はじめての不動産投資は団地から。物件価格200万円で利回り20%を目指す!
みなさんは、団地型分譲マンションで不動産投資ができることをご存知でしょうか。
団地と言うと、古めの集合住宅というイメージを持っている方も多いと思うのですが、たった200万円ほどの投資で月4~5万の家賃が入るという驚くべき物件だという点には気づいていない方も多いのでは?
今回は初めての不動産投資を団地で始める、坂本みちるさんに話を伺いました。
ママ友との話から、団地を購入できることを知る
坂本さん(仮名)は、関東のとある住宅街に住む主婦です。お子さんは3人で、小学生が2人と未就学児が1人。不動産投資には興味がなかった・・・わけではないものの、すぐに投資をしてという感覚はあまりなかったそうです。
そんな彼女は、団地に住むママ友との会話から手頃な価格で団地が売りに出されていることを知ります。管理が行き届いて見た目は非常にキレイなのですが、建物自体は古いこともあり、かなり手頃な値段で購入できる様子。そこで彼女のアンテナが「ピピッ」と反応し、強い興味を持ち始めました。
ところで、「団地型分譲マンション」の定義をはっきりしておきましょう。
一般的に団地と言えば、昔の日本住宅公団(現在は都市再生機構)による公団住宅と、都道府県や市町村など自治体による公営住宅をイメージする方が多いでしょう。広大な敷地に5階建てくらいの集合住宅がまとまって立っているイメージですね。もちろん、市営住宅などは購入することができませんが、公団が扱うものは通常のマンション同様、分譲として購入することができます。
坂本さんが今回購入したのも、まさにそういう物件。敷地内に約30棟の建物があり、総戸数は750を超えるという、(おそらく)大型のものとなります。
※以後この記事では「団地型分譲マンション」を「団地」と記載します。
何からやればいいのかわからず、まずは専門家に聞いてみた
坂本さんは、この団地の存在は以前から知っていたそうです。この団地はターミナル駅というわけでもない最寄り駅から歩いて30分近くかかります。基本的にはバスを利用しなければならない場所で、まさか自分が投資用物件を購入するとは全く思っていませんでした。
ところが、ママ友の話をきっかけに改めて物件を見てみると小学校が近くにあり、子供たちの遊ぶ声が常に聞こえるようなのどかな場所。敷地内は管理が行き届いていて、植栽なども常に手入れがされています。自転車置き場などもきっちりと整備され、他の団地とは少しイメージが違うなと感じるようになりました。
「ふとこの団地を買ってみるのはどうかしらと思い、ネットを検索すると売りに出ている物件が!
しかし、不動産投資をやったことがない私には、何をどう調べていいのかして良いのかわからず、知り合いの不動産投資の専門家である中島さんに声をかけました。中島さんは、職業としても不動産投資物件を扱っていますが、自分でも複数の物件を所有しています。しかし団地への投資やエリア的には詳しくないということで、まずは調べてもらうことになりました」(坂本さん)
坂本さんが見たのは大手ポータルサイトに掲載されていた物件です。中島さんがその物件に問い合わせると、すでに申し込みが入っていました。そこで今度は、不動産業者が見ることのできるデータベース(レインズ)で探したところ、7つの売り物件が見つかります。
中島さんいわく「駅からも遠く、7つも売り物件が出ているので、地方都市にありがちな廃れゆく古い分譲団地だと思った。でも、調べてみると情報掲載期間が浅いにも関わらず売りに出ている7戸のうち2つにはもう契約が入っていて、意外に物件が動くんだなと興味が湧いてきた」ということでした。
そして、
「これは面白い!一見の価値ありだ!」
ということで、一緒に物件を見ることになりました。
実際に住んでいる人の話を聞く
この時、売りに出ていた物件は5つ。そのうち4つは既に空き家でしたが、1戸はまだ所有者の方が住んでいるとのことで、物件を見に行った際に、住み心地や修繕についてお話を聞いてみることになりました。
「団地全体は、管理が行き届いています。もちろん建物自体は古いのですが、住んでいる方に聞くと管理を委託しているところが通いで週に数回お掃除をされているようで、清潔感があります。また、管理組合がしっかりしているため、リフォームが定期的にされていて、2年くらい前に外壁がリフォームされていました。
0私から見たら、「だから古ぼけた感じがしないんだな」という感覚でしたが、中島さん言わせれば、これは大きな注目ポイントなんだそうです。
古い建物の修繕でお金がかかるのは、外壁と配管。この団地では外壁のリフォームが終わっているというのは、修繕計画はしっかりしている証拠です。さらに大掛かりな修繕をしたにも関わらず、まだ修繕積立金が潤沢にあるというのは非常に魅力的だ」と言われ、気持ちががぜん上がってきました。
お部屋については、大きな団地のため、棟によって利便性に差があることがわかりました。小学校や派出所、バス停が近い棟もあれば、奥のほうの棟は森に隣接しており夜になるとかなり暗いことが予想されます。駅が遠いだけにバス停の位置も重要だなと思いました」(坂本さん)
