高齢者向け見守りサービスなら遠くに暮らす両親への不安も解消できる

  • 2020/3/30
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高齢になってきた両親が気になるものの、仕事が忙しかったり離れたところに住んでいたりすると、なかなか会いに行けませんよね。そんなときには、高齢者向けの見守りサービスがおすすめです。

今回は、高齢者向け見守りサービスの種類や選ぶポイントなどを紹介します。両親の状況別におすすめサービスもお伝えしますので、参考にしてみてください。


高齢者向け見守りサービスの種類

まず、どのような形で見守りを行うのか、サービスの種類を見ていきましょう。

見守り1.対面でコミュニケーションが取れる

最初に紹介するのは、対面型の見守りサービスです。

対面型の見守りサービスとは、実際に人と顔を合わせるサービスのこと。1人暮らしの高齢者にとっては、貴重なコミュニケーションの機会でもあります。

対面型その1.訪問型の見守りサービス

担当スタッフが高齢者の自宅を訪問して安否確認を行うのが、訪問型の見守りサービスです。健康状態や近況などを高齢者に質問し、その結果を家族に報告してくれます。

1人暮らしの高齢者は、人と関わる機会が少なくなりがちです。訪問型の見守りサービスなら定期的に訪問してくれるため、高齢者が感じる孤独や寂しさを解消してくれるでしょう。

訪問型見守りサービスは、

  • 郵便局
  • 配送業者
  • 電力会社
  • 水道局

といった、地域密着型の企業がサービスを実施しています。

例えば、郵便局が提供する「みまもり訪問サービス」の場合、費用は月1回30分程度の訪問で月額2,500円(税抜)です(※1)。

対面型その2.宅配型見守りサービス

宅配型見守りサービスでは、お弁当や食料品、日用品などを配達する際に、スタッフが高齢者の安否確認を行います

日々の食事の準備は1人暮らしの高齢者にとって、なかなか大変な作業です。お弁当の宅配なら栄養バランスの良いお弁当が高齢者に届くため、食事から健康をサポートできます。

具体的な事例を紹介すると、高齢者専門宅配弁当の「宅配クック123(ワン・ツゥ・スリー)」は1日1食からお弁当代のみでも利用可能なサービスです。ごはんセットとおかずのみが選べ、金額は540円~820円です(※2)。

見守り2.機器を使って行動をチェック

続いて紹介するのは、機器を使った見守りサービスです。

このサービスを利用すれば、カメラやセンサーを使って高齢者の行動を確認できます

機器型その1.カメラ型の見守りサービス

カメラ型の見守りサービスは、高齢者の自宅に設置したカメラでリアルタイムに様子を確認できることが特徴です。必要に応じてカメラ映像をチェックしたり呼び掛けたりして、高齢者の安否を確認しましょう。

スピーカーとマイクを内蔵したカメラなら、お互いに映像を見ながら会話もできます。離れていてもコミュニケーションが取れるのは、うれしいポイントですね。

例えば、イーテクノロジー株式会社の提供する高齢者見守りサービス「みまもりたい」は、家族ではなく専任スタッフが必要に応じて呼び掛けます。

ちなみに、こちらのサービスの料金は月額8,000円(税抜)からで、契約時には保証金5万円が必要です(※3)。

機器型その2.センサー型の見守りサービス

高齢者の自宅に人感センサーを設置し、センサーの反応で安否確認を行うのが、センサー型の見守りサービスです。

必ず出入りする場所や室内にセンサーを設置し、反応が一定時間ないと家族に連絡が入ります。必ず出入りする場所とは、トイレのドアやお風呂場などのことです。

例えば、見守りサービス「ドシテル」は、室内に設置した活動センサーで在室状況や活動量を確認できます。

センサーを購入する場合にかかるのは、初期費用4万5,000円(税抜)と月額費用3,980円(税抜)です。もしセンサーをレンタルすれば、初期費用なしの月額費用5,980円(税抜)だけで利用できます(※4)。

見守り3.電話を使って気楽に状況確認

電話を使った見守りサービスは、スタッフと電話をして確認するパターンと自動音声の2パターンがあり、どちらも定期的な電話で安否を確認してくれます

おしゃべりが好きな高齢者なら、テレビ電話で顔を合わせてコミュニケーションを取れるサービスもよいでしょう。

高齢者がスマホを持っているなら、アプリを利用した見守りサービスが手軽でおすすめです。

設定した時間に操作をするようあらかじめ伝えておき、高齢者の操作が完了すると家族にメッセージが届きます。位置情報を確認できるアプリなら、高齢者の外出も把握できます。

