投資と税金と海外移住について、真剣に考えてみた

  • 2022/3/31
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一年で最も大変で、かつうんざりする確定申告が終わり、「今年も税金が重い・・・」と暗い気分になっている方も多いかもしれません。

「こうなったら移住?」と考えている方もいるかもしれませんが、「あの国は消費税がどうだ」とか、「いやいや、税金は安くても、社会保険がどうだ」など、いろいろと考えなければならず、それはそれで大変そうな気がします。

でも、資産は増やしておく方が良さそうですし、「それで、めっちゃ儲けちゃったらどうしよう」などと皮算用も楽しいものです。

今回は投資と税金に海外移住も加えて、少し考えたいと思います。

 

投資と言えば、何?

投資といえば、何を思い浮かべるでしょうか?

当メディアは不動産投資を中心としているので、当然、不動産投資が多いかもしれませんが、大家さんの中には、不動産投資をやりつつ、他の投資も行なっている方が結構いらっしゃいます。株だったりFX だったり、仮想通貨だったり・・・。今はいろいろな投資がありますよね。

先日、Youtubeを見ていたら、「FXで失敗し、昨年、自宅を手放しました」と言う方がいらっしゃいました。それでも、「この損を巻き返してやる!」と勉強を続けているようで、精神力を鍛えるために瞑想などもはじめているそうです。瞑想っていうか、「迷走」のような・・・。

そんな話はさておき、税金の話題となると、「海外移住をした方が絶対お得!」と言い張る人がいます。確かに、税金と海外移住には大きな関わりがあるのですが、そう簡単でもないのです。

 

恐ろしすぎる国内FXと仮想通貨の税率の違い

まずは、FXを例に出して、税金の話を軽く説明します。軽くですが・・・。

FXで利益が出れば、税金を払わなければいけません。当然すぎますけど、利益が出る度に申告をするというわけではなく、確定申告で税金を申告します。

この時、国内FXでの利益は税率が一律20.315%。これには所得税15%と住民税5%。これに復興特別住民税の0.315%が含まれています。

これは株も同じこと。「申告分離課税」に分類されているので、給料はいくらあろうと、一律20%の税率でよいことになっています。

ご存知かと思いますが、利益がでたから必ず申告が必要かと言えば、そんなことはありません。

サラリーマンなど給与所得がある人の場合、年間の合計利益が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。また主婦や学生、または無職の人は、利益48万円以下であれば申告をする必要もないんです。

「めっちゃ優遇されてるな」とうらやましく思うのは、ずっと個人事業主な私のサガかもしれません。

一方で、何かと話題の仮想通貨や海外FXは、給料などの収入と合計した金額で税金がかかる「累進課税」が適用されることになっています。累進課税とは課税標準額が多くなるほど税率が高くなるというもの。

具体的には、「195万円以上330円未満」の課税所得分は、税率区分は10%です。しかし、4,000万円を超えた部分に関しては45%。これに住民税もかかってくるので、仮想通貨で利益が出せても、最高で55%もの税金を納めなければいけないことになります。

半分以上ですよ!

もちろん、運用に必要な経費を差し引きしたりできるのですが、とはいえ、なんだか納得できないですよね。強烈なモヤッと感!!

 

海外移住のときに必要な出国税とは?

半分以上も税金を取られるなら、海外に行って生活したい!と思う方も出てくるますよね。ある意味当然かもしれません。

でも、海外に行く場合には、出国税とも言われる「国外転出時課税」が必要になるので注意しなければいけません。

この国外転出時課税は、1億円以上の有価証券を持つ個人が国外転出する場合に、有価証券の含み益に対して所得税を払わせるというもの。 平成27年7月1日よりスタートしたものです。

対象となるのは株式や公社債信託などの有価証券、未決済のデリバティブ取引など。もちろん社長が持っている自分で経営している会社の非常上場株式やストックオプションの評価額も計算に入るので注意が必要です。

この場合、海外出国時に株式などを売却をしなかったとしても、上場株式であれば原則的に提出時の終値、非常上場株式は相続税評価額をベースに算出するので、「お金が入ってきていないのに税金を払う」と言うことになります。

なんか、ちょっとえげつない気もしますが、この税制ができた背景には、日本で一定額以上の収益が見込める株式などを売却せず、税制の安い海外移住して売却するケースが出てきたからです。本来であれば日本に納税されるべき税金を、多額に取りっぱぐれた結果なんですよね。

 

仮想通貨は出国税がかからない。今のところは!

さて、ここで注目されるのは、仮想通貨は現在のところ 出国税の対象ではないという点です。

例えばシンガポールでは、キャピタルゲインによる利益は非課税となっており、仮想通貨はキャピタルゲインになるので税金はかかりません。つまり、日本で仮想通貨投資をしていて、めっちゃくちゃ儲かってしまい、税金を納めたくないと思えば、売却する前にシンガポールに移動すれば、税金はかからないということになります。

これって、出国税ができた背景から考えると、何かおかしいですよね?

お上も、「なんか、おかしいよね」ということに気づき、まもなくこのお得税制はなくなりそうなんです。

まだ、いつからとか具体的には決まっていないようですが、一つの案では、今夏に提示される税制改革の中で提案されるのではないかという話も出ていたりして、めちゃくちゃ儲かっている人は気になっているところかもしれません。

仮想通貨はここ数ヶ月かなり低迷した状態が続いているようで、この先大きく跳ねる可能性があると言っている人もいます。コロナも明けたことですし、今のうちに海外移住した方がお得かも。

この可能性に賭けるなら、早いとこ脱出を考えた方がいい?

原田園子

原田園子ディレクター

投稿者プロフィール

「不動産の学校」のディレクター兼ライター。
住宅メーカーや不動産業者をクライアントに持っています。
不動産関連の取材実績も多数あり。
不動産投資から日々の暮らし記事まで、幅広く担当します。

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