銀行リフォームローンのいろは!メリット・デメリット、選び方を解説
近年よく目にするようになったリフォームローン。住宅ローンほどまだポピュラーでなく、名前しか知らないという人も多いと思います。
そこで、今回はリフォームローンとはどんなものなのか、基礎知識を解説します。住宅ローンとの違いや、借りられる金額や金利、どんなときに使うべきかといったことも解説しますので、リフォームローンを利用したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
リフォームローンと住宅ローンの違い
リフォームローンとは、その名のとおり、リフォーム費用として借りられるローンのことです。
一方、住宅ローンは新築費用としてもリフォーム費用としても借りられるローンのことを指します。
そのほかにも、大まかな傾向として以下の違いがあります。
リフォームローン | 住宅ローン | |
担保 | 基本的に不要 | 必要 |
金利 | 2.0%~5.0% | 1.0%前後 |
融資上限額 | 500万円~1,000万円 | 明確に定めていないことが多い |
また、リフォームローンは担保不要であることが多く、審査にかかる時間も比較的早い傾向にあります。そのため、気軽に借り入れたい人にはリフォームローンがおすすめです。
一方、住宅ローンはリフォームする住宅を担保として借りるのが一般的。そのため、審査に時間がかかるケースもあり、必要書類の準備にも手間がかかります。
ただ、リフォームローンは住宅ローンに比べて金利がやや高く、借り入れの上限額もそこまで高くありません。あまり借入期間が長くなると利息も膨らみやすいほか、建て替え規模のリフォームではそもそも借り入れできる金額が必要な金額に達しない恐れもあるでしょう。
どちらのローンを利用するにしてもメリット・デメリットがありますので、よく検討することをおすすめします。
リフォーム費用の平均額と使い道について
実際のところ、リフォームローンの利用者はリフォームにどれくらいの金額をかけているのでしょうか。
ここからは、リフォーム費用の平均額や使い道などを見てみましょう。
リフォーム費用と返済期間の平均
『2018年度の住宅市場動向調査(※)』によると、リフォームにかけた費用は総額で241万円。その内、借り入れした金額は37万円が平均となっています。
一般的には自己資金の比率が高く、借入金の比率はリフォーム費用の15%程度です。
なお、この数値はここ5年で大きく変わっていません。
返済期間に関しては、10~20年未満が37.5%と最も多くなっています。どうやら、少額を借りてゆっくりと返済している人が多いようです。
リフォームローンの使い道
続いて、リフォームローンの使い道を見てみましょう。
『2018年度の住宅市場動向調査』によると、最も多い用途は「老朽化の進んだ住宅の修繕」でした。そのほかには、「キッチンや浴室、給湯器といった設備のリフォーム」という用途も多く見られました。
実際に住んでから気付いた不満を改善するために、リフォームローンを使っている方も多いようです。
銀行リフォームローンを選ぶ際にチェックしたい3つのポイント
リフォームローンの使い道が具体的に想像できたところで、今度はリフォームローンの選び方についても解説します。
リフォームローン選びの大まかなチェックポイントは、以下の3つです。
チェックポイント1.金利方式(変動金利 or 固定金利)
はじめにチェックしたいのは、リフォームローンの金利方式が「変動金利」なのか、それとも「固定金利」なのかです。
変動金利とは、その名のとおり、変動する金利のこと。一定期間で金利が見直されるため、市場金利に合わせて上がることもあれば下がることもあります。
また、変動金利は固定金利よりも低金利なのがメリットです。ただ、上下幅があるために返済計画を立てづらいことはデメリットといえますね。
一方、固定金利は変動金利よりも高い金利設定となりますが、その分、返済計画は立てやすいでしょう。
もし変動金利を選ぶのであれば、金利が変動する度に返済計画を立て直す必要がありそうです。余裕がある人は、金利動向を逐一チェックして、金利が大幅に上がりそうなときには固定金利のローンに借り換えるといった対応を取るとさらによいでしょう。
このような手間を面倒に思う人には、固定金利をおすすめします。
チェックポイント2.金利
リフォームローンの金利に関しては、やはり低いに越したことはありません。
銀行で契約するリフォームローンの場合は約2.0%~5.0%が相場といわれているため、2.0%前後のものを選びたいところです。
チェックポイント3.返済方式(元金均等返済 or 元利均等返済)
リフォームローンの返済方式には、「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。
元金均等返済の場合は元金に基づいて利息がかかるため、返済を進めるごとに利息額が減少していくのが特徴です。返済開始当初は返済負担が大きいのですが、利息として支払う合計金額は元利均等返済よりも低く済みます。
一方、元利均等返済は最初から最後まで支払う金額が一定です。返済負担も一定ですが、利息として支払う合計金額は元金均等返済よりも高くなります。
どちらの返済方式を選ぶべきかは、リフォームローンで借りる金額や返済期間を踏まえ、両方の返済計画をシミュレーションして見極めるとよいでしょう。
リフォームローンの申し込みから借り入れまでの流れ
リフォームローンを実際に契約して融資を受けるまでの流れは、以下のとおりです。
1. リフォーム業者に見積もりを頼む
2. リフォームローンを選ぶ
3. リフォームローンへ申し込む
4. 銀行の審査を受ける
5. 審査通過後、融資へ
近年では、ネットから申し込めるリフォームローンも増えています。また、無担保型のリフォームローンであれば必要書類も少ないため、簡単に申し込めるでしょう。
リフォームローンに申し込んだ後は、審査結果を待つのみです。一般的な住宅ローンと違い、あまり手間をかけずに利用できるのはリフォームローンの魅力ですね。
リフォームローンの審査に通らない原因と対処方法
銀行のリフォームローン審査は、住宅ローンと比較すると通過しやすいといわれています。
とはいえ、審査に落ちてしまう可能性もゼロではありません。
審査に落ちやすい原因としては、勤続年数の短さや、ほかで抱えているローンの返済負担が大きいといったものが挙げられます。これらはどちらも年月が過ぎることで解消される可能性もありますが、年月では解消されない原因も考えられます。
※原則として、審査に落ちた理由は明かされません
中には、「そんなに待っていられない」「すぐにリフォームしたい」といった場合もあるでしょう。そのようなときには、ノンバンク系のリフォームローンも検討してみてください。ノンバンク系のリフォームローンは、銀行のリフォームローンよりも審査に通過しやすいといわれています。
ただし、ノンバンク系は銀行よりも金利が高めといったデメリットもあるため、注意が必要です。また、ノンバンク系は貸金業法の「総量規制」が適用されるため、借り入れの上限額が年収の3分の1までとなる点も人によってはデメリットとなるかもしれません。
※無担保型のリフォームローンは、企業によって総量規制対象としているものもあれば対象外としているものもあります
これらのデメリットを踏まえてもまだなおメリットの方が大きいようなら、ノンバンク系のリフォームローンを利用してみるのもよいでしょう。
まとめ
古くなった住宅や使い勝手の悪い設備を修繕・改築する際、リフォームローンはとても便利な存在です。申し込みや審査に関しては住宅ローンよりも簡易的なため、リフォームローンは気軽に利用しやすいでしょう。
しかし、お金を借りる際に一番大切なのは、はじめに返済計画をしっかりと立てることです。長期間の返済になりやすいリフォームローンだけに、遠い未来までを見越した返済計画を心がけることをおすすめします。
【参考サイト】