【連載】先行き不透明な今こそ、費用対効果の高い工事で保有物件の価値を高める

  • 2020/7/20
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(株)アートアベニューの片平と申します。弊社は首都圏の賃貸物件約6700戸をオーナー様からお預かりし、不動産管理に経営者思考を取り入れた「プロパティ・マネジメント(不動産経営管理)」を行なっている不動産管理会社(PM会社)です。本連載では、PM会社ならではのノウハウ、業界のリアルな裏話などをご紹介していきます。

先行きが見えず、次の一手が打ちにくい不動産市場

スルガショックにコロナ禍と、このところ不動産投資市場にはネガティブな材料が続いています。銀行融資が引き締まったことで、物件価格が大きく下落するのではないかと待ち構えている投資家も多い状況ですが、東京の収益物件価格は今のところ、それほど下落していないようです。

表1は、大手不動産投資情報サイト「楽待」の提供情報を基に作成したものです。1棟マンションでは利回りが上昇(価格が下落)傾向ですが、一棟アパートと区分マンションは横ばいの水準です。期待する「お買い得!」な価格までは今一歩というところですね。

費用対効果の高い人気設備の導入を

こういう時は、所有物件の価値を磨き直しながら「いざ」というときに備えましょう。表2は全国賃貸住宅新聞の「人気設備ランキング」、その中からリニューアル時に導入できる項目を抜粋し、独自に導入コストと賃料アップ効果を付け加えたものが表3です。

記載している導入コストと賃料アップ効果は地域や入居者層、あるいは競合物件の状況によって異なりますので、あくまで目安ですが、弊社が過去25年間、延べ数万件の賃料査定を行ってきた経験を踏まえたものですので、ご参考にしていただける値かと思います。

【表2】

【表3】

最も費用対効果が高かったのは、人気設備ランキングでも首位の「インターネット無料」です。昨今のテレワークブームも追い風となり、今後も高い人気を維持すると思われます。

オートロックも人気の設備ですが、本体に加えて外構工事等も必要となるため導入コストがネックです。ただし、共用設備への投資は戸数が増えるほどスケールメリットが発揮されますので、規模が大きく、外構工事の必要な開放部分が少ない物件であれば、コストパフォーマンスを最大限に引き出せるでしょう。

また、最近人気の宅配ボックスは、それが入居の決め手になるとまでは言えず、賃料アップ効果は小さめです。しかし、過去のTVモニター付きインターホンがそうだったように、宅配ボックスもこれからは必須設備になりそうですし、導入コストもお手軽でお勧めです。

追い炊き機能は、ファミリー向けの物件であれば検討したいところです。プロパンガス会社によってはリニューアル工事に協賛してくれることもありますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

【お金を掛けずに物件価値を高めるアイデアも】

最後に、ほぼお金をかけずに「物件価値」を高める方法もひとつご紹介しましょう。なんと、2~3万円のコストで敷地に白線を引くだけ、という方法です。

共用部や無料駐輪場の一部に空きスペースはありませんか? もしあるなら、白線を引いて有料の駐車場やバイク置き場を設けてみましょう。借り手が付けば新しい収入となって費用対効果は抜群。駐車場(賃料1万円)1台とバイク置き場(賃料3000円)を1つずつ設けられれば、それだけで15.6万円の年間収入アップです。

また、考え方次第では、『借り手が見つからなくても白線を引いた時点で』物件価値が上がったといえます。というのは、収益物件を売却する場合、その市場価格は一般的に「収益還元法」によって、「満室想定賃料÷還元利回り」という計算式で算出するからです。

もし、この物件が市場では表面利回り10%で取引されているなら、駐車場等の増設によって物件価値は156万円上昇することになります。

 <収益還元価格>
(駐車場1万円+バイク置き場3000円)×12ヵ月÷利回り10%=156万円

2~3万円が156万円になるなら、やらない手はありません。実際にこの方法で物件を高く売却できた事例もあります。お金を掛けなくてもアイデア次第で物件価値を高めることはできるのです。

株式会社アートアベニュー
プロパティマネジメント(不動産経営管理)の草分け的存在として業界からも評価される不動産管理・コンサルティング会社。日常の経営管理業務のみならず、オーナーの投資目標に合わせた売買・組替相談、不動産財務分析、建築企画、相続支援等もおこなう。代表の藤澤雅義氏は、日本でのCPM®(米国不動産経営管理士)を認定するIREM JAPANの2003年度会長。http://www.artavenue.co.jp/

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