ファミリー世帯が引っ越しをする際には、大人だけのときとは異なり、気にかけなければならないことがあります。
例えば、治安と防犯対策、子育てしやすい場所(エリア)選びに、教育環境、日常品の買い物など、細かなことにも頭を悩ませなければなりません。
ここでは、ファミリー向け賃貸物件を探すときの情報収集のコツやサービスについて紹介していきます。
子どもがいるから着目すべき、環境の注意点
今では、インターネットがありますので、日本全国どこの物件情報でも見ることができます。これが一人暮らしや大人世帯だけであれば、内見は1日ですますこともでき、(多少の妥協が必要かもしれませんが)即日契約申請という流れも考えられます。特に遠方への引っ越しの場合、家を探すために何度も足を運ぶことはできないとか、時間がないというときに非常に便利です。
ところが、ファミリー層、特に幼稚園や小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭では、なかなかそれは難しい。とくに、周りの環境は気を遣わねばなりません。近くに公園があっても、遊具がないタイプの広場ということもあります。また、よからぬ人のたまり場になっていることもあります。
学校までの通学路に怪しげな道があったり、学校自体の雰囲気が悪いと言うこともあるでしょう。そもそも、新居の周りが怪しげな場合すらあります。こうなっても、「再び引っ越せばいい」と行かないのもファミリー特徴であるので、内見にあわせて、周りの環境のチェックもあらかじめしておきたいものです。
不動産屋に行くまでに、優先順位を決めておかなければならない理由
ファミリー層の物件探しに関しては、不動産屋に行く前に決めておくべきことがあります。
それは、駅から徒歩何分かかるかや、家賃がいくらかといったことではなく、ファミリー層ならではのものです。
- 治安の良さ
- 幼稚園や保育園、学校までの距離
- 習い事ができる環境か
- 日常的な買い物ができる場所
- 近隣の住環境 など
優先順位はさまざまかと思いますが、自分たちで優先順位をつけ、譲れないところを決めてから不動産屋に行くことをオススメします。
なぜなら、理想通りの物件に出会えることはなかなかありません。理想以上のこともあれば、妥協しなければならないこともあります。そんなとき、物件を見てから決めようと思うと、思わぬブレをうんでしまうからです。部屋がきれいで、治安の善し悪しをチェックすることを忘れたり、駅からの近さを優先し買い物ができなかったり。そんな失敗をしてしまう例はたくさんあります。
ぜひ、不動産屋に行く前に一通りのことを書き出し、優先順位を決めるようにしてください。
子育てをしやすい街とは?
では、子育てをしやすい街とはなんでしょうか?
子育て方針がいろいろありますので、これは一概にいえるものではありません。ただし、一般的に言われていることを整理したいと思います。
治安がよいとはどうゆうことか?
- どこを歩いても街灯で明るく、暗い道がない
- 地域とのつながりが深いところ
例えば、周辺環境の良さに「公園」を入れている方も多いと思います。日中は子供の声があふれ、楽しい街に見えても、ひとたび夜になると公園には街灯が少ないというのはよくある話です。また、茂みは「緑が多い」という昼の評価とは裏腹に、夜は「暗闇」という問題につながります。
子どもが小さなうちは、親子でいることが多くなりますが、小学校も高学年になると、塾や習い事で遅くなることもあります。そんなとき、楽しかったはずの公園が危険な場所になることもあるので、気をつけなければいけません。
最近は、「子ども110番の家」などと掲げられている施設が増えています。これは、子どもがピンチを感じたときに駆け込める場所で、コンビニや公共施設、商店がなっていることが多くあります。こういったところが多い地域を選ぶことも大切かもしれません。
また、自転車に「パトロール中」という紙を貼っている人が多い地域もあります。この用紙はPTAや町内会などが一般の人に配布していることが多く、変質者の抑止力になると言われています。こういう活動をしている地域は、子どもが一定数いて、大切にしている地域だともいえますのでチェックしてみてください。
周辺環境からみた子育てのしやすさとは
大人が考える周辺環境は、駅からの距離やコンビニの有無、外食店舗の充実などが優先順位の高い位置にあるでしょう。
でも、これは、子育てのしやすさという面では、優先順位が高くないのかもしれません。例えば、子どもを保育園に通うわせる場合、自宅と駅が近くても、駅と反対側に保育園があることがあります。また、コンビニが近くにあっても、商店街やスーパーが近くになければ不便でしょう。外食できる店があっても、子どもを連れて行ける店ではないこともあります。
子育てしやすい街の条件とは?
