お部屋探し、入居中トラブルでも言い過ぎは厳禁!賃貸物件で良好な関係を保つためには?

  • 2019/7/14
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不動産会社を通して賃貸物件を探されたり、不動産会社を通して建物・設備クレームを家主さんに連絡したり、退去時も不動産会社を通したりと、お客さんとの付き合いが長くなるので不動産の賃貸業界は「クレーム産業」とも言われます。良好な関係を長く築くなら言い過ぎは厳禁です。

その理由を説明した上で、上手な言い方を教えます。

 

お部屋探し中に、営業マンのヤル気を無意識に削いでしまう言葉とは?

どの物件を決めるかどうかはお客さんの自由です。しかしながら、不動産会社もボランティアではありません。決める気がないお客さんには、親切にしてあげたくてもできないのが現状です。

1番多いパターンは「いつ住むかはわからないけど、とりあえず見せて」というお客さんです。

そもそも決める気が無い場合は、業務的な応対をして帰って頂きます。もちろん理由があり、賃貸物件の情報は目まぐるしく変化するので「とりあえず見る」ことに意味がないからです。見てしまうとデメリットが発生することもあります。

たとえばAという物件が5万円の家賃で、あなたの希望の物件だったしましょう。しかし、今決めなければ翌月には別なお客さんで決まっている可能性が高く、不動産会社としてはあなたに使った時間が無駄になってしまいます。あなたが気に入ったのですから、当然に気に入る人も他にいます。
今決めなかったことでA物件にリフォームを入れる話が進んでいるかもしれません。リフォームが入れば他のお客さんとの競争率は上がりますし、家賃も上がってしまう可能性があります。A物件の所有者や管理会社が変わることも考えられ、入居の条件・家賃・初期費用が大幅に変更されるかもしれません。

そうなった場合、「決めておけば良かった」という気持ちと同時に、「もっと良い物件を探そう」と思うのがお客さんの心理です。良い物件を探したい気持ちはわかるのですが、自らハードルを上げてしまいます。
「良い物件・部屋があったら決める」という姿勢で話を進める方が、不動産会社の営業マンも熱心に話を聞いてくれます。

稀にですが「来年引っ越すので部屋を探している」という方がいます。

上記で説明した通り、今案内する意味がないので業務的な応対だけ行い、丁重にお帰り頂くしかありません。

 

部屋を決めるときの交渉は慎重に

お客さんの都合によって、入居前に交渉することの多いものが家賃です。
家賃交渉には色々な手法がありますが、単なる値下げ要求は「交渉」ではなく「値切り」です。これを履き違えているお客さんが多く、失敗するとデメリットが生じる恐れがあります。

【失敗例①】 決める気持ちが不十分な交渉

お客さん 「家賃3,000円下がるのですか?」
不動産会社「もしもし、家主さん、家賃が3,000円下がる可能性はありますか?」
家主さん 「考えておきます」

1番大事なことは「その条件であれば今すぐ決める」という意志です。お客さんが目の前で決めようとしている状況が、家主さんがOKしてくれ易い状況となります。
家主さんに時間を与えることで「家賃を3,000円下げる代わりに○○の条件を了解してもらえますか?」と考える時間を逆に与えることになります。

【失敗例②】 単なる値切り

お客さん 「家賃3,000円下がったら決めます」
不動産会社「わかりました。 もしもし、家主さん、物件を大変気に入られたお客様がいるのですが、家賃3,000円下がりますか?」
家主さん 「無理です」

これで会話が終了してしまいます。一度断られると再度の交渉は難しくなりますので、交渉に入る前には数パターンの条件を準備しておきましょう。
また、家主さんの要望を先に聞いておくのも1つの方法です。それらを準備しておけば「家主さんの○○の要望は了承しますので、お客さんの○○の要望には応えて頂けますか?」と切り返すことができます。

さらに、度が過ぎた交渉は厳禁です。交渉が失敗すると家賃が下がらないどころか、家主さんの機嫌を損ねて入居そのものを断られる可能性があります。交渉をするからには、リスクも考えた上で行いましょう。

 

