リフォームの見積もりが業者によって違うのはなぜ?良い業者を選ぶ方法

自宅のリフォームをしようとリフォーム業者から見積もりを取ってみると、業者によって金額がかなり違う場合があります。同じ内容のリフォームなのにどうして見積もり金額に差があるの? と不思議になりますよね。実は、リフォームの見積もりが業者によって異なるのは珍しいことではないのです。

今回の記事では、リフォームの見積もりが業者によって違う理由を解説します。異なる見積もりを見比べるコツや信用できる見積もりの例、信頼できるリフォーム会社を選ぶ方法などをご紹介します。


リフォームの見積もりで業者ごとに差があるのはなぜ?

リフォームの見積もりを取ってみたら、同じ内容のリフォームのはずなのにA社は50万円、B社は75万円、C社は80万円など、リフォームの見積もり金額に違いが出るケースがあります。

リフォームの見積もり金額が業者によって違うのは、同じリフォームを目的としていても、リフォーム業者によって具体的な提案内容が同じとは限らないからです。

例えば、「床が傷んできたからフローリング材の張り替えをしたい」という希望に対し、「現在の床材を剥がして新しいフローリング材を張り直す」という提案と、「床材を剥がした後に床下の傷み具合に合わせて補修をおこなってから新たなフローリング材を張り直す」という提案をする場合では当然、見積もり金額が異なります。

新しい床材としてどんな素材を使用するかによっても費用は異なりますし、同じ素材だとしても業者の規模によって仕入れ値が異なれば、それが販売単価に影響する可能性もあるでしょう。また、業者によって職人の作業単価や技術料も異なります。

このように、たとえ同じ希望に対する見積もりであっても、「どこまでの作業が必要か?」と判断する調査力や工事計画、使用材料や技術料によって、見積もりの金額は異なるのです。そのため、「リフォームには定価がない」ともいわれます。

リフォームの見積もりを比べるときに見るべき部分

複数の業者から見積もりを取ることを、「相見積もり」といいます。

一般的に、相見積もりは同じ条件で一番安い業者を選ぶために取るものですから、最も注目する部分は「金額」です。

しかし、リフォームの見積もりでは提案内容が同じとは限らないため、金額だけで判断するのは良くありません。正しく金額を比較するためには、提案内容までしっかりチェックする必要があります

具体的には、こんな部分をチェックしてみましょう。

  • 工事の範囲や施工内容は適切か
  • 建材や材料の種類、グレード、単価は適切か
  • 経験や品質、技術力に見合った作業単価か
  • 職人の人数や作業人数と人件費相当分のつじつまが合っているか

見積もり金額ばかりではなく、施工内容や素材のグレードなどの違いも把握しながら確認するとよいでしょう。

中でも特に気を付けたいのは、金額の高い・安いだけではなく、適正な内容が適正な金額で提案されているのかどうかです。

先程の床材の張り替えの例でいうと、床下の補修まで含めたリフォーム工事の方が高額になるのは妥当ですし、今後のことを考えると補修まで行った方が効果的なリフォームといえるのではないでしょうか。

素人にとっては、見積もり内容が本当に必要な範囲の工事なのか、技術や品質に見合った価格なのかを判断するのは難しいかもしれません。しかし、相見積もりを取って見比べることで「他の見積もりと比べて異様に高い(安い)」「不要な範囲の工事が入っている」など、おかしい部分にも気付きやすくなるはずですよ。

こんな見積もりを出すリフォーム会社には要注意!

続いて、注意したい見積もりの例をご紹介します。

こんな見積もりを出してくるリフォーム会社には要注意です!

要注意ポイント1.「一式」や「材工(材料費+施工費)」という項目が多い

具体的な内容や単価が記されておらず、「一式」「材工」などの一括表示が多用されている見積もりには注意しましょう

これでは内容と価格が見合っているのかを、確認できません。細かい現場調査をしていない段階では仕方がない部分もありますが、最終的な見積もりとするには不安があります。

要注意ポイント2.他社よりも大幅に高い・安い

施工内容や材料が異なれば、見積もり金額が違うのも仕方ない部分ではあります。とはいえ、それを含めても大幅に高い、もしくは安い見積もりは、ちょっとおかしいかもしれません。

