離婚したらマイホームはどうする? ありがちな不動産トラブルを解決する方法

離婚は婚姻関係を解消するわけですが、「お互いに嫌いあって別れるんだから、早く籍を抜けばいいじゃないか」というのは非常に甘い考え。心が離れているからこそもめ事はややこしく、大きくなってしまいます。その代表が不動産。離婚に伴うマイホームトラブルをどう解消すればいいのかを考えていきます。

 

もう相手の顔を見たくない!といいつつ、離婚が長期化する理由

離婚でもめる不動産のトラブルでは、賃貸不動産で・・・ということもなくはありませんが、最もややこしくなるのがマイホームを購入している場合です。戸建ての場合もマンションの場合も大きな買い物だったわけですし、ローンや名義の事情も重なって、非常に根深い問題となります。多くの人はマイホームを購入するのが30代、または40代ですから、離婚で不動産トラブルに発展するのも当然30代以上。実際には40代、50代が多くなります。近年話題になることが増えた「熟年離婚」では、終の棲を失うこととイコールであり、その問題はさらに大きくなるようです。

もめる原因は「財産分与」にからみ、「その後の家をどうするか?」ということ。
旦那は仕事。奥さんは主婦、またはパート程度の収入しかなければ、ローンを組むのは旦那と言うことが多く、当然家の名義は夫ということになります。
円満な家庭なら「夫婦の分担があって家を購入するんだから、家は2人のもの」と考えるでしょう。実際、法律上でも、婚姻関係を築いたあとに購入したのであればマイホームは”共有財産”と判断し、財産分与をして2分の1ずつにするべきものです。ところが、離婚時には憎しみあっていることがほとんど。「相手に1円もやりたくない」と思ってしまうため、「あ~だ、こ~だ」と言ってもめてしまうのです。

 

もっとも明確な財産分与のあり方

離婚時の財産分与として、もめずに分かれたカップルは、次のいずれかを選択できたケースが多いと考えられます。

  • 売却してローンを完済し、残額は2人で分ける
  • 売却額を調べ、半額相当を現金として片方に渡す
  • 財産全体の50%を、不動産で分与する

これは非常に明確でスッキリした分け方ですが、実際にはこうしたくてもできないケースがあります。それが不動産の大きな問題です。

 

円満離婚を阻む壁。オーバーローン

「離婚するんだし、もう家を手放してしまおう。その方がスッキリするじゃないか」と考える人は決して少なくありません。ところが、それは、家を売却することでローンも完済できる場合。つまり、アンダーローンの場合です。

実際には、家を売ったところでローンが残る「オーバーローン」という状態の家が多くあります。住宅ローンは35年と長期に渡るものもがほとんどです。一方、購入したマイホームは、よほどの好条件でない限り中古になることで価値は下がってしまいます。そのため、「売りたくても売れない」という状況に陥ってしまうのです。

こうなると、「残りのローンは誰が払うのか」「名義はどうするのか」ということでもめてしまうのです。

 

どうしても売約したい場合は、「任意売却」という選択がある

「残債が残ろうが何だろうが、とにかく縁を切りたい」と考える夫婦もいるでしょう。そのような場合、「任意売却」を選択することができます。

ローンを完済できない場合、抵当権が残ったままになりますので、それを何とかする必要があります。その選択肢のひとつに「競売」もありますが金額がかなり安くなってしまうので、まずは避けるべきかと思います。任意売却とは、債権者と債務者の調整を行い、市場で担保不動産を売却する仕組みのこと。仲介を行うのは不動産会社ですが、当然ながら金融機関への連絡も必須事項です。

ちなみに、競売は手続きが煩雑で、金融機関も避けたいことのひとつと言われています。そのため、売却をしても残債が残ってしまった場合も含め、金融機関で率先して妥当な計画を立ててくれますので、できるだけ早い段階で金融機関にも相談をするとよいでしょう。

 

どちらかが住み続けたい場合は?

