【取材】柳田武道氏インタビュー。不動産投資をするなら強力な業者を味方につけるべし!
- 2019/6/4
- 不動産投資
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合同会社なごみ代表の柳田武道氏にインタビュー。
融資が厳しい時代、新たに不動産投資をはじめるのは難しいと言われるなか、「こんなときこそ不動産会社のパワーを利用してください!」と柳田氏は言います。金融機関へのアプローチ、物件情報収集のためどのように立ち回るべきか、不動産業者との上手な付き合い方などなど・・・本当のところを全てお聞きしました!
出禁になっている業者も続出!? 不正融資問題
編集長
前回、収益不動産を扱う3社の業者さんを合同で取材をさせていただいた記事が好評でした。本日は柳田代表にお話をお伺いしたいと思います。
昨今、融資はとても厳しい環境になってきています。個人レベルでも規模が増えてきたら自力で金融機関の開拓や関係強化はしていくべきだと思うのですが、最近はじめた方は金融機関へどのようにアプローチしていいかがわからないという声を聞きます。そもそも、直接に持ち込んでいいものなのか・・・という質問を受けます。
柳田
銀行の窓口には行ったけれど、素っ気ない対応をされてしまった・・・という話はよく聞きます。銀行担当者は、我々が思っている以上に忙殺されています。毎月のノルマを確実に果たさなければならず、意外と体育会系の業界です。
編集長
ぞんざいな対応をされて、意気消沈してやめてしまう人もいます。ですから最初は経験豊富な方にサポートしていただくのが理想ですか?
柳田
そうですね。実績のある投資家同士の紹介も良いかと思いますが、不動産会社の紹介もよいでしょう。物件とセットで紹介しますから、そうすると具体的にいつやれるのかという話に落とし込めて担当者の成績に直結します。そこが違うのかなと思います。
編集長
金融機関にも優先事項がありますから当然、対応にも濃淡が出るのでしょうね。
柳田
とりわけスルガ銀行の問題があってから、金融機関がお客様も業者も警戒しているのが現状です。銀行が知らないところで行った不正が発覚して「この業者さんとはもう取引できない」などリアルタイムな話を聞くこともありますから。
編集長
出禁になっている業者さんが?
柳田
そのような話も耳にします。私たちは不正は一切行っていません。それが功を奏し、うちからのお客様には、安心して銀行側も出せるのかなと思います。
編集長
そう考えると、どの業者さんでも銀行紹介ができるというわけではないですね。
柳田
その通りです。また、不動産投資は「事業である」、これが前提です。数年前のようにサラリーマン属性があれば借りられるという市況ではありませんので、初心者の方はそこを認識いただきたいです。
編集長
それは僕の経験上でも同意見ですね。
地元業者ならではの金融機関とのリレーション
柳田
なごみの特徴として千葉で創業していますから、地元の金融機関と取引が長いのです。うちの会社自体が千葉銀行をメインバンクとして、もう10年以上をかけて借りて返して、借りて返してということをやっています。
編集長
預金者であり、借主でもあるわけなんですね!
柳田
今は地方行の融資が閉まっていると言われていますが、むしろ取引実績のある立場が強くなっています。そこに妙味があります。
編集長
妙味とは?
柳田
10年間でいろんな担当者が栄転しています。例えば、うちは千葉支店ですが当時の支店長代理が船橋支店で今は次長をやっていたり、千葉で支店長だった方が、今度は倍の規模の支店で支店長になっているなどがあります。「このお客様ならあの次長に話せばやりやすいな」と判断します。
編集長
僕もいろんな金融機関と取引はありますけれど、そこまで偉くなっている人が分かりません。転勤してしまうともう追わないというか・・・。
柳田
複数の支店とやりとりをしているは不動産会社ならではの強みですね。これからの時代は実績に基づいた金融機関のリレーションを重視したほうが良いように感じます。
編集長
そうなると個人投資家、ましてや初心者となれば、不動産会社さんとの信頼関係がなくしては難しいということですね。
欲しい物件と買える物件が一致しない・・・
編集長
融資の厳しさにつながっていますが、自身が欲しい物件と、実際に買える可能性のある物件は必ずしも一致していないことが最近では増えてきています。この場合、どのように対応されているのですか?
