賃貸のゼロゼロ物件は本当にオトク? 敷金礼金ゼロ物件の特徴や注意点

敷金と礼金が0円の賃貸物件を、ゼロゼロ物件といいます。入居時の初期費用が抑えられるため、賃貸のゼロゼロ物件は間違いなくオトクな物件です。とはいえ、「敷金と礼金を無料にしないと借りてもらえない事情が何かあるんじゃないか?」と疑う人も多いのでは?
確かに、賃貸物件の中には敷金や礼金が相場より高くても人気のある物件は実際にあります。では、どんな物件がゼロゼロ物件として貸し出されるのでしょうか。

今日は、賃貸のゼロゼロ物件について物件の特徴や注意点を解説します。ゼロゼロ物件を借りてもデメリットを感じない人についても解説しますので、「引っ越しの初期費用は抑えたいけどゼロゼロ物件はどうも怪しいな……」と思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ゼロゼロ物件=早く借りてほしい物件

賃貸物件の敷金や礼金を無料にするのは、貸主が「早く借りてほしい」「空き部屋を埋めたい」と考えるからです。

では、具体的にはどんな物件がゼロゼロ物件として貸し出されるのでしょうか。

ゼロゼロ物件は部屋の条件に要注意

ゼロゼロ物件として貸し出されるマンションやアパートの中には、あまり条件の良くない物件があります。

条件があまり良くない賃貸物件とは、たとえば

  • 日当たりが良くない
  • 大きな道に面している
  • 駅まで距離がある

などに当てはまる物件です。

部屋の条件があまり良くない物件は、部屋自体の魅力が少ないため、その他の面に魅力をもたせなければ借り手をなかなか見つけられません。反対に、条件の良い物件は部屋自体が魅力的なので、少しくらいは初期費用が高めでも入居希望者が集まります。

このように、多くのゼロゼロ物件には入居希望者を集めるのに苦労しているといった貸主の悩みが隠れているのです。

条件によってはゼロゼロ物件が合う人もいる

ほかの人にとっては魅力的でないゼロゼロ物件でも、生活環境や好みなどによってはピッタリだと思う人もいます。

たとえば、

  • 帰宅時間が遅くて日中は家にほとんどいない人
  • 昼と夜が逆転した生活を送っている人
  • 洗濯物を全て部屋で干す人

などは、「日当たりは別に気にしない」と思うことも珍しくないでしょう。また、ほとんど駅を利用しない人であれば駅まで距離があってもあまり生活に支障がないですし、防音や目隠しなどの対策さえしっかりしてあれば、大きな道に面した部屋でも快適に過ごせる可能性があります。つまり、ゼロゼロ物件として貸し出されている部屋の条件が、だれにとっても悪条件だとは限らないということ。入居者の生活環境や好み、部屋の設備などによっては、ゼロゼロ物件でも十分に満足できる可能性があります。

そこで、ゼロゼロ物件を見つけたら、「好条件の物件と比べてこの物件は何が劣っているのだろう?」と考えてみてください。また、それと同時に、自分にとって好条件の物件とはどんな部屋を指すのかについても、一度よく考えてみましょう。いざ入居してから気付くと後悔することにもなりかねませんので、納得がいくまでしっかりと確認することが大切です。立地条件を見ても内見しても分からない場合は、不動産屋や大家に聞いてみるのもアリですね。

ゼロゼロ物件を借りる際の注意点

続いて、ゼロゼロ物件の注意点を解説します。

賃貸のゼロゼロ物件で注意が必要なのは、部屋の条件だけではありません。たとえ部屋の条件が自分の探している条件にピッタリだったとしても、物件によっては思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性もあります。賃貸契約を結ぶまでに、しっかりとチェックしましょう。

 

注意点1. 退去時に原状回復費用を用意しなければいけない

1つ目は、退去時に必要な原状回復費用に関する注意点です。

賃貸契約を結ぶ際に、借り主が貸主へ預ける保証金のことを敷金といいます。賃貸物件の借り主には、原状回復(退去時に室内を元の状態へ戻すこと)の義務があることをご存じでしょうか。敷金を預けてある場合は、退去時の原状回復に必要な費用を貸主が敷金から支払い、残りを借り主へ返金します。

しかし、ゼロゼロ物件には貸主へ預ける敷金がありません。敷金がないということは、退去時の原状回復にかかる費用は退去時に別で用意しなければいけないということです。退去時には、部屋の修繕にかかる費用だけでなく、クリーニングにかかる費用を請求されることもあります。中には、入居時や退去時にカギを交換する費用を借り主が負担しなければいけない物件もありますので、注意が必要です。

いざ退去することが決まってから気付くと、トラブルになる可能性があります。退去時の費用に関しては、内見の前後で不動産屋に確認すれば教えてもらえることも多いので、契約前に質問してみるのがオススメです。また、契約書に押印する際には、最初から最後まで契約書をしっかりと読みましょう。

 

注意点2. 家賃が割高の物件もある

2つ目の注意点は、家賃が割高である可能性です。

ゼロゼロ物件の中には、初期費用を抑えられる代わりに家賃を割高に設定している物件もあります。中でも、ゼロゼロ物件なのに何も問題点がない部屋の場合は要注意です。敷金や礼金を無料にしても貸主に損がないよう、家賃に少し上乗せしているかもしれません。敷金なら退去時に使わなかった部分を返金してもらえますが、家賃として支払ったお金は退去時に1円も返してもらえません。初期費用だけに注目すると、家賃が割高であることに気付かないまま入居してしまう可能性もあります。

その街の家賃相場は、「○○区 マンション 家賃 相場」などと入力して検索すると調べられます。賃貸物件を探すときは、その街の家賃相場も一度チェックしてみましょう。

 

注意点3. 住人の質が悪い物件もある

ゼロゼロ物件の中には、住人の質が悪い物件もあります。

住人の質が悪い物件とは、一般的な常識が通用しない人(モラルに欠ける人)が多く暮らす物件のことです。実は、治安の良いエリアは家賃相場が高く、治安のあまり良くないエリアは家賃相場が低いといった傾向があります。逆から見れば、家賃相場が高いから治安が良くなり、家賃相場が低いから治安が悪くなるとも言えるのではないでしょうか。この傾向は、街だけでなく物件そのものにも当てはまります。つまり、家賃が極端に安い物件やゼロゼロ物件の中には、住人の質が悪い物件もあるということです。

住人の質は、マンションやアパートの周りを実際に歩いてみたり、内見の際に物件内の様子を確認したりすることで確認できます。中でも、自転車置き場やゴミ捨て場の様子には住人の質が表れやすいので、一度チェックしてみてください。

初期費用だけでなく総合的に判断しよう

今日は、賃貸のゼロゼロ物件について、物件の特徴や注意点を解説しました。

ゼロゼロ物件の最大の魅力は、何といっても引っ越しの初期費用を抑えられることです。とはいえ、入居時にはオトクだと感じた物件でも、物件や暮らす人によっては結果的にオトクでなくなってしまう可能性があります。気になるゼロゼロ物件があるときは、本当にオトクな賃貸物件なのかどうかを見極めるためにも、初期費用だけでなく、家賃や住環境、退去時に負担する費用などを契約前にしっかりと確認しましょう。

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