例えば、株式会社グランフーズの提供する「らいふコール」は、自動音声の電話で安否確認をしてくれるサービスです。

料金は、固定電話なら

  • 月額150円
  • 選択曜日の日数分×50円

携帯電話なら

  • 月額375円
  • 選択曜日の日数分×125円

です(※5)。

見守り4.電気やガス、水道で生活リズムをチェック

見守りサービスの中には、高齢者が日常的に使う電気やガス、水道の使用状況をチェックし、安否確認を行うサービスもあります。どれも生活に欠かせないものだからこそ、使用状況によって高齢者の生活リズムを把握できるのです。

これらを使用したタイミングで家族に通知が届くため、食事をする時間がずれたり入浴している様子がなかったりといった、いつもと違う状況を察知できるのが最大のメリットといえるでしょう。

例えば、象印マホービン株式会社の提供する見守りサービス「みまもりほっとライン」は、無線通信機が内蔵されたポットの使用状況で高齢者の安否を確認できます。

利用料金は契約料が5,000円(税抜)、月額利用料が3,000円(税抜)です。なお、料金にはポットのレンタル料金も含みます(※6)。

見守り5.自治体による見守りサービス

自治体の中には、高齢者向けの見守りサービスを実施している自治体もあります。

具体的には、緊急時に高齢者自身が通報できるシステムや安否確認といったサービスを低料金で利用できますので、自治体に問い合わせてみましょう。

ただ、自治体の見守りサービスでは要介護認定や年齢などの条件が定められていることも少なくありません。条件や費用も自治体によって異なるため、詳細は各自治体に確認してみてください。

高齢者向け見守りサービスを選ぶポイント

高齢者向けの見守りサービスを選ぶには、高齢者の状況や性格を見極めることが大切です。

カメラ型の見守りサービスは、映像を通してリアルタイムで高齢者の状況を把握できるのがメリットです。しかし、高齢者が監視されているように感じてしまうといったデメリットもあります。

高齢者に日常的な介護が必要な状態なら、高齢者自身の操作が必要になるサービスは負担が大きいかもしれません。その一方で、高齢者が日頃から活動的に出歩いている場合は、訪問型見守りサービスの定期訪問に予定を合わせるのが難しいでしょう。

そのほか、安否確認に手間が掛かると高齢者を見守りたいと思う家族にも負担が掛かってしまいます。高齢者と家族に無理がないように、お互いの距離感や手間を考慮してサービスを選んでみてください。

また、見守りサービスには介護保険が適用されないため、費用は全額自己負担です。既に何かしらの介護サービスを受けている場合は、費用負担が少ないサービスを検討しましょう。

状況別におすすめの見守りサービス

高齢者向けの見守りサービスには、それぞれ特徴があります。

ここからは高齢者の状況別におすすめのサービスを紹介しますので、参考にしてみてください。

■1人暮らしであまり家から出ない→訪問型がオススメ

1人暮らしであまり外出しない高齢者には、訪問型の見守りサービスでコミュニケーションの機会を作るのがおすすめです。

定期的に人が訪れると日々の生活に変化が起こり、高齢者の孤独感を解消できるでしょう。

もしも人と顔を合わせることにストレスを感じるタイプなら、電話でコミュニケーションが取れる通話型の見守りサービスをおすすめします。

■健康面に不安がある→異常を察知できるサービスがオススメ

健康面に不安がある場合は、異常を察知したときに人が駆けつけてくれる見守りサービスがよいでしょう。

例えば、警備会社が提供する見守りサービスでは、緊急時にはスタッフが駆けつけてくれます。家族への通知だけでなく、高齢者宅にすぐ訪問してくれる体制があるため、安心です。

デイサービスや訪問介護で日中の心配が少ない場合も、夜間の緊急事態に対応できる見守りサービスの追加をおすすめします。

■行動力がある→アプリで確認できるサービスがオススメ

健康面での不安が少なく、高齢者自身が活発に活動する場合は、スマホのアプリで状況確認をしましょう。状況確認時の位置情報が分かれば、外出の予定を聞いていなくても安心できます。

センサー型の見守りサービスで外出や帰宅といった状況を確認するのも、よい方法ですね。外出先での事故が心配される場合にも、すぐ連絡ができます。

まとめ

高齢者向けの見守りサービスを選ぶ際は、高齢者とその家族、両方に負担がないことを重視しましょう。離れた家族を心配する気持ちと、子どもに心配を掛けたくないと思う気持ちが、すれ違わないようにしたいですね。そのためには、できる限りお互いの手間を減らすのも大切です。家族で話し合って最適なサービスを選びましょう。

参考サイト

緒方 クリナ

緒方 クリナ

投稿者プロフィール

関西在住のフリーライター。
賃貸雑誌の校正アルバイトで、ドアのない部屋などの不可解な間取り図や「築5分・駅歩10年」の表記を数多く修正。同時に、家賃相場や住宅設備といった地域ごとの特色を学ぶ。

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