家の間取りでイライラしない方法。風の通り道も意識する

家に住みはじめて、「モデルルームと違うな」「片付かない」「住みにくい」と感じる原因。もしかして間取りのせいではありませんか?
建売住宅でも、注文住宅でも、間取りで失敗した例はいくらでもあります。
という、私もそのうちの一人です……。さすがに20年以上住んでいるので、高望みはせずやりくりをしていますが、今から建てる・引っ越しを考えている方に失敗はして欲しくありません!

今回は、家の間取りについて解説していきます。

 

家の間取りでイライラ!注意する5つのポイント

かんたんに買い替えることができない家!
だからこそ使いやすく過ごしやすい家にしたいですね。
間取りの失敗で生まれるイライラは住んでいる間中起こります。最悪、家庭不和にも繋がりかねないことですので、注意するポイントを確認しておきましょう。

①部屋のサイズは入る量で考える

部屋の大きさをアバウトに決めてしまうと、最大人数、最大量が入ったときにスペースがなくなってしまいます。人だけでなく、部屋に置いてある家具の大きさと数、動線も考えると失敗が少ないです

②収納箇所はあらかじめ入れるものをピックアップする

間取りの失敗で一番多いのが、とりあえず作った収納空間です。ここにこれくらい収納スペースがあればいいだろうと思い作ったら、サイズが違って入らなかったりします。

たとえば、サーフィンが好きな方はサーフボードだったり、キャンプが好きな方はオフシーズン中の道具の収納だったり。サイズと量をきちんと考えて設計をしなくては後々困ったことになってしまいます。

私の家の事で恐縮ですが、マンションと駐車場を購入した後に、父が水上バイクを購入しました。駐車場は月極ではなく購入したのですが、物置スペースがもっとある駐車場を選択しておけば良かったと後悔しています。水上バイクのせいで駐車場はギュウギュウです。

③「かもしれない」に注意!本当に必要かを考える

子供が乳飲み子のうちに家を建てた人を見ると、庭面積を多く取っている人が多いです。子供が大きくなったら「庭で遊ぶかもしれない」。

また本が好きだからと書斎を作る人もいます。そこで「本を読むし、仕事もするかもしれない」。

日々の買い物でも、安いからと思い買うと使わないことがあります。それは家の設計でも同じです。
本来の目的では使っていないけれど、活躍しているならば幸いですが、それもできないとなるとただのデッドスペースでしかありません

子供が遊ぶかもしれない庭は、友達と遊べる公園よりも魅力的に作れますか?
書斎は本当に必要ですか?
趣味だけならば、1日何時間本を読みますか?
書架がいくつかあれば事足りるのではありませんか?

このような間取りの無駄を防ぐために、今一度、本当に必要なのかを検討することをおすすめします。

  • その間取りでないといけないのか
  • 他の部屋で代用できないのか、それとも効率が悪いのか
  • もし使わなくなっても他の部屋に転用できるのか

家は大きな買い物です。「かもしれない」で間取りを決めることは早計です。

④苦しみのガラス張りとモダンすぎる暗さ

後々に苦労する間取りに光の取り込み方があります。大きなガラス窓を設置すると昼間は明るく、おしゃれですね。

しかし、その反面、夏は日差しで暑く、冬は寒いです。それにより冷暖房費が想像よりも高くなるかもしれません。ガラス張りのビルはきれいで、「あんなところで働きたい!」と思い、勤めてみると「窓ガラスの近くは灼熱地獄!」「西日もつらい!」「オフィスの中なのに汗だく!」ということがありました……。

それに、窓ガラスはこまめに掃除をしておかないと、魅力は半減どころかマイナスにもなりかねません。

窓ガラスは冷暖房の面と、こまめな掃除を考慮して設置しましょう。

また、窓を設置しなかったために暗すぎるという失敗例もあります。毎度、明かりを付けるのも億劫です。防ぐ方法は、設計図に光を取り入れる位置を書き込んでみるといいでしょう。時間帯によって日が入ってくる方向は違います。できれば入ってくる窓は2箇所、最低1箇所は取り付けることをおすすめします。

⑤部屋をスッキリさせるか、適度に買い替えるか

これは間取りとは少し違いますが、設備を据え置き型にするのか、持ち運び型にするのかも大きな分かれ道です
というのも、据え置き型はあらかじめ計算をして設置するため、部屋そのものはすっきりとしています。しかし、その設備が故障や老朽化すると修理代金が高額になる可能性も!
そして、技術の進歩で電気代などが割高になることも考えられます。