この団地は5階建て。エレベーターはありません。まだ住んでいる方の話によれば、「5階への上り下りがつらく、引っ越しを考えている」とのこと。調べてみると、上階の方が家賃も売値も安くなっています。逆に、通常のマンション物件などでは人気が低くなりがちな1階は人気があり、同じマンションの他の部屋から買い替えて移ってくる人もいるそうです。
「結局、5つまわった物件のうち、3階に位置する2DKの物件を気に入り、買付申し込みすることにしました」(坂本さん)
その部屋を選んだ理由
ここで坂本さんが選んだ理由をまとめておきます。
- 広大な団地の敷地の中でも一番小学校に近い場所に位置している棟
- バス停が目の前で利便性が良い
- 派出所も近いことで、安全面も確保できる
- 3階なのでエレベーター無しの影響は少ない
- リフォームされていなかったがそこまでひどい痛みはなさそうに見える
実はこの物件、当初は250万円で売りに出されていました。しかし全くリフォームされていなかったため中島さんに交渉してもらい50万の値下げに成功。その上「入居者がつく状態までならそれほどお金をかけなくても済むはず」とアドバイスをもらえたことの決定打になったようです。
DIY好きの旦那様もリフォームに参加することに
ちなみに、不動産投資をする人の中には、旦那や子供に内緒でという人もいますが、その辺りはどうだったのでしょうか。
「わが家では旦那に内緒ということは考えられませんでした。私が興味を持ったことは、よほどのことがない限り自由にやらせてくれます。ということで、休みの日を利用して家族で物件を見に行きました。その時点では、不動産投資には賛成しているものも、それほど興味を示さなかった旦那が、物件を見たことでDIY熱がむくむくと盛り上がり、最終的には乗り気になってくれたので良かったと思っています」(坂本さん)
このあたりの夫婦円満な感じも、不動産投資成功の秘訣になりそうです。
200万円で購入に成功した背景
さて、この団地の価格相場ですが300万円台前半です。でも坂本さんは200万円で購入することはできました。その理由は前述したように、リフォームがされていなかったことを理由に「指値」をしたからです。
指値とは、売買を委託する時に値段を指定することですが、通常団地購入時には活用されないことが多いそう。また、できない物件もあるようです。その理由は、団地は自分が居住するために買う人が多いからとのこと。坂本さんは投資用に購入するので、指値に挑戦し見事に成功したわけです。挑戦してみることが大切だと知ったことは、今後の知の財産になりそうです。
そして、彼女の挑戦はまだ続きます。
「今回、この金額なので現金でも払えるのですが、今後、投資用として物件を増やしていきたと思っているので、融資にもチャレンジすることにしました。現在、公庫の審査待ちの状態です。創業計画書の書き方や面談の受け方をなども指南を受けましたので、これについては、別の機会にお話できればと思います」(坂本さん)
坂本さんは着々と投資家への道を歩んでいるようです。
専門家に聞く「投資用団地選びのポイント」
坂本さんは運命的な出会いにより団地不動産投資を始めることになりましたが、団地ならどこでもいいというわけではありません。それではなぜ今回の物件は良いと判断したのか、不動産の専門家に話を聞いてきました。
団地全体に対して
- 管理組合がしっかりしており、修繕計画などが明確になっている
- 外壁塗装という大規模修繕が終わっている
- それにも関わらず、修繕積立金が潤沢に残っている
(修繕積立金が残っていても多額の借入金がある場合があるので事前に調べる) - 駅から遠くても小学校や役所など生活に直結した施設が近い
- 管理人がおり、常に敷地内を清潔なイメージに保っている
- 植栽が整っていて共用部に私物が放置されていない
- 古い掲示物がそのままになっていない
- 住居者の民度が高い
- 大規模な団地の場合、棟の場所にも目を向ける
- 必ず外からベランダを見て、両隣や上下階にネットが張ってない(鳩被害がない)か確認
- 賃貸できるかなど事前に管理組合規約を読む
物件に対して
- リフォームがされていないときは安く買える可能性がある
- 売主の状況により指値が通る場合が多い
- 利回り30%を実現できる可能性がある
- 間取りがシンプルなのでリノベーションしやすい
団地といってもいろいろな雰囲気があり、管理状態にも差が大きくあります。それを正しく見極めなければ、借り手がつかなくなるので、そこが注意点です。今回は物件購入に携わった専門家の中島さんですら、「私もここで物件買おうかな」と言ったそうで、それほど好条件が揃った物件だったというわけです。
建物が古くても、それを補えるメリットや価値があれば入居者はつきます。その見極めは重要。今回は、住民のリアルな声が聞けたというのも大きかったのでしょう。
坂本さんはこの後、この部屋をリフォームして部屋を貸すわけですが、それには「団地の匠」と言われる方のコンサルティングを受けるつもりとのこと。またご主人もリフォームを手伝ってくれるそうで、再び密着取材をしてきます。どうぞお楽しみに!