確定申告で住宅ローン控除を受ける流れ・方法・必要書類などを解説

新築か中古かを問わず、住宅を取得した年度は住宅ローン控除を受けられます。また、住宅の取得以外にも住宅ローン控除を受けられる要件がいくつかありますので、確認しておくことが大切です。住宅ローン控除を活用すれば、払い過ぎた所得税を還付してもらえるかもしれません。

そこで、ここでは確定申告で住宅ローン控除を受ける流れや必要書類について解説します。住宅を購入したりリフォームしたりした方は、ぜひ参考にしてください。


住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。これは、新築や中古の住居を購入した場合や、バリアフリー化や省エネ化をした場合などに所得税を控除できる制度です。

具体的には、年末時点のローン残高に応じた控除を受けられます。控除額の上限は、年末時のローン残高×1%です。

住宅ローン控除を受けるための条件には、

  • ローンの返済期間が10年以上
  • 年収3,000万円以下
  • ローン残高が4,000万円以下(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅は5,000万円以下)
  • 床面積50平方メートル以上
  • 床面積の2分の1以上が自分の居住スペース

などがあります。

床面積の考え方や住宅ローンの返済期間などについて詳しく知りたい人は、こちらのサイトでご確認ください。
▷『No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

住宅ローン控除による還付金シミュレーション

それでは早速、住宅ローン控除でどの程度のお金が返ってくるのかをシミュレーションしてみましょう。

年末時のローン残高が3,000万円だった場合、計算式は次の通りです。

3,000万円(借入金)×1%=30万円(控除額)

ただし、納めた所得税額を超えた金額については還付されません

例えば、20万円の所得税を納めていた場合、還付される金額の上限は20万円です。この場合は10万円を損した気持ちになるかもしれませんが、所得税額よりも住宅ローン控除額の方が大きい場合は、差し引いた額を翌年の住民税から控除できます

住宅ローン控除の適用要件

住宅ローン控除を受けられるのは、新築や中古の住居を取得したときだけではありません

住宅ローン控除を受けられる要件は、実にさまざまです。要件を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

  • 住宅を新築した
  • 新築住宅を取得した
  • 認定住宅を新築した
  • 中古住宅を取得した
  • 増改築などをした
  • 要耐震改修住宅を取得し、耐震改修をした
  • 耐震改修工事をした
  • 耐久性向上改修工事をした
  • バリアフリー改修工事をした
  • 多世帯同居改修工事をした
  • 省エネ改修工事をした
  • ローンを組んでバリアフリー改修工事をした
  • ローンを組んで多世帯同居改修工事をした
  • ローンを組んで省エネ改修工事をした
  • 災害で住居に住めなくなった

住宅ローン控除を受ける流れ

住宅ローンを受ける流れは、次の通りです

  1. 勤務先から源泉徴収票を入手
  2. 住宅ローンの年末残高証明書を金融機関から受け取る
  3. 登記事項証明書など必要書類を準備する
  4. 確定申告する
  5. 指定の口座へ還付金が振り込まれる

確定申告の期間は決まっているため、必要書類は早めに用意しましょう

確定申告の方法


確定申告とは、毎年1月1日~12月31日までに得た収入を基に所得税を計算し、不足分を納付したり納めすぎた所得税の還付を受けたりする手続きのことです。

ここからは、住宅ローン控除を受けるために必要な確定申告の方法を詳しく見ていきましょう。

確定申告の期間

確定申告の期間は年度によって多少前後しますが、2月15日~3月15日あたりです。不測の事態に備えて、3月初旬の完了を目標に準備しましょう

なお、2019年度分の確定申告期間は2020年4月16日(木)までとなっています。

確定申告をする場所

確定申告の手続き方法は、「持参」「郵送」「インターネット手続き」の3つです。

次のいずれかの方法で手続きしましょう。

  • 確定申告書や必要書類を税務署窓口へ提出
  • 確定申告書や必要書類を税務署に郵送
  • 税務署の確定申告書作成コーナーでe-taxを使い確定申告書作成・申請
  • 国税庁のサイトから確定申告書を入手し、記載して税務署に郵送
  • 国税庁のサイト上で確定申告書を作成し、印刷して税務署に郵送
  • 国税庁のサイト上で確定申告書を作成し、インターネット(e-tax)で申請

確定申告書は、税務署に直接取りに行くか、国税庁のホームページ上で作成したものを印刷します。

また、確定申告を手続きする場所は、お住まいの地域を管轄する税務署です。国税庁のウェブサイトでも、税務署の所在地や連絡先を調べられます。
▷『国税局・税務署を調べる|国税庁

確定申告の必要書類

住宅ローン控除を受けるために必要な確定申告の書類を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

書類 入手方法
確定申告書 税務署or国税庁のホームページ
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署or国税庁のホームページ
本人確認書類の写し(いずれか)

  • マイナンバーカード
  • マイナンバー通知カードまたはマイナンバー記載の住民票
自治体の役所
写真つきの本人確認書類(いずれか)

  • 運転免許証
  • パスポートなど
所定の手続きを経て取得したもの
建物・土地の登記事項証明書 法務局
建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し 不動産会社と契約時に作成したもの
源泉徴収票 勤務先
住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書 金融機関から送付される

2年目以降は年末調整で手続きできる

2年目以降の住宅ローン控除を受ける場合、サラリーマンであれば年末調整で手続きできます。(※自営業者は2年目以降も確定申告が必要です)

ここからは、年末調整における住宅ローン控除の手続き方法を詳しく見ていきましょう。

手続きの方法

年末調整とは、源泉徴収額と実際に納めるべき所得税額との過不足を計算する制度です。納めるべき所得税額が源泉徴収額よりも少ない場合は、納めすぎた分が還付されます。

サラリーマンが住宅ローン控除を受けたい場合は、「住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書」と「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼証明書」を勤務先に提出しましょう。住宅ローン控除を踏まえて納めるべき所得税額を計算したり、国に申請したりする手続きを、従業員の代わりに勤務先がしてくれます

必要書類

続いて、先ほど紹介した2つの書類について詳しく見ていきましょう。

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼証明書

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼証明書」は、確定申告をした年度の10月頃に税務署から送付されます。

2回目の住宅ローン控除を含めて9回分の書類が送られてきますので、毎年の年末調整時に勤務先へ提出しましょう。

住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書

「住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書」は、毎年10月頃に金融機関が対象者に送付します。

必ず年末調整に間に合うように送られてくるとは限りませんが、翌年の1月31日までに勤務先へ提出すれば年末調整の再計算ができます。2月1日以降に送られてきた場合は年末調整の再計算ができないため、確定申告をしましょう。

このように、年末調整までに「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼証明」が送られてこなくても住宅ローン控除は受けられますので、安心してくださいね。

まとめ

住宅ローン控除は、住居の購入やリフォーム、耐震工事など、さまざまなケースで受けられます。自動計算ではないため、初年度は必ず確定申告をしましょう。サラリーマンであれば、2年目以降は年末調整で手続きできます。住宅ローン控除はメリットが大きい制度のため、忘れずに手続きすることをおすすめします。

加藤 良大

加藤 良大

投稿者プロフィール

歴8年の専門記事ライター。不動産記事の執筆本数は500本を超える。不動産売却や税金の話、相続やM&Aによる不動産売買に関する記事を執筆。誰が読んでもわかりやすく、すべての疑問を解決できる記事の執筆を心がけています。

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