3階建てなら水回りは2階がベスト?3階建てにオススメの間取り3選
- 2020/2/18
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3階建て住宅の間取りは、家族が集まりやすい2階をリビングにするのが定番となっています。2階をリビングにするのは、日当たりや風通しが良く、リビングの広さも十分に取れるからです。ただ、3階建ての間取りを考えるときには水回りの配置に迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで、今日は3階建て住宅でLDKを2階に配置したときの水回りについて、間取りの考え方やオススメの間取りを紹介します。それぞれのメリット・デメリットも紹介しますので、家族にとってベストな間取りを考えたいと思う人は参考にしてみてください。
3階建ての間取りに大切なのは「どう動くか」
まずは、3階建て住宅の間取りをどう考えるについて考えてみましょう。
2階建て住宅やマンションと違って、3階建て住宅は移動の多くが階段です。平面移動ならそこまで大変でなくても、階段の昇り降りが毎日だと負担になってしまいますよね。
そのため、3階建て住宅の間取りは「どう動くか」を考えることが大切です。
家事導線を優先的に考えるなら、水回りは2階のLDKと隣接させるのがベストでしょう。しかし、2階に全ての水回りを詰め込むと、希望していたリビングの広さを取れないかもしれません。
そこでオススメなのが、「譲れない条件」と「実際に家の中でどう動くか(生活動線)」をイメージして間取りを考えることです。
たとえば、家事導線を考えるときに外せないのが、洗濯物をどこに干すか。洗濯機が1階で洗濯物を干すバルコニーが3階だと、洗濯物を抱えて2フロア分の階段を登らなければなりません。日常生活の階段移動をできるだけ減らすためにも、洗濯機置き場と洗濯物を干す場所は同じフロアに配置したいですね。
それが難しい場合は、
- 部屋干し専用のスペース
- 乾燥機
- 乾燥機能付きの洗濯機
などを検討するのも1つの方法です。
また、トイレは複数の階に作った方がよいかもしれませんね。
夜中にトイレへ行く場合、3階の寝室からトイレがある1階まで降りるのは大変です。1階と2階、1階と3階など、複数の箇所にトイレを配置することも検討してみましょう。
水回りを中心に考えるオススメの間取り3選
どんな間取りにも、メリット・デメリットは必ずあります。譲れない条件を実現させて住みやすい間取りにするためには、メリットだけでなくデメリット部分をどうフォローするかを考えることも必要です。
そこで、ここからは3階建て住宅にオススメの間取りを紹介します。
間取り1:水回りをLDKに隣接させ、移動を最小限に
キッチンの近くに水回りを集めると料理しながら洗濯でき、家事効率がアップするため、3階建てにはオススメの間取りです。
洗濯物を干す場所が2階にあれば移動に階段を使う必要もなく、家事導線がよりスムーズになるでしょう。
ただ、先ほどもお伝えしたように、敷地面積によってはリビングの広さが犠牲になります。また、トイレの配置によってはトイレを使用する音が聞こえて気まずいといったケースもありますので、その点にも気をつけたいですね。
そのほか、キッチンや浴室が給湯器から離れている場合は、お湯が出るまでに少し時間がかかる場合があります。給湯器と水回りの距離についても考えておきましょう。
お湯の出が気になる場合は
- 大型の給湯器を設置する
- 給湯器を2階の壁に設置する
などの対策が考えられます。
そして小さな子どもがいる場合は、水回りが2階だと子どもがどろんこになって帰ってきたときに困るかもしれません。家に入る前に軽く手足を洗えるよう、玄関先に水道があると便利ですよ。
間取り2:水回りを1階にまとめてリビングを広くする
水回りを1階にまとめると、その分リビングを広く取れます。
1階をビルトインガレージにする場合は、残りスペースの事情から、1階に水回りをまとめるのがベストなケースもあるでしょう。
水回りが1階だと、万が一、水もれがあった場合に被害が最小限に抑えられます。シャワーなどの生活音や排水音がほかの部屋に響くのも抑えられるでしょう。
また、1階に浴室を配置する場合、道路側だと外に声がもれてしまいます。道路側に人通りが多いのであれば、防犯のためにも浴室の配置は避けた方がよいかもしれません。
リビングを広くするデメリットとして考えられるのは、広すぎるせいで冬場の暖房効率が下がることです。
冷たい空気は下にたまるため、お風呂あがりに体が冷えやすいといったデメリットもあります。1階と3階の温度差や冷暖房効率の対策として、家の気密性と断熱性にはこだわりましょう。
間取りに関係なく、高さがある3階建て住宅は家の中で温度差が発生しやすい建物です。気密性と断熱性にこだわることで、一時的には工事費用がかさんでも、長い目で見ると冷暖房費を抑えられるかもしれません。
間取り3:水回りを分離させて家事導線と制限を両方クリア
3階建て住宅の間取りと家事導線に悩む場合は、水回りを分離するとスムーズに収まるケースがあります。
洗濯物を干す場所が2階にある場合は、お風呂と脱衣所を1階に、洗濯機と洗面所を2階に配置することを検討してみましょう。洗濯スペースだけをキッチンに組み込む形もオススメです。
ただし、この場合はお風呂の残り湯を洗濯に使えません。入浴時に脱いだ服を洗濯機に直接入れることもできないため、洗濯物の回収ルールを新しく考えてみましょう。
また、洗面所を2階だけに作ると帰宅後の手洗いが面倒になってしまう恐れもあります。小さな子どもがいる家庭は特に、手洗い場を複数の場所に配置するとよいかもしれませんね。
3階建ての間取りは何でも自由に決められるわけではない!
3階建ての間取りは何でも好きなように決められるわけではないため、注意が必要です。都市計画法によって、その土地に建てられる家の条件が決まっています。
たとえば、「第一種低層住居専用地域」では高さ10mまでの低層住宅しか建てられません。
高さ制限のほか、
- 建ぺい率
- 容積率
- 斜線制限
- 日影規制
などが、その土地ごとに決められています(※)。
斜線制限とは、日当たりに関する制限のことです。簡単にいうと、隣接した住宅に日光が当たるよう配慮しましょう、ということ。
先ほどの第一種低層住居専用地域の場合、高さが10m以内であっても斜陽制限や日影規制で3階建て住宅を建てられないケースがあります。
そのほか、斜線制限によって屋根に傾斜をつける必要が出てくれば、天井の一部が低くなるかもしれません。3階建て住宅で2階にLDKを配置するのは、天井の高さを十分に確保できるといった理由もあります。
また、2階建て住宅とは違い、3階建て住宅は構造計算書の提出が必要です。構造計算書とは、建物にかかる荷重に対して安全かどうかの計算結果をまとめたもの。
建物の構造によっては壁の位置を変更できず、希望の間取りを実現できないこともあります。大掛かりなリフォームをできないケースもあるので、将来設計や年を取ってからのことも考えましょう。
このように、3階建て住宅の間取りは自分たちだけの希望だけでは決められません。希望を実現するにはどうしたらよいか、家を建てる土地にどのような制限があるかを、工務店や建築士にしっかり確認・相談しておきましょう。
まとめ
2階に水回りをまとめたいと思っても、構造上やスペースの問題で難しいケースもあるでしょう。また、料理中よりも入浴中に洗濯をすることが多いなら、キッチンとそのほかの水回りを無理に近付けなくてもいいかもしれません。
家族とどのような暮らしをしたいか、絶対に譲れない条件は何なのか、自分たちの条件を明確にして3階建て住宅の間取りを考えてみてくださいね。