新宿は再開発ラッシュ!どこで?なぜ?まとめ

  • 2019/8/14
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建物の老朽化や2020年のオリンピックの影響もあり、新宿に再開発の大波がきています。
新宿という土地は、ビジネス街で昼間人口が高いうえ、歌舞伎町も近くにあり、商売にはもってこいの土地ですね。

そして路線数がとても多くて、1日の乗降者数は世界一を記録しています。1日で350万人の乗り入れがあるってすごいですよね!とある政令指定都市の人口は100万人。乗り入れだけで人口より多いです!地方在住者が上京すると、まず驚くのが人の多さだと言われますが、納得の数字です。

また、鉄道だけでなく、2016年の春には高速バスターミナルのバスタ新宿もできました。鉄道との違いは、主に朝と夜の利用が集中的なことです。そして、おしゃれなお店が軒を連ねていても、「高速バス=費用を減らしたい人」ばかりのため、おしゃれな店の多くが素通りされ、コンビニが一番流行っているようです。

ビジネス街、歓楽街、鉄道とバスの移動拠点。新宿には様々な顔があるのですね。
今回はそんな新宿のこれからの再開発についてお話します。

 

新宿グランドターミナル構想

2040年は現役で働いている人1.5人に対して、高齢者の割合が1人という地獄の社会変化がきます。それらを見据えて計画されているのが、新宿グランドターミナル構想です。

新宿を拠点として多様な機能の集積、交流空間の整備、歩行者の回遊性の向上を目指した街づくりをする構想……。2016年に「歩いて楽しい回遊性のある街づくり」をかがげていて、脱車社会の動きもあるようですね。渋滞の緩和、二酸化炭素の排出、ミニマム化に効果が期待できるのでしょうか?

画像出典:東京都 新宿グランドターミナルへの再編に向けたまちづくりの着手について
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/05/17/02.html

線路上空にデッキをかけてスペースを有効活用し、新宿駅を挟んでの東西に移動もしやすくなりますね。周囲の店の入れ替わりはあっても、基本的な交通状態は戦後から変わっていません。そのため、大規模な再開発は期待できますね。

画像出典:東京都 新宿グランドターミナルへの再編に向けたまちづくりの着手について
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/05/17/02.html

上空に建設しているテラスのため当然ですが車が無く安全ですね!小さい子供連れでも安心して連れてこられるので、親子をターゲットとしたイベントにはもってこいです。

しかし、贅沢を申せば夏の日差しを遮るルーフや木がないと暑そう……。夏の東京は気温が40度近くなったりゲリラ豪雨が降ったりするので、安全・健康面を徹底して欲しいと感じます。

費用がドンっと増えたとしても、ルーフを取り付けてくれればより快適な国際都市になりそうですね。

画像出典:東京都 新宿グランドターミナルへの再編に向けたまちづくりの着手について
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/05/17/02.html

https://twitter.com/Mr_Tarinn/status/1129552976652062720?ref_src=twsrc%5Etfw

規制緩和で高層化が進んでいく新宿

数年前から不動産各社はオリンピックを見据えて、湾外部や利便性のいい都心に高層マンションの建築をスタートしています。建築規制の緩和を受け、老朽化したビルが密集している地域の改善が目的でもありますね。
その流れは新宿の中心だけでなく、歌舞伎町なども含めて起こっています。

歌舞伎町一丁目地区開発計画 新宿TOKYU MILANO

画像出典:第64回新宿景観まちづくり審議会
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000236422.pdf

歌舞伎町の再開発計画が「新宿TOKYU MILANO」の建設です。高さは225メートルの48階建て、地下5階。本格的な工事の着工は2019年8月から行われています。2020年8月の竣工予定です。