柳田
誰もが条件のいい物件を欲しがるのは自由だと思うのですよ。ただし、今の情勢とお客様ごとに調達できる融資先を、具体的に精査していく手順は必要です。最初は欲張りでも、条件を決めて、物件を探していくことは必要と思いますね。欲張ってはいけないと委縮する必要もありません。
編集長はご経験が長いのでご存じと思いますが、ミラクルが起こる可能性もありますから。ただ、妥協できる点と妥協できない点を絞り込んでいく作業は必要です。どの点を妥協するのか、それによって得られるものが変わります。特に不動産はそれが顕著だと思います。立地を妥協することで利回りが高くなるなどよくあることですから。
編集長
そうですね。何らかを妥協することで、別の何かが手に入ることもあります。その絞り込んでいく作業には、市況を知るプロの目が必要ですね。「この物件は買えるけれど、こっちはちょっと難しい」という判断は、属性・自己資金・物件スペック・融資をイメージしてないといけませんよね。その辺の金融機関も含めた情報収集は、どのようにされていらっしゃいますか?
柳田
多いときは金融機関さんと毎週のように連絡を取りますから、リアルタイムでどのような物件に融資が出やすいかは把握しています。
編集長
千葉銀さんがメインバンクとおっしゃっていましたが、千葉銀さんは融資は出しているけれど、千葉県民以外の方には厳しいイメージがあると思います。僕も横浜なので「取引できない」という回答をもらったことがあります。例えば、東京の投資家が千葉で買ったり、その逆というのはあるのでしょうか。
柳田
千葉の金融機関でも東京都内へ積極的に支店展開をしている銀行もあります。物件の融資エリアですと横浜市内、川崎市内だが対象になってきます。それと借換えの場合では、栃木の物件を借換えたこともあります。常識で想定してないようなケースでも対応できるかもしれないですよ。ただ、その辺はいろんな規制があるので直接お越しいただいて、具体的なケースに基づいて相談していくことになります。
編集長
いろんな案件を持ち込んでいるから分かるのですね。そうすると、ますます個人レベルでは難しい。不動産会社さんの強みは物件情報以外にもかなりあるものですね!
柳田
はい。上手に使っていただきたいと思います。
LINE@で物件探し!
編集長
前回の3者合同の座談会で皆さん口を揃えて「不動産会社さんは警戒するものではない、むしろ中に飛び込んでいくような姿勢で、良い情報や知識をゲットしよう!」と伝えられています。具体的にどのように不動産会社さんへ連絡をして、お話をして情報をもらって進めていけばいいのでしょうか?
柳田
今はSNSの普及もあっていろんな連絡の手段があります。最初のコンタクトはメールでの問合せ、LINE@を使っているようなケースもあります。とくにLINEは簡単にスタートできるので業者側としても使い勝手がいいですよ。直接お会いして話すのもすごく大事だと思いますが、きっかけとしてLINEは敷居も低いのではないでしょうか。
編集長
なるほど。LINE@は不動産投資家の情報発信ツールとしては使われているケースもよく目にしますが、不動産会社さんで使われている例はそれほど聞きません。
柳田
情報をお送りして、そこに対するレスポンスもよくありますよ。ちなみに約6600人のお客様からフォローをいただいています。
編集長
事業者向けのLINEアカウントというと、どちらかというと開封率の高いメールマガジンの感覚で、一方的な情報提供に使われているイメージがありました。しかし、その1割、いや1%でも問合せが来たら大変でじゃないですか!
柳田
はい。たまにお問合せが殺到して返信が追いつかないときもありますが、それでもお客様と個別にキャッチボールがリアルタイムでできます。公開される前の情報や、まだ売りものになるかならないか分からないけれど、素性のいい物件を個別に提案できるのは非常にメリットです。
編集長
LINE@は一斉配信ですが、そのレスポンスは個別のやりとりになるわけですが、LINE@に慣れていないと返信も一斉配信になるのかと心配される方もいらっしゃいませんか?
柳田
そうですね。それで気になった物件があっても、なかなか返信できずにいた・・・という方もいらっしゃいました。返信は、ほかの方には見えませんのでご安心ください!
良い情報は一斉配信ではこない
編集長
そもそも一斉配信するとは限りませんよね?
柳田
おっしゃる通り。定期的に配信する物件もあれば、そのレスポンスをいただいて物件を紹介して1回でマッチングというのは滅多にありません。「この物件はこのような理由でダメですよ」というお答えを受けたあと、初めてスタートするようなイメージです。
編集長
それを地道に何回か繰り返すと、精度がアップしていく?
