限られた部屋を有効に使う。書斎か?子ども部屋か?それぞれの選択

マイホームを購入した場合で、賃貸で部屋を借りた場合でも、部屋をどのように使うかは非常に頭の痛いところです。
部屋数は限られていて、子供部屋に使うのか? はたまた、書斎(または趣味の部屋)に当てるのに頭をいためている方も多いことと思います。
そこで、4家族がやっている色々な例を見ながら、それぞれの言い分をまとめてみました。

 

部屋数は足りなくて当然。それをどう工夫して使うかが問題だ

あなたがお金持ちでない限り、部屋数は限られ、その使い道に頭を痛めるのは当然です。どんなにお屋敷に憧れても、自宅の部屋が増えるわけでもなく、快適に暮らすにはあきらめと工夫が欠かせないでしょう。でも、その先にあるのは、家族団らんの幸せ。「じゃぁ、喜んで工夫もしようじゃないか!」という方も多いのかもしれません

ファミリー世帯が選択する物件としては、3 LDK または4 LDK ぐらいが多いのでしょうか。もちろん、2LDKを選択する(選択せざるを得ない)方もいるでしょう。

仮に、3LDKだったとして、 LDK は家族団らんの部屋、残る3部屋のうち1部屋は主寝室。子どもが小さい頃は、家族全員で寝る部屋かもしれません。

残りは2部屋。子どもが1人であれば、子供部屋と書斎という選択肢も出てきます。ところが、子供が二人。しかも、男女別となると急に選択肢がなくなります。子どもが小さい頃は同じ部屋でも問題はないのかもしれませんが、年頃になれば分けてあげたいもの。こうなると書斎や仕事部屋はあきらめるしかありません。ところが、最近は在宅勤務をする人も増えてきて、書斎として使える部屋・・・とは言わないまでも、誰にも邪魔されないスペースは確保しておきたいというのが本音でしょう。しかも、仕事そのものはパソコンでやっても、資料は紙ベースであることが多く、その保管場所も考えると悩みはますます深くなります。

では、どうしたらいいのでしょうか。

いくつかの例を見ながら、子供部屋と書斎事情を探ってみましょう。

 

それぞれの部屋の使い方。3家族の実例を紹介

まずは、3家族の実例をあげてみます。悲劇的なものから、なるほど・・・というものまであります。

 

お父さんの趣味の部屋は誰のもの? 子どもの成長とともに謎展開が起こった

A さんのお宅は、子どもが小さい頃に3 LDKのマイホームを購入。6歳違いのお兄ちゃんと妹がいます。 夫婦仲は決して悪いわけではありませんが、子どもの年齢が離れていたこともあり、生活パターンに合わせ、お父さんと息子、お母さんと娘が、それぞれに寝るというスタイルが確立されました。そして、残る1つの部屋は、自然と「お父さんの部屋」となっていました。お父さんの趣味はプラモデル。過去に制作した物も多く、それを幼い子どもたちに触らせないために、自然にお父さんが使うようになって行ったそうです。

上の子が小学校高学年になると、父親が同じ部屋にいることを嫌がるようになります。反抗期は当然であり、「いつまでも親離れしないよりはマシ」と言い、お父さんはそのまま趣味の部屋にお引っ越し。問題は、下の子が中学生になったときに起こります。「私もひとりの部屋がほしい」と言いだしたのです。

さて、この家族がくだした決断は?

お兄ちゃんは、すでに自分の部屋をもっているので、これを取り上げるわけにはいきません。そのため、子供達の部屋はそれぞれに与えるべきとの決断に。趣味の部屋はすでに多くのプラモデルが並んでいて、夫婦の布団を敷くスペースはなし。しかも、お父さんは「プラモデルは死守したい」と言い出します。さらに、お母さんは「朝早くに職場に行きたい」と言いだし、そのために夜早く寝ることになりました。いろいろな事情が重なった結果、お父さんの趣味の部屋はそのまま存続。ただし、そこに寝るのはお母さん。お父さんの部屋というのは、あくまでも名目上の話となりました。あくまでも趣味のプラモデルが置いてあるというだけ。そして、夜更かしをしがちなお父さんは、リビングの片隅に布団を敷いて寝ることに。

この夫婦の望みは、仕事でも結婚でもいいから、とにかく早く子どもが独立してくれること。決して仲が悪い家族というわけではないのですが、お部屋事情としては、かなり苦しいものとなってしまいました。

 

在宅勤務が増え、リビングに仕事”部屋”をつくる大胆発想

次に紹介するのが、子どもが1人のBさん。結婚してすぐ、かなり広めなダイニングのあるマンションを購入しました。部屋は2つ。結婚したときから、子どもは一人と決めていたので、2 LDKで十分だと判断したそうです。

ところが、予想外のことが起こります。旦那さんの会社の方針で在宅勤務が多くなり、週に2~3回は自宅でリモートワークをすることに。しかも、テレビ電話を多用するため、夏休みともなると広いリビングはうるさく、雑然としていることに抵抗が出てきます。

そこで、この家族はリフォームをすることを決意します。仕事に集中できるスペースを確保するため、広かったダイニングに書斎をつくったのです。しかも、「家族やテレビが聞こえてこないスペース」を希望した旦那さんが選んだのは、小さな小屋。1畳ほどのスペースに机とイスのみを入れました。もちろん、ドアがついています。奥さんは、「せまくて、絶対に入りたくない」と言いますが、旦那さんにとってはその小ささが心地よいらしく、快適に仕事をしているとか。あまりに小さいスペースのため、資料などを置くスペースもなく、結果的にペーパーレスも進むというありがたい状況にもなっているとか。「問題は、家に人を呼んだときにトイレと間違われる」ことのみだそうです(笑