ならば、市販の物を使ったほうが結果的には安上がりで、最新の物も使え、メリットが高いかもしれません。

せっかく作ったのに台無し!? 3つの風の通り道を考える

利便性、費用、明かりと見てきました。これらは工夫をすればなんとかなる問題です。

ここからは、解決方法が難しい失敗を見ていきましょう。

①湿気がすごい!窓のない部屋の収納スペース

空気の動きが極端に悪い部屋の収納は、対策を正しく取らないとカビだらけになります。その部屋に置いてあるモノだけでなく、カビを吸うことは健康にも悪いですね。

もし、空気が淀みやすい部屋が生まれるならば、湿気対策をきちんと行うか、押入れなどのさらに湿気がたまりやすい収納を設けないことをおすすめします。
私の家でも1部屋そのような状態の部屋があり、普段使わないものを置いてはいますが、押し入れの中はカビだらけで使えたものではありません。
除湿剤を置こうが、除湿機を置こうが、 湿気には勝てず壁紙まで剥がれました。

これらを防ぐためには、風の通り道を考え換気を行えるようにすることがポイントです。空気の交換がされることでカビは生えにくくなります。

②オシャレだけど臭いが家に充満するオープンキッチン

料理教室のようでおしゃれなオープンキッチンにも注意点があります。

それは、調理中の匂いが家中に充満しやすいことです。

食事の匂いはとても美味しそうで刺激的ではありますが、次の日でも匂いが残っていることはストレスを感じます。なぜならば、家具や服にも臭いがついているからです。
特に揚げ物をしたり焼肉をした日には、あの油の匂いがいつまでも残っていたらちょっと出かけにくいですよね?焼肉臭い家にお客様を中に入れるのも嫌です……。

オープンキッチンはキッチンと部屋を遮るものが一切ありません。そのため料理で発生した匂いは部屋じゅうを駆け巡ります。
オープンキッチンだけでなく、吹き抜けなどになっている家では、家じゅうに臭いがまわります

このことについてはもはや、改善方法が見当たりません。オープンキッチンはまるで料理教室に通っているような気分にさせてとてもおしゃれです。どちらを優先するのかは人それぞれでしょうか。

③冷暖房費が鬼!リビング階段

リビング階段とは、文字通り家族が集まるリビングに階段があることです。リビングにあることで、家族同士の接触時間が増えると言うメリットがありますね

しかし、リビング階段は他の階もつながっているということなので、暖房かけても暖かい空気は上へと逃げていき、いつまでも寒いというデメリットがあります。 

スケルトン階段とか螺旋階段とか、様々な形がありそして今風でもありおしゃれですが、いつでも冷暖房はフルスロットルなので費用が大変です。

階段といえば、螺旋階段はおしゃれですね。しかし、先日の京都アニメーションでの放火事件でも話題になったように、火事の時には煙突になってしまいます。

家は長く住むためにも、センスより快適性・安全性を重視して間取りを決まることをおすすめします。

 

快適な間取りを追い求めて……

間取りの注意点を中心にご覧いただきました。
ここまでお読みいただき恐縮なのですが、「家は3回建てないと満足しない」と言われています

自分たちでどれほど熟考しようが、所詮は素人。いくら本を読み漁ろうが、Webに答えを求めようが、家を建てる土地は地域から方向から条件が全て違います。
「南向きのリビングの記事がうちと条件が一緒だ!参考にできる!」なんて鵜呑みにするのもおすすめしません。

なぜなら、あなたが狙っている土地の隣の家の屋根には古いソーラーパネルがあるかもしれません。
ソーラーパネルの反射はハロゲンヒーターのように暑いのです。情報では南向きのリビングで快適とあっても、巨大なハロゲンヒーターのせいで台無しになるかもしれません

一番失敗のない方法としては、設計事務所の方に土地を見てもらい、意見を聴きながら作ることです
ここで注意をするのは、特に深い想いはないのに「xxxは⚪︎側に欲しい」などと言わないことです。何気ない一言ですが、設計士は仕事です。仕事だから契約を逃すことはしません。「絶対にココに欲しい!」なんて言ったら、デザインが不便なまま固まってしまう可能性もあります。
あくまで、「あったらいいと思うけど、どう思いますか?」というスタンスで聞くのがいいでしょう。プロの意見を参考にすると失敗が少ないです。

 

まとめ

ちょっとしたことだけど、ずっと続くイライラの原因にもなる間取り……。下手をすると夫婦ケンカにも発展します。

間取りは、

  1. 部屋の大きさ
  2. 部屋の活用方法
  3. 部屋の利便性
  4. 解決が難しい問題がないか

以上の4点を注意して決めることをおすすめします。
そして、専門家である設計士にも意見も聞きましょう!

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