中古と新築どっちがお得?それぞれのメリットとデメリットを比較してみた

  • 2019/8/27
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一戸建てのマイホームを購入したいと思ったときに、「新築は高いから中古にしようかな」「でも中古をリフォームすれば結局は新築と同じくらいの金額になるのでは?」などと迷う人も多いことでしょう。

そこで、今日は中古と新築の住宅を購入する場合について、メリットとデメリットを紹介します。どちらがよいとは一概に言えませんので、ぜひ自分の重視する部分について比べてみてください。

 

中古物件を購入するメリット・デメリット

では早速、中古物件を購入する場合のメリットから紹介します。

メリット1.安く手に入る

中古物件を購入する場合、最も大きなメリットは新築物件よりも安く手に入ることです。

参考までに、こちらのデータを紹介します。国土交通省の住宅局が発表した「平成30年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅の購入資金は以下の通りです。

購入した住宅の種類

平均購入資金

新築の注文住宅(土地代を含む)

3,971万円

分譲の戸建て住宅

3,933万円

分譲のマンション

4,577万円

中古の戸建て住宅

2,814万円

中古の分譲マンション

2,819万円

(参考元:平成30年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省 住宅局

なお、中古物件のリフォームにかかった平均資金は 241 万円でした。

この表を見ると、同じ戸建て住宅でも新築と中古では1,000万円以上の差があります。リフォームに費用がかかるとはいえ、それでも新築物件に比べれば900万円ほどは安く買えそうです。

ただ、エリアによっては新築と中古で住宅の価格があまり変わらないケースも実際にあります。

さらに、手数料を含む諸費用は新築よりも中古の方が高いこともありますので、中古にするか新築にするかを住宅の価格だけで判断するのは避けた方がよいでしょう。

メリット2.すぐに生活を始められる

中古物件を購入する2つ目のメリットは、すぐに生活を始められることです。

当然のことながら、新築物件の場合は建築が終わるまでは生活を始められません。

一方、中古物件であればすぐに生活を始められます。仮にリフォームが必要だとしても、家を新しく建てる場合に比べれば工期は短く済むでしょう

また、物件の中を確認しながらリフォームを進められるため、暮らしのイメージが湧きやすいことも中古物件を購入する場合のメリットです。

メリット3.立地条件に恵まれている

立地条件に恵まれていることも、中古物件を購入するメリットの1つです。

古くから人が暮らす場所の多くには、そのエリアに必要な公共施設や商業施設がそろっています。反対にいえば、そういった利便性の高い土地には既に住宅が建っているため、好立地な場所に新築物件を建てるのは難しいといえるでしょう。

ただ、立地条件があまり良くないエリアだからこそ中古物件が多く出回っているという可能性も考えられます。中古物件を探す際は、エリア選びも慎重に行いたいところです。

デメリット1.家も設備も新品ではない

続いて、中古物件を購入する場合のデメリットを紹介します。

1つ目のデメリットは、住宅自体はもちろんのこと、住宅に使用してある設備も新品ではないことです。

新品ではないからといって、必ずしも今すぐにメンテナンスが必要ということはありません。しかし、新築物件を購入した場合よりも早い段階でメンテナンスをしなければいけない時期が来ることは確かです

また、中古の一戸建て住宅の場合、保証期間や保証内容が一定でないこともデメリットといえるでしょう。新築物件の場合は10年間の保証が付きますが、中古物件の場合は保証内容や保証期間がケースバイケースです。

中でも主要構造部分や水回りについては、入居後に問題が発覚するケースも少なくありません。契約を結ぶ前に、現状や保証の内容についてしっかりと確認しましょう。

デメリット2.建築時期によっては耐震性能に不安がある

中古物件を購入する際は、耐震性能にも注意が必要です。

中でも、1981年の6月より前に建てられた物件に関しては用心しなければいけません。1981年の6月に建築基準法が改正されたこともあり、1981年5月以前に建てられた物件は耐震性が十分でない可能性もあるからです

耐震性については、こちらの記事も参考にしてみてください。

▷『住まいの耐震性に不安を感じたときにチェックするポイント10選

デメリット3.新築を購入する場合よりもローンの審査が厳しい

新築物件を購入する場合に比べてローンの審査が厳しいことも、中古物件を購入する場合のデメリットです。

たとえば、「フラット35」を利用して住宅ローンを組む場合、住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていることを示すために適合証明書を事前に取得しなければいけません。また、必要があれば耐震性を高めるための工事を行うことを契約条件とされる可能性もあります。