 

子ども3人でも仕事部屋を確保。リビング学習でプラス効果も

こちらは立派な書斎を持った例です。仮にCさんとします。3 LDKの家で、子どもは3人(全員男の子)。当然、3人の部屋を持たせることは最初から考えていなかったそうです。書斎がある理由は、お父さんが自営業で、自宅で作業をしたほうが効率がよいから。事務所を別で持っていますが、半分は自宅作業をしているそうです。

では、どのようにしているのでしょうか。まず、1部屋は子供の寝室です。6畳の部屋に布団を3枚敷くと、もうそれでいっぱい。「勉強机はおけない」とのことで、オモチャを収納する棚を置いているだけです。

勉強については、リビング学習を採用しました。今でこそ、「リビング学習」をしている子がたくさんいますが、当時は「子ども部屋がある方が自立心が養われる」と言われていたそうで、「可愛そうな子だったのかも~」と笑って言います。

最初はダイニングテーブルで勉強していたそうなのですが、教科書やノート3人分は相当な量だったために専用の机を作ることに。奥行きが狭い(40センチほど)長い机をダイニングの壁際に設置し、勉強はその場所で、食事はテーブルでと明確なルールを作ったそうです。

今では一番上の子は成人し、次男は大学生、三男は大学受験。今でも並んで勉強したり、雑談したりしているそうです。自然に上の子が下の子に勉強を教える環境になったこともよかったとのこと。ちなみに、お父さんの書斎(仕事部屋)に子供達が入ることは一切なく、そこはお父さんの天国。掃除も自分でやるため、お母さんですら入ることはほとんどないそうです。ちょっと羨ましいかも。

 

リビング学習のメリットとデメリット

リビング学習というキーワードがでてきたので、少し説明しておきます。

リビング学習」とは、子供部屋で勉強するのではなく、リビングなど、大人の目の届くところで勉強するというもの。そこには、テレビがあってもよく、他の家族が「勉強しているから」と気を遣いながら暮らす必要もないというものです。大人がカフェで集中力が増すように、子どもも集中力が増すのかもしれません。

なにより、親の目の届くところで 勉強することで、さぼったり漫画を読んだりということがないため、勉強効率が上がるということ。そういえば、幼い頃はダイニングテーブルで勉強しているお子さんが多い分けで、そのままそれを習慣化させるということです。むしろ何時からテレビが見たいからそれまでに勉強を済ませるなどということができており決してリビング学習が集中力を欠かせたり勉強時間を短くしたりすることはないように感じます。

前出のCさん曰く、「夜にテレビを見たいから、今のうちに勉強をしておく」という発言が普通にでているとのことでした。

その一方、デメリットと言われていることもあります。それは「勉強に気を遣ってくつろげない」とか、「見たいテレビが見れない」などということではないのが面白いところ。なんと、「部屋が汚れる」ということのようです。勉強道具は意外に多く、さらにその場に長くいれば様々なものが増えていきます。気が付くと勉強道具とおもちゃのすべてがその場に溜まっていき、常にリビングが汚れているという点をデメリットに上げる人が多いとのこと。

でも勉強時間に影響が出ないことはいいことです。勉強時間を確保できないと悩むより、部屋を片付けようという悩みごとの方が簡単にクリアできそうですよね。興味のある方は、ぜひリビング学習に切り替え、大人は書斎を手に入れてください。

*突然、リビング学習を取り入れるとテレビ問題などもあるそうで、習慣化が大切なようです。

 

共有の集中部屋をつくって、仕事や勉強はそこでやるメリハリ生活

さて、最後にあげるのは、さらに珍しいパターンかもしれません。家は3 LDK で、子供は4人。当然、子ども部屋を作ることはできず、書斎をつくるスペースもありません。

それでは、どうしているのでしょうか?

このお宅では、家族で「集中室」と呼んでいる部屋があります。4.5畳のこの部屋には、大きなテーブルが1つ。他にあるのは、小さな本棚がひとつのみ。まるで会議室のような殺風景な部屋なのですが、それもそのはず。ここは勉強と仕事をするための部屋で、一切の遊びは禁止なのです。一人の時は遊んでもいいのですが、他に使いたい人がいれば、すぐに明け渡さなければなりません。

また、私物を置くことはほぼ禁止されていて、本棚に辞書は置いてあるものの、他はわざわざその部屋に自分の道具を持って行き、仕事や勉強が終わればまた自分のスペースにそれを持ってかえるというシステム。誰かに見られながら仕事をするためサボることができません。そのため、非常に短い時間で集中的に仕事や勉強をすることが習慣化され、効率は上がるそうです。

部屋を分けるという発想から、みんなで効率よく使うにはどうすればよいかという発想からでてきた使い方。通常であれば、子供部屋どうするか、書斎はどうするかという発想になりがちですが、ちょっと角度を変えると、いろいろな使い方があるようです。

 

まとめ

皆さんも固定観念に縛られず、自由な発想で部屋の使い分けを考えてみてはいかがでしょうか。
部屋を分けてしまうことで、子供が年頃になれば交流が減ります。部屋の使い方を変えることで、いつまでも交流できる家族という発想もありかもしれません。皆さんも、いろいろ考えて、自分たちの考えに一番あった使い方をあみだしてみてはいかがでしょうか。

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