これからのくらしとAIスピーカー。Google、Amazon、Lineの3機種の特徴
「グーグル、電気をつけて!」なんて言葉で部屋の明かりがつく。それはモデルルームの出来事ではなく、だんだんと現実の世界の話となりつつあります。その証拠に関連する商品も少しずつコストが下がり、お手軽なアイテムに。そのAIスピーカーについて、人気の3社の製品を比較してみたいと思います。
暮らしをIoT化するAIスピーカーとは?
IoT(アイオーティー)とは『Internet of Things(インターネット オブ シングス)』、『モノのインターネット』をさします。今までインターネットに接続されていなかった車、建物、家電、その他の電子機器などの『モノ』がネットワークを通じて繋がり、相互に情報交換する仕組みです。
その代表的な電子機器として話題になっているのがAIスピーカー。AIスピーカーとはインターネット上(=クラウド上)にあるAI(エーアイ)すなわち『人工知能』に対応したスピーカーのことをいいます。インターネット上にあるAIに繋がりながらリビングテーブルにポンとAIスピーカーが置いてある、そんな風景がAIスピーカーの低価格化により、現実のものとなりました。
AIスピーカーで何ができるのか?
AIスピーカーで出来ることはとてもたくさんあります。その基本が、AIスピーカーに話しかけてるとそれに応え、所定の動作をやってくれることです。
「グーグル、今日の天気を教えて!」
と言えば
「今日の○○地方は晴れのちくもり、降水確率は30%、傘は必要ありません」
などとAIスピーカーが答える。こんな、人とAIスピーカーとの会話をTVCMで見たことがある方も多いでしょう。その他にも、スピーカー自身が音楽を流すのはもちろん、辞書的に言葉を調べたり、ニュースを読み上げたり、その種類は覚えきれないほどあります。
ちなみに日本では、AIスピーカーという名称をインターネット、雑誌などでよく目にします。ですが、世界的にはSmart Speaker(スマートスピーカー)と言うのが主流。Amazonでもスマートスピーカーと表現していますよね。
ここではわかり易いようにAIスピーカーと呼称しますが(笑
AIスピーカーで出来ること。Google、Amazon、LINEの3社商品を比較してみた
「ハイ、シリ!」と声をかけるスマートフォンはアイフォン、「OK グーグル!」はアンドロイド携帯のGoogle社のAIです。AIスピーカーにもいくつかの代表的なメーカーがあります。有名なところではAmazon(アマゾン)のecho(エコー)シリーズ、Google(グーグル)のGoogle Home(グーグルホーム)シリーズ、LINEのClova(クローバ)シリーズがあげられます。
ここではこの3社の製品の特長をそれぞれ見てみましょう。
ご存じの方も多いと思いますが、AIに命令を出すには「枕詞」が必要です。命令する言葉の頭にそのAIの名前が付くのが一般的。その言葉をウェイクワードと言います。
Amazon(アマゾン)のecho(エコー)シリーズ
AmazonはAIスピーカーAlexa(アレクサ)を搭載したエコーシリーズを販売しています。Amazon echo、echo plus、echo dot、echo spot、echo showと種類は豊富です。
【アレクサのウェイクワード】
- ・アレクサ
- ・Amazon
- ・エコー
【アレクサで出来る主な事】
- 音楽を流す(AmazonMusic)
- 情報検索
- 家電機器との連携
- AmazonFireTVでの音声コントロール
- Amazonでの商品購入
- ロボット掃除機ルンバのコントロール
- Cortana(コルトナ)のと連携
【アレクサの特徴】
アレクサの特徴は基本的なAIの機能、情報検索、音楽再生、家電機器のコントロールなどと関連して、Amazonの連携だけあってAmazonでのお買い物が可能なこと。また、音楽はAmazon musicとの連携、家電はテレビ AmazonのfireTVとの連携などがあげられます。AmazonのPrime会員となれば、お買いものの送料が2,000円以下無料、Amazon music、Amazon prime videoが見放題とお得感があります。Amazonの機能拡張と共に、これからもますます連携を強化していきそうですね。また、家電機器の連携は2018年現在ではロボット掃除機ルンバを動かしたり、Microsoft windows10の音声アシスタント機能Cortana(コルトナ)と連携してメールの確認、読み上げ、スケジュール確認などが出来ることが特徴としてあげられます。
ユニークな機能としては「アレクサ、赤十字で1,000円寄付をして」と依頼すると、Amazon Payで日本赤十字社へ寄付することが可能であること。ネット検索してどんな企業や機関と新たに連携を始めるのか調べてみるのも面白いかも知れません。