- 保育園や幼稚園が近くにあるか
- 最寄り駅の雰囲気や子連れが入れる店があるか
- 小学校や中学校への距離、または私立の場合、駅までの距離と安全性
- スーパーやコンビニ、ドラッグストアの有無
- 病院の有無
これらは実際に足を運ばないと分からないことも多くあるのが特徴です。
ファミリー向け不動産探しのポイント
物件については、子供にストレスがかからない住まいを選ぶことを忘れてはなりません。
子供にストレスがかかるとは、「狭さ」「暗さ」「近隣との関係」の3点です。
子育てするなら1階にするメリットは大きい
子どもの行動を制限することはできません。例えば、走ったり、音を立ててイスを引いたりなどは日常的なことです。そのため、マンションの2階以上に住むと、階下の人に気を使いながら住むことになります。
また、1階に住むことで、災害時にすぐに逃げられるというメリットもあります。万が一の火事の時、子どもは上に逃げる傾向があるという説もあります。そんなときでも、1階に住んでいる子どもは別で、すぐに屋外に逃げられます。
和室はクッション性のあり、赤ちゃんにもやさしい
和室も子どもにとっては過ごし安い場所のひとつです。クッション性があり、座り心地が良いこと、さらに防音効果も高いことから、好んで住む人も多くなっています。また、畳ではなくカーペットやフローリングを好む家庭は、畳の上に敷くこともできます。結局、畳の部屋は選択肢の広いスペースだといえるでしょう。
収納スペースは多い方がよい
子どもがいると、いろいろなものが増えていきます。ベビー用品や小さくなった洋服、おもちゃ、工作物など、数々の物が増えていきます。うまくリサイクルに出すのも賢い選択ですが、「思い出の品」に該当する物はなかなか捨てられません。
また、収納は、子どもに触れられたくない物をしまっておくスペースとしても有効です。例えば、お風呂の洗剤や各種の掃除用の洗剤類から、仕事の道具までいろいろあるでしょう。そういったものを避難させておく場所としても、収納スペースは多い方が◎です。
モニター付きインターホンは必須
モニター付きインターホンは、子どもはもちろん、大人にとってもあった方がよいもののひとつです。子どもはどんなに言って聞かせても、玄関に行くと、すぐにドアを開けてしまいます。最初にインターホンを確認するようにすれば安心です。
知らなければ損!?ファミリーに最適な家賃補助制度
ファミリー層に対する家賃補助制度もいろいろあります。何かと物入りなころですので、こういった制度を使って、お得に住めるようにしてはいかがでしょうか?
特定優良賃貸住宅
特定優良賃貸住宅とは、中堅所得者などに対して一定の基準の範囲で一定期間、家賃を安くする制度。地方自治体と国が実施しており、これにより国の審査基準を通った優良な住宅に、周辺の家賃相場よりも安く住むことが可能となります。
UR賃貸住宅
UR賃貸住宅とは、都市再生機構(UR都市機構)という独立行政法人が管理している公的な賃貸住宅のことです。現在では全国に約74万戸あり、そのなかには従来の公団住宅のほか、最新設備を備えたハイスペック住宅も含まれています。
ここは、本来は都心近郊を開発してきたということから、基本的に敷地が広々としているのが特徴です。そしてこの住宅には、補助制度がありますので、利用しない手はないです。
「そのママ割り」というものがそのひとつです。これは18歳未満の子供を育てている家庭で3年の定期借家契約を条件に、3年間は通常の家賃より1~2万程度抑えられるというもの。また「そのママ割り」は18歳未満の子供がいる家庭に加え、世帯の合計所得が25.9万円以下であることを条件に家賃を減額するというものです。
他にも、転入者を対象にした制度や若い世代を対象にした制度など、各自治体でいろいろな制度があります。一度調べてみるといいでしょう。
まとめ
ファミリー層の賃貸住宅探しは、大人だけの場合と違う部分が多くあります。
保育園などへの通園や通学がしやすいエリアの候補や、希望しているエリアの不動産情報など、必要な情報をいかに仕入れているのかが重要です。
また、どうしても一度行って見なければ分からない治安の善し悪しや、詳細な周辺環境などもあるので、一定の時間は必要なので、余裕を持って家探しをするのが理想です。