柳田
ええ、「電話は相手の時間を奪う」という考えもありますし、忙しい本業を持っていると、なかなか電話ができませんよね。勤務中でもスマホでチラ見できて、ちょっとトイレ休憩で内容を確認することなら可能です。そのタッチの差でいい物件は買われてしまう状況は、やっている方ならご理解いただけると思います。その調整がお互いに非常にしやすいツールですね。
編集長
これ非常にいいですね。メールやフォームに入力するのは、何か画面に向かっている感があります。その点、LINE@はもっと気軽だし人のつながりを感じますよね。これはすごく強みだと思いました。慣れてない読者の皆さんに登録してやりとりをする際のコツがあれば教えてください。
柳田
やはり探している物件の条件を提示していただくのが一番です。エリアや価格帯や利回りなど。それに入居状況は悪くてもいいのか、ある程度は埋まってないと取り組みができないという希望ですね。あとは、ご自身の属性やどの程度の投資経験があるのかも。
編集長
いわゆる自己紹介ですね?
柳田
そうです。それは五月雨式でもかまいません。暇なときに2~3行の文章をポンポンポンと送っていただくだけでかまいません。あとで蓄積して、「こういうお客様だったな」と履歴をたどれば分かりますから。その点でもLINEは便利ですね。
物件条件の決め方
編集長
物件探しについての質問です。どれくらいの基準でお伝えすればいいのでしょうか? 投資経験が浅い方だと、要求が高過ぎて相手にされないのではないかと腰が重くなる方もいるでしょうし、だからといって「何でも買いますよ!」と言ってしまえば、ほしいと思えない物件が紹介される心配があります。かといって、いたずらに高利回りの物件や、東京23区の駅から徒歩○分という極端なことも希望してしまうこともありますよね。
柳田
まだ自分の目線が定まっておらず、いったい何を買えばいいのか分からない・・・という方ですね。最初にご自身の具体的な希望条件を列挙できない場合は、うちから定期的に配信する物件情報を眺めていただくだけで、何となく「自分の好みはこれだな!」と分かってくると思うのですよ。
情報は小さな一戸建て300万円台からあります。そのような高利回りな地方の戸建てから、1億円を超える物件も定期的にランダムに配信されていくので、どの物件が自分に合うかは、それを眺めているだけで1つの基準づくりができますよ。
ですから一定期間は登録いただいた上で、「こんな物件がいい」という条件をまとめていただければいいと思います。一通り受信を続けて、「LINE@を見ていました」とメールやお電話をいただく方もいらっしゃいます。
情報ゲットには必須、効果的な面談術とは?
編集長
中にはLNEのやりとりから、実際にお会いして・・・と面談へ続くケースも多いかと思います。
柳田
そうですね。本社は千葉にあるのですが、東京事務所が開設してからアクセスがよくなりました。東京駅の八重洲口から改札を出て5分ほどで来られます。新幹線のアクセスがいいのもあり、地方から遊びに来ていただく方もいます。
編集長
大手町のビルよりも、こちらのほうが来やすいですしね。
柳田
これまで千葉で面談をしていたのですが「こんなに違うのか!」という驚きがあります。毎週土日で最低でも10組はいらっしゃるのです。個人だけでなくグループ、たまたま新幹線で岐阜から東京へ来た方が「ちょっと時間も空いたので寄ってみたよ」というケースもあります。東京駅という強みです。
編集長
やはり一度でも面談に来られた方は頭にも残るものですね。
柳田
おっしゃる通り。パッと頭に思い浮かびます。
編集長
それは大事なことですよ。面談時に相手となっている不動産会社の方にあわよくばよい物件を優先的に紹介してもらう・・・面談のコツみたいなものはありますか?
柳田
やはり、お互いに具体的なお話をすることに尽きます。ご希望する条件と買える条件を、お互いに面談する中ですり合わせていきます。お越しいただいたときにピッタリの物件がなくても、1週間後に出てきたりするものです。こまめに情報を教えていただくのは、LINE上でもそうですし、面談のときもそうだと思いますね。
編集長
面談で1回来られた方が、月に1回くらいの頻度で自分の近況報告を一方的に送ってくると、社長としては助かるのか、それとも面倒と感じるのか?
柳田
それは大変に助かりますね。逆に私らが物件の仕入れをするときも、相手の潜在意識に訴えかけるように努めます。定期的に「こんな物件をこのように買いたいです!」とメールで送ります。「先月はこんな物件を仕入れました。今月は何かないですか?」というメールを送信しますね。
編集長
不動産会社の方も、投資家さんと同じようなことをやっているわけですね。
柳田
それは無駄にはならないですし、喜ばしいことだと思います。
編集長
ほかによい印象を持ってもらうには?
