賃貸物件で水漏れを起こしたときの対処方法4ステップ&使える保険
賃貸物件で水漏れを起こしてしまったら、まずは何から手を付ければ良いのでしょう? 賃貸マンションや賃貸アパートで水漏れを起こした場合、自分の所有物件ではないからこそ注意しなければいけないことがあります。また、対処方法は水漏れの原因によっても異なるため、注意が必要です。
そこで、今日は賃貸物件で水漏れを起こした場合の対処方法を4つのステップに分けて解説します。水漏れの損害に使える保険についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分の部屋が水漏れを起こした場合の対処方法
では早速、1つ目のステップから紹介します。
ステップ1.まずは水を取り除き、被害を食い止める
水漏れが起こった場合、階下の住人や管理人などから直接クレームが入るか、管理会社もしくは大家から連絡が入るか、のどちらかであなたの部屋から水漏れが起こっていることを知る可能性が高いです。もし水漏れの原因に心当たりがあればすぐに水を止め、あふれた水を取り除きましょう。
蛇口を閉めても水が止まらない場合は、止水栓を閉めるか、部屋ごとに用意してある水道の元栓を閉めます。被害が大きくならないよう、迅速に対応することが大切です。
ステップ2.管理会社(大家)へ連絡する
続いて、管理会社または大家へ連絡を入れます。管理会社へ連絡すれば、水道業者や電気会社の手配やクレームの対応をしてくれるはずです。
管理会社が営業していない時間に水漏れが起こった場合は、緊急であれば自分で水道業者へ連絡を入れます。たとえば、止水栓や元栓を閉めても水が止まらない場合や、どこから水が漏れているかが分からなくて被害を食い止められない場合などは、自分で業者を手配しなければいけません。
ただし、水道業者ならどこでも良いというワケではないので注意が必要です。
賃貸マンションや賃貸アパートには、それぞれ指定の業者があります。指定業者の連絡先は水道の近くに貼ってあるケースが多いので、まずはシールや紙が貼ってあるかどうかを見てみましょう。もしどこにも貼ってなければ、契約の際に渡された書類を見てみてください。
どうしても指定業者が分からない場合は、すぐに来てくれそうな水道業者を選んで手配します。
ただし、これはあくまで緊急時のみの対処方法です。通常は、修理を依頼する前に必ず大家の承諾を得なくてはいけません。ひとまず被害を食い止められたなら、管理会社の営業開始まで待ちましょう。
ステップ3.「原因」と「責任の所在」を特定する
次に行うのは、「原因」と「責任の所在」を特定することです。
水漏れには、主に2つの原因があります。1つは、家電の故障や不注意による水漏れ。もう1つは、設備の経年劣化です。
家電の故障や不注意による水漏れが起こった場合、その責任は住人にあります。
たとえば、
- お風呂のお湯を止め忘れて部屋までお湯があふれ出た
- 洗濯機の排水ホースが外れていた
- トイレの詰まりが原因で水があふれた
などは、代表的な水漏れの原因です。
乾燥機能が付いたドラム式洗濯機の場合は、糸くずやホコリ、女性用パッドなどが洗濯機の排水に混ざって流れ、配水管を詰まらせてしまうケースもあります。
また、水を出しっぱなしにしている状態で蛇口から給水ホースが外れてしまうケースもあるため、洗濯機の使用方法には注意が必要です。給水ホースが外れる原因としては、地震や子どものいたずら、出しっぱなしにした水の圧力などが考えられます。
もちろん、これらの漏水事故は本人がわざと起こすワケではありません。ですが、住人の使用している家電や不注意が水漏れの原因になった場合は、水漏れを起こした住人の責任となりますので注意しましょう。
反対に、設備の経年劣化が原因で起こった水漏れは大家の責任です。
経年劣化による水漏れの原因には、
- 配水管や給水管などの腐食、劣化
- 防水設備の劣化による雨漏り
- 外壁の亀裂
などがあります。
自分の不注意や家電が原因でない場合、水漏れの原因は設備にある可能性が高いです。水漏れの原因が分からなければ責任の所在も特定できませんので、しっかりと調査してもらいましょう。
ステップ4.保険の内容を確認・請求する
最後に行うのが、加入保険の確認および請求です。
水漏れの責任が自分にある場合、損害を補償してくれる保険に加入していないか確認してみてください。
・他人への損害を補償してくれる保険
自分の起こした水漏れによって階下の住人へ損害を与えてしまった場合、損害を補償してくれるのは個人賠償責任保険です。
個人賠償責任保険は特約として加入保険に付けるのが一般的ですので、火災保険や自動車保険などに個人賠償責任特約を付けていないか確認してみましょう。子どもがいる人は、PTAの総合保障制度にも特約として付いている可能性もあります。加入した覚えのある人は、加入者票を確認してみてください。
・共用部分や室内の設備を補償してくれる保険
賃貸マンション・賃貸アパートの共有部分や、自室の壁紙・フローリングなどに対する損害を補償してくれるのは、借家人(しゃくやにん)賠償責任保険です。
原則として、賃貸借契約では借りた部屋を借りたときの状態にして返すこと(原状回復義務)を前提としています。つまり、水漏れによって壁紙やフローリングを損壊した住人は、その部分を修復する義務があるということ。そんな損害賠償に役立つのが、借家人賠償責任保険です。
借家人賠償責任保険は火災保険に特約として付けるのが一般的ですので、火災保険の証券を確認してみましょう。
・自分の損害を補償してくれる保険
自分に責任がある水漏れでも、自室の家電や家具などの家財に対する損失を補償してくれる保険があります。
自分の家財に対する損害を補償してくれるのは、火災保険です。ただし、当然のことながら、家財に対する補償を火災保険に付けていなければ家財への損害は補償されません。
また、水漏れの原因によっては補償の対象外となっている可能性もあります。保険内容は商品によってさまざまですので、まずは保険証券をしっかり確認しましょう。
まとめ
今日は、賃貸物件で水漏れの事故を起こしてしまった場合の対処方法を4つのステップに分けてお伝えしました。個人賠償責任保険は、補償額の割に安く付けられるオトクな特約です。今回は大丈夫だったからと安心せず、加入していない人は万が一に備えて加入しておくことをオススメします。