金利・利息が安い時代だからこそ、預け先銀行をしっかり選んで家計防衛を!

数十年も前の話になりますが、利息で生活する人がそれなりにいました。しかし最近では、そんな生活は夢のまた夢。
ですが、だからといって、「どの銀行に預けても同じ」と言うわけではありません。銀行を選べば、利息の違いは100倍なんてことも・・・

今回は低金利時代だから注目したい、金利と利息の話です。

利子と利息の違いとは?

具体的な話に入る前に、まずは基礎的な用語の話をしておきましょう。

貯金をすると、「利子」「利息」「金利」と、似たような、似ていないような言葉がでてきます。まずはこれを明確にしておきましょう。

「利子」とは、貸し借りした金銭に対して一定率で支払われる対価のことを言います。
そして、「利息」とは、利子と同じものを指します。

では、なぜ2つの言い方があるかというと、一般的には借りた側が支払うものを「利子」。 貸した側が受け取るものを「利息」と呼ぶからです。

ちなみに、銀行預金では「利息」と表現しますが、ゆうちょ銀行では「利子」と言い、法律用語では利息制限法など「利息」と表記されるようです。このあたりが混乱の原因かもしれません。

何はともあれ、利子と利息は同じものだと理解すればよいということです。

金利とは?

では、「金利」とは何でしょうか?

金利は、お金を預けたり貸し付けたりしたときの利子・利息の「元金に対する割合のこと」。

雑に表現するならば、「利子」も「利息」も「金利」も、同じものをさしているといってもよいでしょう(雑すぎる気もしますが)。

表現としては、「金利は〇%だから、〇円の利息がついた」というようになります。

金利の計算方法としては、一年間の利息の割合を「年利」。1ヶ月の利息の割合を「月利」。1日あたりの利息を「日歩(ひぶ)」と言います。今回のテーマは貯金なので、日歩は使われませんが…。

単利と複利の違いとは?

さて、もう一つややこしい話を。利子には「単利」と「複利」の二つがあります。

「単利」とは、原本金額を変えずに計算して毎回の利子を決めるもの。
「複利」とは、原本に利子を加えた金額を元にして、次回の利子を決めるもの。

こう言われても分かりにくいので、100万円を年利3%で預けた場合でシミュレーションしてみます。

単利の場合

1年後の元利合計(元本と利息を合算したもの)は、100万円に3%分の利息が付くので103万円。
2年後も、100万円に3%分の利息が付くので、合計106万円。
3年後も、同じくで109万円となります

1年複利の場合

1年後の元利合計は、単利と同じく、100万円に3%分の利息が付くので103万円。
2年後は、103万円に対して3%となるので106.09万円。
3年後は、106.09万円に対して3%となるので109.2727万円となります。

普通貯金と定期貯金の違いとは?

さて、本題です。

銀行などではさまざまな金融商品がありますが、一般的な貯金には、「普通貯金」と「定期貯金」があります。財テク好きな方は、「日本は金利が安いから外貨貯金の方が…」と考えると思いますが、そうでない方は一般的な貯金が大好き。多くの方が普通貯金にお金を貯め、ある程度たまったら定期貯金にするわけです。

普通貯金とは、流動性貯金と言われるもので満期はなく、いつでも出し入れが可能です。

一方、定期貯金とは1年2年など満期があります。いつでも解約は可能なものの、途中解約するには中途解約利率が適用されます。この不自由さがあるので、普通貯金に比べて金利が高いことが多くなっています。

銀行の金利をチェック

少し前に、郵便局で、おじいちゃんが「定期貯金にしたいんだけど、金利はどれくらい?」と相談していました。郵便局員は、「今は金利が安いですから、増えることは期待しないで、安全性を求める感覚で」と言っていました。

そんなに安いのか…ということで、今どれくらいの金利が設定されているかを見てみましょう。

普通預金金利

定期預金金利

みずほ銀行

0.001%

0.002%

ゆうちょ銀行

0.001%

0.002%

楽天銀行

0.02%〜0.10%

0.02%

住信SBIネット銀行

0.001%

0.02%

東京スター銀行

0.001~0.1%

0.015~0.25%

オリックス銀行

0.01%

0.1~0.3%

あおぞら銀行 BANK支店

0.2%

0.15~0.2%

「なぜ都市銀行がみずほ銀行だけしかないんだ」と言われそうですが、都市銀行は横並びだと思ってください。ゆうちょ銀行も同じです。普通貯金金利0.001%と定期貯金金利0.002%の間には2倍の差がありますが、元が低いので、なんだこりゃ?といった感じ。郵便局でおじいちゃんが言われたことは当然です。

しかし、それ以外の銀行では、金利には大きな差がありました。上の表を見ていただければわかるとおり、あおぞら銀行BANK支店に至っては普通貯金金利でも0.2%!