土地は2014年に閉館した映画館の新宿ミラノ座の跡地であり、

  • 映画館
  • 劇場
  • ライブホール
  • ホテル

以上が入り、大規模なエンターテイメント施設となるようですね。

運営は東急レクリエーション、ソニー・ミュージックエンタテイメント、東急電鉄がそれぞれ運営をしていきます。
東京駅からも移動がカンタンな位置にこのようなエンターテイメント施設ができると、日本国内だけでなく海外アーティストや祭典もやりやすくなりそうです。

ましてや、ホテルも共に入ってるならばなおさらです。エンターテイメントを楽しみ、すぐに休めるのは重宝しそうですね。

https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000236422.pdf

新宿駅東口から徒歩ですぐ。線路沿いに行くよりも、繁華街を通った方がわずかに近そうです。

コンサートなどを楽しんで、帰る時に一気に人が流れて満員電車になるのがいやなのものですが、

  1. 西武新宿線
  2. 東京メトロ丸の内線
  3. JR線
  4. 京王線
  5. 小田急線
  6. 都営大江戸線

と分散されます。

画像出典:第64回新宿景観まちづくり審議会
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000236422.pdf

【設計概要】
所在地:東京都新宿区歌舞伎町1-29-1、3
主要用途:宿泊施設(客室+レストラン)約 33,000㎡/エンターテインメント施設・映画館 約 5,800㎡/劇場 約 3,300㎡/ライブホール 約 3,200㎡/店舗等 約 8,500㎡
敷地面積:約 4,600㎡
延べ面積:約 85,800㎡
階数:地上 40 階・地下 5 階 / 約 225m
竣工予定:2022年8月31日

住友不動産西新宿六丁目プロジェクト 住友不動産新宿セントラルパークタワー

画像出典:三井住友不動産 ニュースリリース
http://www.sumitomo-rd.co.jp/news/files/1708_0001/20170620_release_NISHISHINJUKU6CHOMEpj_chakko.pdf

新宿駅から徒歩5分、西新宿の新宿中央公園に面している好立地に建設されたのが住友不動産新宿セントラルパークタワーです。西新宿エリアでははじめての高さ100メートルを越える免震構造のオフィスビル。東京が大規模な災害にみまわれた際には、防災拠点として機能します。

これを書いている私は東日本大震災を体験し、まわりでは帰宅困難者が多くいました。このような場所が多くできることは、これからの都市には必要な役割だと感じます。

画像出典:三井住友不動産 ニュースリリース
http://www.sumitomo-rd.co.jp/news/files/1708_0001/20170620_release_NISHISHINJUKU6CHOMEpj_chakko.pdf

建設前は木造で老朽化が著しい場所でした。万が一の際には耐えられないような建物が34棟と密集していたのです。住友不動産新宿セントラルパークタワーを皮切りに、新宿区にふさわしい再開発が計画されていきます。

新宿セントラルパークタワーは安全面はもちろんのこと、職住近接型の超高層ビルが目標のようです。職住近接型というのは、職場と住居が物理的に近いことを指しており、長時間通勤や満員電車の解消するために国土交通省が推進しています。

東京で働く人の通勤時間の平均は片道1時間です。昨今は本を読んだり、資格勉強の時間にあてるなど有効活用する人はいますが、理想的な通勤時間は30分程とのこと。
通勤時間を短くして働きやすい環境を整える再開発が西新宿エリアで起こっているのですね!一つの働き方改革のようです。

参考:エイブル 通勤時間の理想は何分?幸福度から考えるお部屋探し
https://offer.able.co.jp/oshieteagent/room/best-commuting-time/

しかし、完成は遅れています。竣工予定は2019年春でしたが、完成したという情報はありません。法人の入居希望も秋以降になっています。
都心ではオリンピック需要と重なり、資材の高騰化や大型重機の取り合いなど問題があるため、予定通りすすまないのも仕方がないのかもしれませんね。
完成が楽しみです。