Google(グーグル)のGoogle Home(グーグルホーム)シリーズ
【グーグルホームのウェイクワード】
- OKグーグル
- ねえ、グーグル
【グーグルホームで出来る主な事】
- 音楽を流す
- 情報検索
- 家電機器との連携
- モニターでのYoutube再生などのコントロール
【グーグルホームの特徴】
グーグルホームはグーグルアシスタントというAIがスピーカーに搭載されています。「OKグーグル」はもうCMでおなじみですよね。スマートフォンで問いかけるあのグーグルアシスタントと同様のAIがスピーカーに搭載されています。検索プラットフォームならAmazonやLINEをはるかにしのぐ優秀さを備えています。
グーグルアシスタントは最大で6人の声を認識する機能がついていて、この機能は今回ご紹介する3社のAIスピーカーではグーグルホームだけが持つ機能になります(2018年現在)。声の認識を可能にしたことで、「OKグーグル、僕のスケジュールを教えて」とそれぞれの声の持ち主のスケジュールを教えてくれることなどが出来ます。
Chromecast(クロームキャスト)が内臓されているモニターと連携すると、声だけでYoutubeなどの動画再生が可能となるのもグーグルアシスタントの特徴です。ボリュームの上げ下げ、チャンネルの変更などハンズフリーで行うことが出来ます。また、AmazonとグーグルはAIスピーカーで競合関係にあるので、AmazonのFireTVではYoutubeが再生出来ない時期もありましたが、2018年現在は再生可能になっています。ちなみに、アレクサにグーグルアシスタントのことを聞くと「そんな噂を耳にしたことがあります」と、かなりそっけない対応です(笑
LINEのClova(クローバ)シリーズ
あのスマートフォンアプリで有名なLINEが販売しているAIスピーカーがクローバになります。
【クローバのウェイクワード】
- Clova(クローバ)
- Jessica(ジェシカ)
【グローバーの特徴】
ジェシカはLINEアプリを使用している人でおわかりの方もいるかも知れません。白黒の猫の名前です。白いうさぎのコニーのお友達ですね。他にも茶色いくまのBrown(ブラウン)と黄色のひよこのSally(サリー)のカラーリングで顔がついたAIスピーカー、Clova Friends BROWN・SALLYがあります。
クローバの特徴はLINEが販売しているだけに、LINEのトークを音声で送信出来て、送られてきたLINEトークを読み上げることが出来ます。音楽再生はAmazonエコーシリーズやグーグルアシスタントに比べると音質、楽曲バリエーション共に少し劣りますが、クローバは前述したブラウンとサリーだとハンズフリーでLINE電話をすることが可能になりました(2018年現在)。他のAIスピーカーと異なり内臓バッテリーで持ち運びが自由なので、Wi-fi環境が届く範囲であればどこでも使用することが出来ます。
AIスピーカーのメリット・デメリット
どんどん可能性が広がるAIスピーカーですが、そんな可能性も含めたうえで、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
AIスピーカーは音楽再生、情報検索はもとより、家電機器との連携においてその進化には目を見張るものがあります。「OKグーグル、リビングの電気をつけて」、「アレクサ、エアコンのスイッチを入れて、暖房の温度を下げて」など、くらしとAIスピーカーがつながる環境がどんどん増えつつあります。他にもTV、パソコン、炊飯器、車のナビとその範囲は留まることを知らず、くらしがどんどん便利になり、生活が豊かになる点がAIスピーカーの最大のメリットでしょう。
逆にデメリットとしてあげられるのは、その進化スピードがとても速く、経済的にハードを揃えていくのが難しい点です。2018年現在、炊飯器、テレビ、エアコンなど様々な家電製品がwi-fi設備を備え、IoT家電としてネットワークに接続出来るよう進化していますが、5年、10年前の家電を使用している場合、その家電をネットワーク環境に組み込むことは難しいのが現状です。もちろん、簡単な家電のスイッチング動作などは外付けアダプターを購入すれば可能となっていますが、「除湿機の電源を入れて」に対応してニョキッとスイッチのボタンだけ押すアダプターではちょっと物足りませんよね。
これからのくらしとAIスピーカー
どのAIスピーカーにもそれぞれ良いところがあり、生活に新しい潤いが生まれます。これからマイホームを検討している方は、積極的にIoT家電を取り揃えるのも良いでしょう。そしてまずは意外と身近になりつつあるAIスピーカーに触れて、少し進化した新しい生活を手に入れてみませんか?