告すれば払っている所得税や住民税が控除され、こちらも節税になります。何もしなければ損なだけですので、ぜひこれらの特例を活用しましょう。マイホーム売却時の特例を活用するべき人は以下の通りです。

  • 平成31年にマイホームを売却あるいは買換えた人
  • 平成31年中にマイホームを売却・買換えするかどうか迷っている人

マイホームの売却する際は、譲渡益や譲渡損がまったく出ないということはほとんどありません。マイホームの売却をした翌年は、必ず確定申告をして上記の特例を活用するようにしましょう。

ここでご紹介した特例は、いずれも平成31年までという期限がついていることに注意してください。この特例が延長されるかどうかは分かりません。今のところ、マイホームを売却するタイミングを考えている人は、平成31年12月31日までに売却した方が、税制面でお得です。

 

まとめ 

マイホーム売却時の特例について、譲渡益が出た場合と譲渡損が出た場合に分けて解説しました。それぞれ、単純に売却した場合とマイホームを買換えた場合の両方について優遇していることが分かります。マイホームの売却や買換えを迷っている方は、この特例があるうちに売却を済ませた方がお得なので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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