入居中のクレームの言い方には注意が必要

住んでいれば色々なことが起きます。設備のエアコンが動かない、蛇口から水漏れがしている、トイレの水が流れたまま止まらないなど、お客さんの使い方が悪い場合を除いて、建物上の不具合であれば家主さんが直してくれるのが賃貸の良いところです。
その際、不動産会社を通して入居したのであれば、お客さんから不動産会社に連絡をして直してもらいます。言い方ひとつで関係がこじれることもありますので注意してください。

【失敗例①】 無理な言い方をする

お客さん 「台所の蛇口が水漏れしているので直してください。今日の午前中しか時間がありません。」
不動産会社「まずは家主さんに連絡を入れます。」
お客さん 「時間がないから急いでください。家賃払っているでしょ?」

不動産会社はあくまでも仲介業者です。所有者である家主さんの許可がなければ、動くことが基本的にできません。家主さんによっては指定の業者がいることもありますので、生活できないほどの緊急を要する場合でない限り、不動産会社が勝手に発注をすることはできません。まずはそれを理解しましょう。

お願いする際にも、先に日時の候補をいくつか伝えることでスムーズに進めることができます

【失敗例②】 上手く伝えられていない

お客さん 「エアコンが動きません。」
不動産会社「室外機は動いていますか?」
お客さん 「室外機とは何ですか?」
不動産会社「一度見に行きます。」

若い男女、特に女性に多いのですが状況を電話で伝えられないケースがあります。「エアコンが動かない」と連絡を受け、実際に行ってみたら「エアコンは動いているが冷風が出ない」という状況だった経験もあります。状況によって発注内容や金額が大きく変わるので、それらも含めて家主さんに連絡しなければいけません。判断できない場合は不動産会社が一度見に行かせて頂いてから家主さんに連絡し、業者とお客さんの日時を調整しなければいけません。
もし近くに親族や友達がいれば、状況が上手く説明できる程度に見てもらえるとスムーズに進むでしょう。

【失敗例③】 小出しにクレームをしょっちゅう連絡する

お客さん 「台所の蛇口から水漏れしています。今週なら日時を合わせられます」
不動産会社「家主さんに連絡します」
家主さん 「直してあげて。そっちで発注して良いよ」
また一週間後……。
お客さん 「今度は浴室の蛇口から水漏れしています。今週なら日時を合わせられます」
不動産会社「家主さんに連絡します」
家主さん 「またその部屋か?」

連絡すること自体は悪いことではありませんが、小出しにすることで「お金のかかるお客さん」として覚えられてしまいます。一度で直してもらえば安く済むのにかかわらず、業者に対しての出張費が加算されてしまうからです。
他の不具合がないかどうかもチェックしてから連絡しましょう。

 

不動産会社を味方につける

不動産会社が味方になってくれるかどうかで大きな差が出ると断言できます。
「水漏れしているから今すぐ来い!」、「エアコンを今日交換しろ!」と言われて、あなたのために動いてあげたいと思うでしょうか。正直なところ、不動産会社としては「家主さんが可哀想だからお客さんの過失としてお客さんに請求しよう」と考えます。

たとえお客さんの過失であったとしても丁寧にお話頂ければ、心情としては「家主さんとの間をなんとか取りまとめて穏便に済ませよう」と考えてくれるものです。揉めて得することは何もありません。

 

関係が悪化すると退去の時も不利になる

家主さんから良いイメージがないと、退去のときにも揉める原因になります。「このお客さんは手がかかる人だった」、「このお客さんのせいで近隣が退去した」、「態度の悪いお客さんだった」としたら、退去のときに「全部請求したい」と思われても仕方ありません

反対に、ある程度過失があったとしても「毎回挨拶してくれた」、「設備の面で色々と迷惑かけたが我慢してくれた」などを理由に、原状回復費が超過しても「請求しなくて良いよ」と言ってくれることもあります。

 

まとめ

言い方ひとつで、得することはあっても損することは多々あります。高圧的な態度のお客さんに「親身になって助けてあげたい」と思うでしょうか。あなたにそのつもりはなくても、不動産会社や家主さんからクレーマーと思われているかもしれません。
入居から退去まで、お互いが気持ちよく過ごせるような心遣いを忘れずに、良好な関係を築きましょう。

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