 

新築物件を購入するメリット・デメリット

続いて、新築物件を購入する場合に考えられるメリットとデメリットを紹介します。

メリット1.全てが新品未使用

新築物件を購入する最大のメリットといえば、何といっても住宅や設備が全て新品の未使用であることです。まだ誰も住んだことのない新築の家に暮らせるということは人生においてそう何度も経験できるものではありませんから、喜びもひとしおでしょう。

さらに、売り主や施工者に10年間の「瑕疵(かし)担保責任」が義務付けられていることも、新築住宅を購入する場合のメリットです。この保証が付いているおかげで、引き渡しからの10年間に主要構造部分の欠陥が見つかった場合は保険金や保証金で修理費用をカバーしてもらえます。

メリット2.注文住宅なら希望通りの間取りを実現できる

注文住宅の場合は、希望通りの間取りを実現できることも大きなメリットといえるでしょう。

家事動線を意識したり、家族が自然に顔を合わせられる空間づくりを意識したりといった工夫ができるのは、注文住宅ならではの魅力です。もちろん中古物件でも間取りの変更はできます。しかし、中古住宅の場合は撤去できない壁もありますので、必ずしも全ての希望をかなえられるとは限りません。

そう考えれば、希望通りの間取りを実現できることは新築住宅ならではの魅力といえそうです。

メリット3.最新の住宅設備を取り入れられる

新築住宅を購入する場合は、最新の住宅設備を取り入れられます。

たとえば、

  • 超節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 太陽熱利用システム

といった設備を取り入れれば節約やエコにもつながり、一石二鳥です。

また、取得した新築住宅が一定の性能を満たしていれば、「次世代住宅ポイント」を発行してもらえる可能性があります。消費税率10%が適用され、かつ、省エネ性・耐震性・バリアフリー性能といった性能を持つ新築住宅を取得する予定がある人は、ぜひあわせてチェックしてみてください。

▷『次世代住宅エコポイント

デメリット1.中古物件よりも価格が高い

続いて、新築物件を購入する場合のデメリットを紹介します。

新築物件を購入する場合のデメリットといえば、やはり中古物件に比べて価格が高い点が挙げられるでしょう。

ただ、そうはいっても物件によって価格はマチマチです。実際のところ、同じ新築物件でも建売の一戸建てであれば中古物件とさほど価格が変わらないケースもあります。地域の特性によっても差がありますので、まずは希望のエリアでなるべく多くの物件について価格をリサーチしてみてはいかがでしょうか

デメリット2.建築が終わるまでイメージが湧きにくい

2つ目のデメリットは、建築が終わるまでイメージが湧きにくいことです。

当然のことながら、新築の物件は建築が終わってみないことには実際の建物を確認できません。「もう少し日当たりが良いと思った」「部屋からの眺めが思っていたのと違った」ということも、実際に起こり得ます

設備に関してはショールームで実物を確認できるメーカーも多いですから、「イメージと違った」とならないようになるべく実物を確認しながら進めていくのがオススメです。

デメリット3.家の完成までに時間がかかる

家の完成までに時間がかかることも、新築物件を購入する場合のデメリットといえるでしょう。

注文住宅を購入する場合は、契約前に計画を立てるところから始まります。同じ注文住宅でもセミオーダーなのかフルオーダーなのかによって家が完成するまでの期間は異なりますが、8~15か月ほどかかるケースが多いようです

もし「なるべく早く引っ越したい」「○年○月までには落ち着きたい」といった希望があるなら、建売住宅の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

今日は、中古物件を購入する場合と新築物件を購入する場合のメリット・デメリットを紹介しました。

一口に「中古物件」といっても、その物件によって状態やグレードは異なります。費用を抑えたいからという理由だけで中古物件を探していると、いつまでたっても希望の物件と出会えない可能性もあるでしょう。

反対に、「○歳までに家を買いたい」「家を買うなら絶対このエリアがいい」といった強い願望がある人は、中古物件の購入がオススメです。新築だけでなく、ぜひ中古の物件も視野に入れてみてくださいね。

永瀬 なみ

永瀬 なみ

投稿者プロフィール

大阪でフリーのライター・編集者として活動しながらカウンセラー・講師としても活動中。専門に扱うジャンルは不動産や暮らし、恋愛や結婚など。
『ライティング事務所くすの樹』および『オンライン相談ルームあまやどり』代表。

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