【連載】新興国での不動産投資につきものの3つのリスクを考える

こんにちは、ふりーパパです。

不動産の学校の方からのメールでのミャンマーの不動産開発案件に関する問い合わせが届きました。今回はそれについてご説明したいと思います。

 

新興国の不動産投資で考えられる3つのキケン

私の経験から言えることは、以下の3つと思われます。

  • 新興国への不動産投資は、とても魅力的に映るけど、ギャンブル的な要素が大きい。
  • 新興国の法律や規制は、あってないようなものであったり、あっても頻繁に変更される。
  • 日本の個人投資家向けの案件は、誰も買わない、ないしは、売れ残りのような案件が多い。

 

新興国のギャンブル性

概ね年率10%以上のリターンをうたっていることが多いのですが、これはあくまで現地通貨建てのリターンであって、日本円で投資した場合には、マイナスリターンになることが多々あります。このようなリターンを受けられる国では、10%以上のインフレが起こっていたりするので、実質リターンはマイナスだったりします。また、新興国政府によるインフレなどの統計数値の計算が、信用できるものでなかったりするので、注意が必要です。加えて、米ドルベースでリターンを保証するような案件もあるようです。実態は、詐欺のような結果になる案件が多いものです。

新興国においては、開発資金等の不足があり、常に海外からの投資資金を受け入れていますが、それを国外に持ち出すためには、制限があって実質的には持ち出せないことも多いことです。例えば、上記②とも関連しますが、私の友人で、以下のような経験をした人がいます。

フリピン、マニラの例。投資に成功しても、国外へ持ち出せるのは年2万ドル

2001年頃、フィリピンのマニラ市郊外で、木造の新築一棟ものアパートを買った。但し、不動産の名義はフィリピン人の名義を借りて、1,200万円(約11万ドル)程度で購入。2007年頃に売却したが、名義を借りていたフィリピン人と、もめごとが起こって、結局、お金をもらうまでに、2年程度の時間を要した

同アパートは、現地通貨ベースで約6倍になり、日本円でも2.5倍くらいになった。但し、名義人に名義貸し料のような感じで多額の支払いをしたこともあり、2,400万円(当時の24万ドル)くらいの手取りになった。そこで、日本にこのお金を持ち帰ろうとしたが、フィリピンでは、年間2万ドル以上持ち出せないことが判明。毎年2万ドル日本へ持ち帰っても、10年以上かかることがわかった。その後、彼は、マニラ市の中心の区分所有マンションを買って、このお金の6割くらいを使った。それ以降は、年に数回、マニラに行くようにして、残りのお金も使うようになった。というような話です。

もちろん、この裏には日本でのキャピタルゲイン税の支払い問題等もあったのかもしれません。日本で確定申告をしていたかどうかはよくわかりません。これは、あくまで新興国投資で成功した事例ですが、結果的には、日本にお金を戻すこともできないで現地で使うようになっています。それでもフィリピンは、往復で4万円~5万円程度のコストでいける近い場所なので、個人的に楽しく過ごせる面を考慮するとラッキーと思われます。また、いくつかの条件はありますが、10万ドルもあれば、永住権がもらえる国です。

法律や規制の危うさ

ミャンマーは、新興国の中でも最貧国にいちするような未開の国です。インドネシアやフィリピンなどの新興国と比較の対象にもならないような国です。同国政府もいつ転覆してしまうかわからないような国とも言えます。もちろん、将来性についてはかなり高いと言えそうですが、20年か30年後のお話です。国家としては、経済的に潤したいこともあり、外資の誘致には積極的です。しかしながら、法律や規制の未整備なリスクや外貨不足の状況であり、海外送金などができないリスクなど、先進国の投資に比較すれば、リスクも計り知れません。なので、超長期の投資を考えるような大手機関投資家など以外は、通常相手にされない国です。

このような国に対する投資を呼び込むために、同国政府もいろいろな外資誘致の法律や規制などを工夫します。しかしながら、実際にはリスクが大きすぎて、通常の機関投資家は相手にしないことが多いものです。そこで暗躍するのが、日本人の個人投資家からお金を集めるような日本人ないしは日系人のブローカーです。彼らは、現地のデベロッパー(不動産開発業者)などと組んで、集めたお金の50%程度の手数料をキックバックとしてもらえるような商売をするような輩もでてきます

 

物件やデベロッパーも危うい

2005年頃に、マカオに新築されるマンション投資物件の話が来ました。カジノで著名な場所であり、中国人富裕層に、マカオのマンション需要が異常に盛り上がっていた時期でした。この案件にのった人からの話では、日本人の個人投資家から10億円を超えるお金を集めた後、最終的には、約2年後にデベロッパーが破綻したという通知が出されて、投資家には4割程度のお金が返還されました。残りの6割の資金の使途は闇の中です。実質的にこのブローカーとデベロッパーと称する業者が分けていたのではという話になっていました。

このような事例は、枚挙にいとまがありません。一見、夢のような投資物件の裏側はこのようなものであることも多いものです。先進国のマンションを買うことなどは、高値で夢の夢となりつつあるような状況で、ちょっとした小金持ちを相手に、「商売のような詐欺」を仕掛けるということになるでしょうか?

不動産投資アドバイザーとして著名な方が開発しようとしたスリランカのホテルプロジェクトも、とん挫しています。しかしながら、外貨送金規制などで、投資家が日本にお金を戻すのに数年かかるという話も明らかになっています。

ふりーパパ
1980年代後半から不動産投資開始。
2004年にサラリーマンを卒業して、不動産投資や株式投資などにて生計を立てる。不動産投資に必要な頭金を株式投資などの紙の資産への投資をし、それを元手に借入金を起こして不動産投資をしているのが特徴
http://freepapa.enjyuku-blog.com/

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