値引き交渉を予想して予め割高に設定している、またはグレードの低い建材や経験の浅い職人を使う予定であるといったことが考えられます。

要注意ポイント3.根拠のない大きな値引きがある

大きな値引きがあると得をした気持ちになりますが、その値引きに根拠がない場合は要注意です。

そもそも、適正な見積もりをしているなら、そこからそう大きな値引きはできないはずです。はじめから値引きを見越して割高な価格設定にしている可能性のほか、値引きをすることで建材のグレードを下げられる、もしくは手抜き工事をされてしまう可能性があります。

要注意ポイント4.見積もりの有効期限が極端に短い

施工内容などにもよりますが、見積書の有効期限は3ヵ月~6ヵ月程度となっていることが一般的です。

極端に短い有効期限で契約を焦らせ、検討や相見積もりとの比較をする時間さえも与えないといった目的があるのかもしれません。

こんな見積もりを出してくれるリフォーム業者はオススメ

逆に、こんな見積もりを出してくれるリフォーム会社はオススメです。

良い見積もり例(1)内容が詳しく書いてある見積もり

具体的な施工内容や使用する建材の種類、数量、単価まで細かく明確に記されている見積もりは、ごまかしがききません

「一式」「材工」などとは異なり、合計金額の根拠がはっきり分かるため信用できます。

良い見積もり例(2)プラスαの提案をしてくれる

リフォームをする目的は、今ある不満点の解消です。

しっかりとしたヒアリングで隠れたニーズを引き出して不満点を解消し、さらに満足度を高めるためにプラスαの提案をしてくれる業者は信頼できます。施工や費用についても、きちんと説明してもらいましょう。

良い見積もり例(3)予算に合わせて柔軟に対応してくれる

予算に合わせて施工範囲を絞るほか、建材のグレードを検討し直すといった細かい調整に対応してくれるリフォーム業者もあります。

予算をかけるところと削るところのメリハリをつけながら、予算に沿うように考えて見積もりを出してくれる業者は信用できるでしょう。

リフォームの見積もりを依頼する際の注意点

複数のリフォーム業者に見積もりを依頼する場合は、インターネットで情報収集をし、2~3社に絞って依頼しましょう

欲張ってたくさんの業者へ依頼をしても、見積もり依頼の打ち合わせだけでかなりの時間を要してしまいます。話しているうちに依頼内容にばらつきが出たり、業者の特徴が分からなくなったりするかもしれません。

反対に、見積もりをもらうたびに「やっぱりココをこうしたい」「この工事を加えたら費用はいくらになる?」などと、プランの変更や追加をするのはNGです。

リフォーム業者にとっては、最終的に契約が取れないと見積もりの作成や打ち合わせが単なるコストで終わってしまいます。「本当に契約するつもりがあるのだろうか……?」と思われては信頼関係が築けず、良いリフォーム業者を見つけられません。

また、見積もりを取ったら対面での説明を必ず受けましょう

会社によって見積もりの出し方や見積書の形式が異なりますし、見積書を見ただけでは不明確な部分もあるでしょう。少しでも不明な点があれば、納得できるまで質問をするのがオススメです。

細かく説明してくれるかどうかを見るだけでも、丁寧な業者・担当者であるかどうかを判断できます。

リフォームでは相見積もりを取るのがオススメ!

リフォームでは、2~3社の業者から同じ依頼内容で見積もりを取るのがオススメです。

見積もり金額は業者ごとに差が出てくるため、相見積もりを比べることで適正な工事範囲や適正価格を知れます。

ただし、リフォームの見積もりは最も安い業者を探すために取るものではありません。必要な工事を適正な値段でおこなってくれる業者、そして信頼できるリフォーム業者を選ぶために相見積もりが必要なのです。

まとめ

リフォームの見積もりが業者ごとに違うのは、同じ内容で依頼をしても業者ごとに提案する工事範囲や内容、使用する材料などが異なるからです。リフォームの見積もりでは、その価格だけに注目するのではなく、内容をきちんと確認して必要な工事であるか、作業単価や材料単価は適切かといったことも判断する必要があります。そのような判断を素人がするのはなかなか難しいものですが、相見積もりを見比べるからこそ気付ける部分もあるでしょう。

工事内容や材料の数量・単価などが細かく記載され、根拠をきちんと説明できる見積もりは信頼できるといえます。リフォームの見積書をしっかり見極め、ぜひ信用できるリフォーム業者を選んでくださいね。

小山 佐知子

小山 佐知子

投稿者プロフィール

北海道在住のライター&エディター。
グルメ系雑誌の出版社にて11年勤務のちフリーに。独立後は不動産、冠婚葬祭、暮らしにかかわる記事を多く執筆してきました。取材やインタビューも大好きです。

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