「駅から徒歩○分」に疑問を持ったので、その理由を調べてみた

不動産に行ったとき、「駅からの距離」にこだわっているという人も多いと思います。
価格も、駅から近い物件は高く、駅から遠くなれば安くなるのが一般的ですよね。
でも、そこに書かれている時間と実際の時間には差があると感じませんか?
その理由を調べてみました。

 

不動産屋のひとことに疑問

私が不動産屋に行った時、気になることを言われました。
「徒歩12分ってなってるんで、実際には15分くらいですかね」にっこり・・・

ん? 書かれている時間と実際が違うのは不動産屋も認識してるってこと?
それって、めちゃくちゃ不親切では?

でも、実際に歩いてみると、その通りにならないことの方が多いのは間違いありません。
ということは、そもそも書かれている数字は根拠がない?
ただ、少しでも駅に近いと思わせたいということ?

そんなことが頭をよぎり、調べてみることにしました。

 

車で10分かかるのに、徒歩20分なんてこともあった

よく見ると、表示されている「徒歩○分」という表示は、駅の他にもコンビニやスーパー、学校などいろいろありました。また、体感として、「徒歩3分」はそれほど違いがあるとは思えないものの、「徒歩15分」くらいになると、「絶対に着かない」という感覚です。先日は、「徒歩20分」という物件に連れて行かれましたが、車で10分かかりました。
車で10分かかるところに、徒歩20分で着くわけない!
という怒りを感じながら、「どんな人なら20分で歩けるかな?」とアレコレ考えてしまいました。

さて、その一方で、何らかの施設(お店や病院など)のサイトに書かれている「駅から徒歩何分」って、結構あっていたりもするし、中には書かれている時間よりも早く到着することもあります。このあたりも不思議な感じがします。

 

不動産の徒歩所要時間には決まりがある

不動産で使用する所要時間は、なんと! 正式な基準がありました。
正式には、「徒歩所要時間」といい、出発地点から目的地までの徒歩の所要時間を距離から算出しています。このとき注意したいのは、直線距離で測るのではなく、実際に歩く道の距離をしっかり計算しているということ。

「直線距離で図るから実際とズレるんですよ」と言った人が私の周りにいますが、それは間違いのようです。

これは、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第5章 表示基準 第10条「物件の内容・取引条件等に係る表示基準」に書かれているので、正式なもの。

ここでは、徒歩1分は80メートル。車1分は400メートルと決められているそうです。

よく、「人は1時間に4キロ歩ける」と言います。
80メートル×60分=4,800メートル。
これと比較すると、早足気味に歩かなくちゃいけないということですね。

でも、この1分80メートルという基準は、実際に歩いて決められたものなんだそうです。基準となったのは女性。しかも、ハイヒールを履かせて実際に歩いた距離の平均値が80.3メートルだったので、80メートルにしたんだそうです。どれだけ早足の人を集めたんだよ! という感じですが、単に昔の人は足腰が丈夫で、ガンガン歩けたという意味のようです。

そういえば江戸時代は現代人とは比べ物にならないぐらい足腰が強く、何日も歩いて旅行に行ったんですよね。もちろん、この基準が江戸時代にできたわけではありませんが、昔の人が早足だったのは事実。なのでしょうがない・・・と無理矢理納得。

新たな疑問としては、「そのときに使ったハイヒールってどんなの?」ということです(笑

 

イメージと違う起算地点

意外な起算地点の違いもありました。私たちが、「駅からの家まで歩く」ことをイメージすると、感覚的には改札から自宅入り口、マンションであればせめてエントランスまでと考えますよね。
実は、これも大きなズレをうんでいるんです。「駅」とは改札ではなく「出口」をさすため、地下鉄などでは改札からその出口までがそもそも遠い!というときは大きくズレます。正しくは、「○○口から徒歩何分」と書くべきなのかもしれませんが、ここが省略されるために勘違いが起こります。

また、マンションもエントランスではなく、敷地に入ればそこが到着地点。つまり、広いマンションで敷地内に公園的なものがある場合は、公園の入り口につけばゴール! そこからエレベーターホールに行き、エレベーターを待てば、退館時間はグンッと延びるというわけです。

ちなみに、「スーパーまでの距離」となると、さらにややこしくなります。どちらも敷地から敷地までの距離なので、かなり時間は短くなりますよね。もう、何を信じればいい~という感じです。

 

他にも、体感時間が長くなる要因はたくさんある

他にも、時間のズレをうむ要因はたくさんあります。

そのひとつは、信号待ちや踏切待ちは考えないということ。ノンストップで行くことが前提なんです。信号待ちって1分くらいかかります。これが2つ、3つとあれば、それだけ時間がかかることになります。開かずの踏切があったりすると、もうアウトです。

さらに、坂道や階段の昇り降りによるペースダウンも計算には入れません。実際に歩いていると、坂道になれば当然ペースダウンします。長い坂であれば、途中で「ふー、やれやれ」と腰をさする人も出てくるでしょうが、当然そんな時間は換算されません。どんなに急な坂でも、颯爽と歩くことが大前提なのです。

1分80メートルの徒歩所要時間を起算するときには、1分未満の端数が出た場合は無条件に切り上げする決まりになっています。つまり、10分30秒であれば11分と表示されるわけですが、その他の要因を考えると、こんなのはタダの誤差。現実はそう甘くないということですね。

 

お店や病院は実際の距離が書かれていることもある

ところで、お店や病院などの施設の場合、「駅から徒歩○分」という表示と実際にかかる時間がほぼ同じなことがありませんか? ときには、書かれている時間よりも早く着くこともあります。

これは、不動産の場合と違って明確なルールがないために、実際にスタッフが歩き、リアルな数字を書いているためなんです。とはいえ、これについてもケースバイケースで、故意に短く書いていることもあるので鵜呑みにはしない方がいいですね。

 

Googleの優秀さを改めて感じた

最後に、実際にかかる所要時間がどれぐらいなのかを知る方法をお教えしましょう。実は、最新の文明の力を使って計測する方法があるんです。素晴らしい時代ですね。
それは、Googleマップ

これには、出発地地点とスタート地点を指定し、行程を表示させる機能があるのですが、ここに徒歩の所要時間が表示されます。不思議なことに、この時間はかなりリアル。もちろん、めちゃくちゃ歩くのが遅いとか、すごい早足で歩くという人は別ですが、多くの人が「いい感じ」と思う時間で表示されています。その理由は、単純に距離で計測するのではなく、坂や歩道橋の有無、エレベーターや信号の待ち時間を考慮しているからなんだそうで、「Googleすごいぞ!」と感心してしまいます。

不動産屋に書かれている「徒歩○分」に疑問を感じたら、Google Mapで調べるのがよいかもしれませんね。
坂道や信号が多いエリアでは、かなり違う表示がでるようですよ。

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