【設計概要】
所在地:東京都新宿区西新宿六丁目666-1番地ほか
主要用途:事務所、共同住宅(102戸)
敷地面積:5,615.68㎡
延べ面積:61,321.29㎡
階数:地上 34 階・地下 2 階 ・塔屋2階
竣工予定:2019年春頃

西新宿五丁目中央南地区市街地再開発事業

新宿駅から少し離れて北西約1.2キロメートル、都営地下鉄大江戸線 西新宿五丁目駅より徒歩6分、東京メトロ丸の内線 西新宿駅より徒歩7分の位置、神田川がほど近い近い場所でも再開発が行われています。

画像出典:第58回新宿区景観まちづくり審議会 (仮称)西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000188668.pdf

先にご紹介した住友不動産新宿セントラルパークタワーは、元の木造住宅の老朽化が一つの問題でしたが、こちらでも問題になっています。1981年以前の旧耐震基準により建てられたものがほとんどです。

利便性はよく価値の高い土地ではありますが、細街路や行き止まりが多く、有効活用とはほど遠い状態。
それらを再開発で解決し、住みよいまちにするのが西新宿五丁目中央南地区市街地再開発事業です。

画像出典:第58回新宿区景観まちづくり審議会 (仮称)西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000188668.pdf

画像出典:第58回新宿区景観まちづくり審議会 (仮称)西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000188668.pdf

住宅棟と施設棟とわかれて建てられています。背の高い建物が住居棟で、画像の手前にある背の低い建物が施設棟です。
施設棟には保育所が入ることが計画されています。朝に家を出て、すぐに預けられ、帰りにも帰宅中に寄れることが強みになりそうです。

【設計概要】
所在地:東京都新宿区西新宿五丁目 地内
主要用途:住宅、商業、業務、駐車場、保育所等
敷地面積:約3,500㎡
延べ面積:約57,500㎡
階数:地上43階、地下1階 

 

新宿の再開発の特徴

全国で再開発事業はありますが、新宿の特徴は「老朽化した上に密集した住宅」が土台にあります。そして、それらを改善した上に住居や働き方も良くしていくことが特徴です。

少し前まで東京の災害というと地震がトップで出てくる問題でしたが、昨今の異常気象の影響で地震に限らず対策がとられるようになりました。新宿という人がとくに多く集まる土地には必要な対策ですね。

そして再開発の狙いがもう一つあります。それがアジアヘッドクォーター特区と呼ばれるエリアです。
これは海外企業の誘致を目的としたもので、税制の優遇や補助金、低金利の融資などが受けられるようになっています。入国審査や必要な書類も簡素化され、海外企業の日本進出にはもってこいのエリア!
そんなアジアヘッドクォーター特区は東京都内に6箇所あります。

  1. 東京都心・臨海地域
  2. 新宿駅周辺地域
  3. 渋谷駅周辺地域
  4. 品川駅・田町駅周辺
  5. 羽田空港跡地
  6. 池袋駅周辺地域

画像出典:インヴェストトーキョー アジアヘッドクォーター特区
http://www.senryaku.metro.tokyo.jp/invest_tokyo/japanese/invest-tokyo/ahq.html

開発が進むごとに希望する海外企業が増えることが想定されます。
新宿駅周辺は安全であり、通勤時間の短縮にものりだし、ますます都市機能を進化していくことでしょう。

 

まとめ

新宿の再開発についてご紹介いたしました。
住宅の老朽化、細街路の整備。東京だからこそ早急に解決すべきであり、さらにその上の結果を生み出すための再開発であることがわかりました。

将来的には現役で働く若者が減り、若者1.5人で高齢者一人を支えることになるという研究結果が出ています。そんな世の中に不安しかありませんが、主要施設を集約しコンパクト化し暮らしやすくしたり、海外企業を誘致して労働者を確保したりと再開発ひとつとっても世の中が見えるように感じました。

東京の再開発はちょっと先の未来も、快適にすばらしいものにするための開発なのですね。

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