【連載】日経平均が5万円になるシナリオ通りになってきた。 新たな時代の不動産投資について
- 2021/9/12
- マネー
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こんにちは、ふりーパパです。
今年1月に日経平均が5万円になるという書籍を出させて頂きました。不動産の学校のブログでも紹介しています。現状は、概ねそのシナリオ通りの状況となってきています。現状のコロナ禍による不景気でも、日銀の金融緩和や政府の景気対策による金余りとなり、不動産価格は高止まりをして、日本でも投資用の不動産を取得するには、投資額の20%~40%程度の頭金をいれなければ、投資不動産を取得できないような状態となっています。
このような状況は、世界的なインフレが日本にも影響を与え始めたことを示唆しているのかもしれません。日本では昨年9月に成立した菅政権下では、どちらかといえば、緊急事態宣言下での飲食店への給付金の出し渋り、携帯料金の値下げやレジ袋の有料化などの緊縮財政政策ともとられかねない政策がとられていたこともあり、コロナ禍の第二幕が始まった今年2月以降は、再び国内景気が大きく悪化するような状態となりました。また、緊急事態宣言を出し続けても、コロナ感染者の増加が止まらずに、菅政権に対する批判が高まり、菅政権の支持率も、30%を割れるという危機的状況に陥っていました。
追い込まれた菅総理は、今月3日に自民党総裁選挙に不出馬を表明して、事実上の菅政権の終焉が決まりました。現時点では、総裁選挙に、石田元政調会長、河野規制改革担当大臣や高市元総務大臣の出馬が予想されています。その中でも、相変わらず緊縮政策を主張するような総裁候補もいると思われますが、当面はコロナ禍での政府が財政支出の拡大に動くことが想定されます。
日経平均株価は、菅総理の退陣発表を受けて、3営業日で1000円以上の値上りをして、3万円の大台を取り戻しました。また、東証株価指数(TOPIX)も1990年以降の最高値を更新中となっています。実際に、日本経済の景気の良さを示すものとして、日経平均株価のEPS(一株当たり利益)は、現時点で約2150円という、バブルの頃の約650円というレベルの約3.3倍にもなっています。
日経平均株価については、世界中のコロナ禍に対する景気対策などの恩恵を受けている日本の輸出関連企業の業績の改善によるものです。一方で、国内の消費関連産業は、コロナ禍による不景気で悲鳴を上げています。仮に、新政権が国内に大型の景気対策を施すようになれば、日経平均のEPSは、2500円程度まで上昇する可能性もあります。そうなれば、PER(株価収益率 日経平均株価/EPS)を14倍としても、3万5千円まで上昇するということになります。うまく国内景気も回復基調になれば、来年末には、日経平均が4万円を超えてくる可能性もありそうです。
今年1月に発刊した私の書籍では、以下のような日経平均を想定しています。2025年には、日経平均が5万円を超えてくるという想定です。
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=9784775991787
2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 平均上昇率 | |
日経平均 | 30000円 | 33000円 | 39000円 | 43000円 | 50000円 | |
上昇率 | 7% | 10% | 18% | 10% | 16% | 12.2% |
この想定を信用できない不動産投資家が多いと思われますが、実際にインフレが起こっている状況と、現在の日経平均のEPSがバブルでないことを証明しているので、この点を十分に頭に入れておくことをお勧めします。1989年の日経平均が約4万円を付けた頃のEPSが、約650円であったことをみれば明らかです。
不動産投資をするにあたって必要な頭金の確保が重要になりますが、個人投資家としては株式投資で儲ける方法が考えられます。上記のような市場環境ですから、少し勉強すれば、株式投資で、当初の投資資金にもよりますが、10~30百万円程度の頭金を作ることも簡単にできる可能性が高まっていると思われます。
例えば、投資物件取得価格が5000万円で、その利回りが、6%としても、2000万円の頭金を入れれば、3000万円程度の借入れが可能と思われます。実際の投資家利回りは、管理費などを除いて簡略法で計算すると以下のようになります。
年間収入: 5000万円x6%=350万円
借入金: 3000万円 20年元本均等返済 金利1.5%(変動)
初年度返済金額: 150万円(元本返済額)+45万円(利息分)=195万円
初年度キャッシュフロー: 350万円-195万円=150万円
初年度利回り: 150万円/2000万円=7.5%
事実上、数年後にインフレなどによる投資物件の値上りを期待して不動産投資をする方法になります。5年後に取得価格と同じ価格しか売れなかったとしても、元本返済分のキャッシュ(年間返済額150万円x5年=750万円と当初の頭金2000万円の合計2750万円)が手元に残ることになります。
また、返済によって担保余力もでてくることから、金融機関次第ですが、その担保余力を利用するような投資法も有効になってくるかもしれません。
日本も金余りや政府や日銀の金融政策などで、緩やかインフレ時代に変わってきており、投資用不動産のグロス利回りが大きく下がったことから、地主でもない個人投資家が不動産投資に参入するには、難しい時代となってきています。これまでの投資方
法からの離脱を図って次の時代に備えるタイミングになっているのは間違いなさそうです。
ニュージーランドで、約12年間も不動産投資をしていたこともあり、私の純資産(資産時価-借入金)は、約12年間で4倍以上になりました。ニュージーランドのインフレ率は、過去10年間の平均インフレ率は2%程度ですが、不動産価格は、約2.5倍にもなっているからです。
もちろん、少子高齢化の進む日本で同じようなことが起こるとはいいませんが、日本の新たな状況下での不動産投資についても、引き続き魅力的な投資対象であることは間違いなさそうです。