私の友人などは、とにかく早く奥さんと別れたいが子供たちの生活を安定させるために、その後のローンは払い続けたという人がいました。父としての愛情あふれる話です。ところがその後、奥さんは別の男性と結婚。そのままその家に住んだという悲劇的な結末を迎えました。元旦那がローンを払い、そこに赤の他人の男性が暮らすわけです。つらすぎますよね。

さて、話を元に戻しましょう。離婚後も、どちらかが家に住み続けたいというケースはよくあります。例えば、夫名義でローンを組んでいて、離婚後は奥さんが子どもと一緒に住み続けるパターンです。このとき、ムリに旦那を追い出してしまうと「もうローンを払う気はない」となってしまうケースがあります。信じられないのですが、実際に結構あるんです。

このとき、奥さんが連帯保証人となっている場合は、結局は奥さんが払っていくわけです。それであれば最初の段階で不動産の名義を奥さんに変えてしまい、住宅ローンも妻の名義で借り変えてしまうという手があります。最近は正社員として働く女性も多いので、この選択ができる人が増えています。

しかし、ローンを組んで間がない場合、またはパートしか働いていない場合、その金額分のローンが組めないことがあります。それでも、妻が住み続けたい場合、例えば夫婦間で賃貸借契約を結び、ローンの残りを家賃として払うという手もあります。住宅ローンが残っている段階での名義変更は銀行も敬遠することが多いため、これもなかなかよい選択かもしれません。

ただし、ひとつの問題が残ります。実質ローンを払っていたのは奥さんだったにもかかわらず、ローンを完済した時に旦那名義の物件として残ってしまう点です。何だか理不尽ですよね。こうなると、年齢を重ねてから再度もめることになりますので、賃貸借契約と共に、所有権移転の約束をしておかなければなりません。ややこしい手続きとなりますので感情にまかせて解決した気になるのではなく、弁護士に相談するなどして、きちんと契約を交わすようにしてください。

 

マイホーム購入時の親の援助はどう扱えばいいのか?

他にももめるケースがあります。それが、頭金を親から援助してもらっているケース。特に、奥さんの実家からの援助を頭金に使い、ローンは旦那さん名義という場合、マイホームの名義は旦那さんです。もうこうなってしまうと、夫婦感の問題を超え、実家の心情も絡んできますので、問題はさらに深刻になります。「娘に援助したんだから、その分は分与してくれるな!現金で返せ」なんてことになりかねません。一方で旦那さんとしては「夫婦に援助してくれたんだから、関係ない」と主張したりして、もめますよね・・・。結婚は当人同士の問題でなく、家と家の関係だ!なんて主張する方は多くいらっしゃいますので、こうなっては双方の意見が交わることはないでしょう。「子どものケンカに親は口を出さない」という訳にはいきません。

ちなみに、どちらかの親が住宅購入の頭金のためにプレゼントした場合、「マンション購入のための贈与」という扱いになります。一方で、マンションも共有財産ですから、頭金を含めて夫婦の共有となります。つまり、全てをひっくるめて折半するというのが正しい判断。感情がもつれても司法は冷静というわけです。

 

感情のもつれがトラブルを大きくする。外部の手を借りるしかない

他にも色々問題はあるでしょう。夫名義の住宅ローンを払い続け、そこで奥さんと子どもたちが住んでよい代わりに、慰謝料や養育費を免除、または減額してくれというパターン。奥さんとしては「それでは生活がままならず、養育費はもらわないと暮らしていけない」と主張するかもしれません。

離婚で一番の問題は、冷静に判断すべきところと感情論で考えるべきところがごっちゃになること。「俺は家族のために頑張ってきた」「私は家族のために家庭を支えてきた」と主張がかみ合わなかったり、お互いに「我慢してきた」という感覚的な問題が根深くあるのである意味致し方ないのかもしれません。そこに子供の将来が絡んでくると、さらに問題は大きくなります。私の知人(前出の人とは別人)は、「子供には何不自由なく生活をさせたいが、奥さんにはお金を一銭も使われたくない」と言い放ち、「養育費は払うが、一切お前の物を買うな。飯も別のものにしろ」と主張しました。そんなことできるわけはありませんが、これが真理なのかもしれません。難しい話です。

ちなみにその旦那さんは、奥さんが夜逃げ(実際は旦那さんが仕事中だったので真っ昼間逃げ)で出て行きましたが、そのときに持って出たスマホの充電器が俺のものだと言ってその返還を求めました。ちっぽけな話ですが、それに怒った奥さんは「返せばいいんでしょ」と弁護士経由で新品のものを返しました。すると、「現物を返せ」とその充電器を弁護士が持ち帰ってきたというのですから、闇が深い・・・。

でも、そんなことでもやってくれるのが弁護士。プロの判断は大切です。さまざまな事情や背景によって選択される内容は違いますので、ぜひ早い段階から弁護士に相談しベストな選択をするようにしてください。

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