少子化が止まらない!大家の老後を守るための賃貸リノベーションとは?

  • 2019/10/21
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2019年、予想よりも早く少子化が進んでいるようです。人口より物件が多くなれば、普通の賃貸では埋もれてしまうかもしれません。条件の良い賃貸は家賃も高い傾向にあるため、仕方なく郊外に住んでいる方がいます。しかし、人が少なくなれば条件の良い物件も値割れを起こし、郊外に住んでいた人は引っ越してしまう可能性もあるでしょう。

賃貸経営は住む人がいなければお金になりません。これは由々しき事態です! これまで通り賃貸経営を続けるなら、「駅が近い」「学校や買い物できるところが近い」「家賃が極端に安い」といった特長が必要だと考えられます。そうでなければ、賃貸経営の生存競争に負け、淘汰される可能性があるのです。

そこで、今回は少子化により人口が減った老後でも賃貸経営を続けられ、さらに増収までも見込めるリノベーション方法をご紹介します。




 

空き室が出た→家賃を下げるではジリ貧に追い込まれるだけ

大家にとって最も心配なのは、空室状態が続くことです。

その解消のために家賃を下げることは、収益も下げることになります。

「利益が減ることは百も承知。入居者には迷惑をかけてないからいいだろう」

そう思っていたら大間違いです。

というのも、利益の低下はサービスの低下につながるからです。一般的に見れば、利益が減ったにもかかわらず家賃の値下げ前と同じサービスを続けることは難しいと考えられます

値段を下げることは、いわば「もろ刃のつるぎ」……大家にとっても借り手にとってもベストな方法とはいえません。

入居者が暮らしやすい家で老後を救う

人里離れた場所にある一軒家や農業体験のできる民宿など、田舎を題材としたものは人気が高く、都会で暮らす人からすると不便ながらも美しい生活に見えます。

しかし、それは「他人の生活」や「そのときだけの体験」だから美しい生活に見えるだけであって、自分自身が住むならば本来は便利で快適な暮らしの方がいいハズなのです。

少子化が進めば、空き家・空き部屋の数に対して借り手の数も少なくなります。日本人の代わりに外国人を受け入れることもできますが、大家自身の体力や気力が衰えていくことを考えると現実的ではないでしょう。

そこでオススメなのが、将来の入居者を獲得するためのリノベーションです。

オススメのリノベーション方法1.お手入れ楽々のIHコンロ

普及率はまだまだ低いので、IHコンロがある部屋とない部屋では入居率がガラリと変わります

IHコンロは掃除がカンタンで、ガスコンロに比べるとガス漏れや火災の危険性が低いため、子どもやお年寄りのいる家庭では特に人気の高いコンロです。

注意が必要な点は、強化ガラスとはいえ重たいものを落とすと割れることと、停電すると使えないことです。有名家電メーカーに勤めていた頃を思い返してみても、IHコンロの表面ガラスを割ってしまったという相談が断トツでした。

IHコンロの表面ガラスが割れてしまうと、修理費用は3万円~5万円ほど必要です。物を落とすことは使用者の過失ですので、保険は使えません。ガラストップの在庫によっては、直るまでに数日かかることもあります。

オススメのリノベーション方法2.悪天候でも大丈夫!浴室暖房乾燥機

浴室暖房乾燥機は、天気が悪くても浴室に服をかけておけば乾く優れモノです。日常的に使うことで、浴室内のカビを抑制する効果もあります

デメリットとしては、洗濯のたびに使うと電気代が上がってしまうこと。とはいえ、雨だけでなく花粉が飛び交う時期にも使えるため、室内干しの多い入居者にはメリットが多い設備です。

オススメのリノベーション方法3.セキュリティ面の強化

個々の入居者にお願いするのではなく、アパートが独自にセキュリティーを強化すればそれもアパートの特色になります

たとえば、

  • 共有スペースの監視カメラ
  • テレビモニター付きのインターフォン
  • ディンブルキー

など、後付けでも強化できるセキュリティーはたくさんありますね。

セキュリティ面を強化することは、住人の質を向上させることにもつながります。何か悪いことをしている人は、監視カメラに自分の姿が記録されることを極端に嫌がるのです。

オススメのリノベーション方法4.外観をきれいにする

物件を選ぶ際、多くの人は外観で判断します

部屋の中がいくらきれいでも、外観が汚ければ入居してもらえません。見て数秒でYesかNoを決めている人もいるくらい、シビアな問題です。

また、物件の外観は入居率だけでなく防犯上の問題にも関わります。

「割れ窓理論」をご存知でしょうか? 割れた窓を放置していると防犯に関心がない地域とみなされ、犯罪率が上がる理論のことです。

割れた窓には、「町の清潔さ」「物件の治安」にも当てはまります。ニューヨークでは、これまで放置されていた町中の落書きを徹底的に取り締まったところ、凶悪犯罪率も下がったのだそうです。

さらに、ディズニーランドでは小さな破損も見逃さずに修繕しており、これが従業員と来場客のマナー向上につながっていると言われています。

このように、外観を整えることは建物全体の治安を良くすることにもつながるのです。

オススメのリノベーション方法5.外に人物感知センサーライトを付ける

人物感知センサーライトがあれば、鍵を取り出したり開けたりするときに役立ちます

人物感知センサーは人が通ったときにのみ反応するため、電気代が安いこともメリットです。外観をきれいにした上でさらに共有部分を明るくすれば、防犯にも役立ちますね。

老後を見据えてリノベーションをする3つのメリット

リノベーションをすると費用はかかりますが、資金をうまく活用すれば、ほかの賃貸住宅との差別化を図れます。

リノベーションをすることで生まれるメリットは、主に以下の3つです。

メリット1.入居者に安心で快適な生活を提供できる

キッチンまわりや防犯上のリノベーションは、まわりの賃貸もそこまでやっていないからで終わらせず、多少家賃を上げることになっても実施することをおすすめします

設備投資と家賃の値上げは、住民の質を向上することにもつながるからです。

質の良い入居者をターゲットにすることは、体力が衰える老後にこそ重要な課題だといえるでしょう。

メリット2.資産価値が向上する

リノベーションをすると、資産価値が上がります

たとえ古い建物であっても、土台がしっかりとしていて外見もきれいなら複数の売却候補先が見つかる可能性もあります。これは、リノベーションをしたことによって物件のイメージが良くなり、売却後に先方が直す手間と時間を省けるからです。

いずれ売却する可能性があるなら、ぜひリノベーションを前向きに検討してみてください。

メリット3.ターゲットを決めることで訴求しやすくなる

3つ目のメリットは、ターゲットを決めることで宣伝や広告の方向性を定められることです。

訴求するターゲットを単身者にするのかファミリーにするのかが違うだけでも、リノベーションの内容はガラリと変わります。ファミリー向け物件にするなら、やはりIHコンロや防犯設備の充実は欠かせませんね。

リノベーション前にターゲットを絞り込み、彼らに喜ばれるリノベーションを目指しましょう。

まとめ

大家さんご自身が老後を迎える頃には、ますます少子化が深刻になっていることでしょう。現時点での入居者を増やすためにも、将来の入居者を確保するためにも、リノベーションは必要な投資といえます。限られた資金で効果的にリノベーションするためにも、まずは訴求するターゲットを決めて、必要な箇所に絞ってリノベーションを行うのがオススメです。

人生100年時代、豊かな老後を見据えた賃貸経営を目指しましょう。

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