みずほ銀行と比べると200倍! 定期貯金でも100倍の違いがあるんです!

これって、すごい!

実は、あおぞら銀行のこの金利は業界トップクラスと言われているそうで、これをあのおじいちゃんに知らせてあげたかった、笑

あおぞら銀行BANK支店に預けるなら普通貯金の方が賢い

しかも不思議なのは、あおぞら銀行BANK支店に限っては、普通貯金の金利と定期貯金の金利が横並び、あるいは定期の方がちょっと安かったりします。

定期貯金でよく聞くのが、以下のような話。

「数年間、出さないつもりで定期貯金にしたけれど、急に家族が病気になって解約した」
「突然家族が結婚すると言い出して、満期に達していない定期貯金を崩して資金を用意した」

まとまった金額の出費は予想外のことも多く、そのために定期貯金を解約する人は意外に多いものです。それなら、あおぞら銀行BANK支店の普通貯金に預けてればよかったという話です。

ちなみに今回の調査で一番良かったあおぞら銀行BANK支店に1000万円のお金を預けた場合。年利0.2%ですから、 利息は2万円つくことになります。これは馬鹿に出来ない金額ですよね。

銀行は金利と利便性で選ぶ時代が来ている 

どの銀行選ぶのかはそれぞれの価値観がありますし、貯金以外の金融商品もたくさんあります。ですが金利が安い時代だからこそ、各銀行の金利をチェックして預け先を決めるべきですし、その他の利便性についても加味するべきと言えるのではないでしょうか。

都市銀行はどこにでも支店があって便利じゃないの?
という方もいるのですが、それは少し違う時代が来ています。

都市銀行は有人の支店をどんどん減らしていますし、ATMですら結構なくなっています。郵便局は全国にあるし、必ずATMもくっついていますが、仕事が終わった時間に行ったら、ATMまで閉まっていることもあります。

そんな人が便利に使うのが、コンビニのATM。さらに、最近はどんどんとキャッシュレス化が進み、現金レスの時代になろうとしています。

こうなると、銀行の使い方も大きく変わるはず。例えば、コンビニの ATM で引き出す時の手数料が安いものを選ぶ方が賢いのかもしれません。またネットバンクは、他の銀行への振込手数料が安いことも多く、ビジネス口座として使うにも便利になっています。 

そもそも、これだけ金利が安いのに各種の手数料がかかりすぎだと思いませんか?

しかもこれからは、口座を維持するにもお金がかかるようになるやもしれず、本当に便利な銀行ってどこなのか?を真剣に考えなければいけない時期が来ているのかもしれません。

今は総じて金利は低いけれど、だからこそ格差は大きい。決して横並びではないので、この機会に銀行を賢く選び、一歩進んだ家計防衛をしてはいかがでしょうか。

最後に余談

そういえば先日、ファイナンシャルプランナー養成講座の講師の方とお話をする機会があり、驚いたことを伺ってきました。ファイナンシャルプランナーとは、お金の専門家とも言えるもので、その講座を受けに来る方はそれなりにお金に対する知識は深いはずです。

ところが、一部には金利の話が今一つわかっていない人がいて、そのベースになっているのは、「私はお金を持っていないから、誰かに貸すことはない。だから利息なんて貰うことは一生ない」と思っている人がいたそうです。

しかし、貯金という行為は銀行にお金を預けているのであり、言い方を変えれば銀行にお金を貸す行為。だから普通貯金であっても定期貯金であっても利息がつくわけです。

今は給料の振込みを現金でもらうことはまずありません。銀行に振り込まれているわけで、多くの方は利息を受け取っているはず。

ではなぜ、それらの人は利息を受け取っている自覚がなかったのか。それはまず通帳をじっくり見たことがないということがひとつ。そして、中には、利息を何かのポイントだと思っている方もいるようで、「なるほど」と妙に納得してしまいました。

お金には敏感になりたいものですね。それほど持ってはいませんが…笑

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