柳田
今は投資家さん同士が繋がっている時代です。お友だちのご紹介や、この辺はセミナーをやっていることも多く、その帰りに遊びに来られることも多いですね。個別もですが、グループで紹介を受けることもあります。大家さんには○○塾や□□の会などコミュニティがありますよね。私らが情報を送ると会員の方に周知され、会員の誰かが買っていただく。その中のお1人に融資が付かなくても、ほかの方がサポートしていただくのは、過去にコミュニティの方がやってくださったことがありました。
編集長
我々もそれを目指しています。やはり人と人として接するのはLINEのやり取りでも大事ですが、社長自らメールを書いたり面談をされることはないのですか?
柳田
もちろんあります。今夜も8時から千葉で面談なのですが好きなんですよ。不動産の話をお互いにして楽しいではないですか。先ほどの近況ではないですけれど、「どうしてそんなに色黒なんですか?」という会話から入ったり(笑)。
編集長
あ、そういえば前回と比べて黒さがパワーアップしている! 写真を撮るときも明るさの調整が必須ですよ(笑)。前回のインタビューでも感じたのですが、社長だから代表だからという雰囲気はなく、投資家さんと普通に向き合っているのが良い意味で新鮮な驚きです。
柳田
あくまで投資家と業者というところは否めないのですが、やはり人と人の取引なので、そこで社長でも1人の人間ですから。同じ不動産好きの人間同士、うまくやれたら一番いいのかなって。
編集長
あと、もう一つ、初心者にありがちな懸念として、しゃべって終わり、それ以降は何もない・・・こともあるかと思います。それはどうでしょうか。
柳田
そのときに具体的な成果がなかったとしても、その人のことを知れる。人に1人会えるというのは蓄積するとすごいパワーになると思っています。私らは不動産をとっかかりにして、いろんな人に会えます。
買わなきゃいけないと委縮せず、ただ不動産に興味があって、どんなものなのかとお越しいただいてもいいと思います。
編集長
まだまだ「面談なんてとてもとても!」という方が相当数いらっしゃる。でも、その場で印鑑を押すようなことはありませんよね?
柳田
もちろん。あ、でもドンピシャの出会いって本当におもしろいものですよ。例えが不謹慎かもしれませんが交通事故みたいなもの。ポンッとこんな物件が出ちゃって「えっ?」となる。その場合は買い付けの印鑑をその場で押すこともあり、すぐに融資出しに進むこともあります。
初心者はまず「種まき」からはじめよう
編集長
それで決まったら買うほうもいいですね。本当に今日は融資のことから、人と人との話まで、いろんなお話を伺できました。最後に、このWebサイトの記事を読まれている初心者、または未経験者の方に対してアドバイスをお願いします。
柳田
不動産投資は1つの事業なので、なかなかすぐに取り組んで、すぐに結果が出るものでもありません。むしろ種まきの時間のほうが長いケースも多いでしょう。そこをいかに楽しめるかが長続きする秘訣だとは思いますね。その中で、すぐに買ったり売ったりは結果に繋がらないとしても、種まきの一環として楽しんでいただけるようなお付き合いができれば幸いです。
編集長
この記事を読んで、できれば社長と面談したいという方もいらっしゃるでしょう。その場合はどうすれば?
柳田
ご希望の方は私が直接ご面談・対応をさせていただこうと思います。お問合せいただき、そのご希望を伝えてください。参加の特典として特別に私の書籍もプレゼントいたします!
編集長
それはすごいですね。
柳田
そのほか月1回程度、LINEで飲み会もしています。大家さんもいれば不動産業者の方も、リフォームの仕事をされている方も参加することがあります。肩肘を張らず、不動産の話はもちろん、不動産以外のお話、趣味でもいいですし、自分がやっていらっしゃる事業、副業、本業のお話が聞ける機会も設けられたらと思います。
編集長
わかりました。じゃあLIN@Eに登録して、お誘いの情報を逃さないようにしないと!
柳田
そうですね。ぜひ!
編集長
本日はありがとうございました。
柳田武道氏
合同会社なごみ代表社員。趣味のサーフィンに専念するために大学を中退後、収入を得る手段として不動産投資に興味をもつ。2006年、大手ハウスメーカーのグループ会社に就職。その後、自ら不動産投資を行うかたわら、中小規模の地域密着型不動産会社に転職。2011年、合同会社なごみを立ち上げる。
HP:http://www.nagomi.org/
著書:『勝てる不動産投資 コンプリートガイド』(幻冬舎メディアコンサルティング)