不動産投資の失敗あるあるパターンと成功するためのポイント

不動産投資を始めるときは、誰でも成功するという算段で始めますが、気が付けば失敗してしまった、という人は後を絶ちません。今回は、不動産投資でありがちな失敗あるあるパターンと、成功するためのポイントについて解説します。

 

不動産投資の失敗あるあるパターン4つ

不動産投資の失敗あるあるパターンを知ることは、自分自身が同じ過ちを犯さないようにするために重要です。人の振り見て我が振り直せということわざもありますが、同じ轍は踏まないよう、ぜひチェックしてくださいね。

入居者が集まりやすいからと新築物件を購入

不動産投資でマンションやアパート経営をする場合、入居者が集まるかどうかは非常に重要なことです。入居者が集まらないと、その分家賃収入が減って収支に直結するので、意識すること自体は問題ありません。

しかし、入居者の集め方として、「新築なら入居者を集めやすいだろう」と考えて新築物件を購入すると、失敗する確率が上がってしまいます。

その理由は「新築プレミアム」の存在です。新築であるというだけで、物件はかなりの高値がついています。新築でなくなると、その時点で物件価格は値崩れし、多い時には3割も下がってしまうことすらあります

一方、家賃は周辺との兼ね合いもあり、あまり高くすると入居者が集まらない場合もあるため相場をかけ離れた家賃設定はできません。結果として、物件価格が下がった分を取り戻すことは困難になり、不動産投資の継続をあきらめてしまうのです。

自分で調べず広告や業者の言う数字を信用

不動産投資を勧める広告や不動産会社の言葉には、多くの数字が飛び交います。メインの数字は不動産投資をした場合の利回りです。しかし、不動産投資の高い利回りにつられて、投資してみたら、実は入居者がなかなか集まらない物件で、広告費を多く使ってしまった。また、敷金礼金の値引きなどで無理をしてしまって当初の計画とは程遠い利回りになってしまった、というあるあるパターンも。

不動産投資の利回りとして広告に掲載されている数字は、多くの場合「表面利回り」と呼ばれるものです。表面利回りは、単純に家賃収入を物件価格で割った数字ですが、この計算式の中には、入居率や物件購入時・入居者探しなどの諸費用が含まれていません。これらを計算すると、実は毎月持ち出しだった、ということさえあります。

自己資金がなくローンを組んで投資を開始

ローンを組んで不動産投資をすると、毎月の借金返済分を家賃収入から補わなくてはならず、その分収益を圧迫します。自己資金がないのに、物件を購入する資金をすべてローンにしてしまうと、設備の故障などによる修繕費や家賃滞納、災害などへの対応をするお金が残りません。自己資金ゼロで、あるいは非常に少額で不動産経営を始めると失敗するリスクはとても高いと考えましょう

利回りの高そうな地方の物件に投資

広告などを見て、利回りの高そうな地方の物件に投資してみたけれど、入居者がなかなか集まらず、広告費がすごくかかってしまった、という失敗もよくあるパターンです。入居率が悪くて期待していた利回りとはほど遠い、という失敗は、首都圏以外では普通にみられます。

特に、地方の郊外にある物件は、近くに大工場がある、大学のキャンパスがある、といった好条件がないと、かなりの確率で空室を抱えることになるでしょう。大工場や大学にしても、未来永劫にその場所にあるとは限りません。倒産による閉鎖、移転などが決定すれば、マンションやアパートの経営に深刻な影響があります。

地方に投資する場合は、その物件周辺のマンション・アパート経営事情などをしっかり見極めることが重要です

 

不動産投資の失敗あるあるパターンから学ぶリスク回避のポイント

ここまで見てきた失敗あるあるパターンから、どうすればリスク回避できたかを考えてみましょう。

新築物件には手を出さず中古物件から始める

不動産投資をする際、新築プレミアムのない中古物件から始めるようにしましょう。一般的に、物件の価値は築年数が5年を経過するまでの間急激に下がり、その後築20年までなだらかに下がり続けます。値ごろ感の出ている築年数の浅い物件を投資のターゲットにして、無理のない資金計画を立てるようにすることで、新築購入の失敗は避けられます。

勉強と情報収集を怠らず数字は自分で必ず検証を

不動産投資をするには、利回りなどの数値を自分自身で検証して、本当に問題ないのかの確認をするようにしましょう。分からないことがあれば自分で調べるなど、勉強と情報収集をしてください。

特に、不動産投資の利回りについては、家賃収入の計算に、入居率や毎年必要な固定資産税や管理費などの維持費用が考慮されていないことが多々あります。具体的に検討したい不動産物件が出てきたら、以下のことは最低限チェックしましょう。

  • その物件周辺の入居率、家賃相場、物件価格相場
  • その物件の管理費や修繕積立金
  • 固定資産税の確認
  • 中古物件の場合、入居者の現況と退去にかかった費用の平均
  • 敷金と礼金をいくらぐらいに設定できるか
  • 物件購入時にかかる仲介手数料や登記料などの諸費用

これらの数字が出そろってから、自分で実質利回りの計算および、退出費用を敷金・礼金で賄えるのかどうかというリスク計算ができます

リスク用の自己資金を用意しローンも極力少なくする

不動産投資を始める前に、運転用の自己資金を手元に用意してください。設備が壊れた場合や退去時の費用は10万円単位で必要になることを考えると、自己資金は多ければ多いほど安心と言えます。

不動産投資は、ついついすべてがうまくいった場合の計算で始めてしまいがちです。しかしその状態では、何か1つでもトラブルが発生すると、すぐに資金繰りが破綻する危険性が高くなります。家賃収入が目減りする以下のリスクに備えましょう。

  • 退去による空室発生
  • 設備の故障
  • 災害による修繕
  • 家賃滞納

事前に予測できるだけでも、これだけのリスクはあります。自己資金がゼロの状態で不動産投資に乗り出すことのないようにしてください。

また、物件を購入する際も可能な限り借金しないようにしましょう。金利には上昇リスクがあります。変動金利で借金をしていると、金利が上昇したときに返済額が増えてしまいます。借金額が少なければそのリスクも圧縮できますので、やはり自己資金を可能な限り多く用意してから不動産投資を始めるようにしましょう。

 

不動産投資を成功させるポイント3つ

最後に、不動産投資を成功させるポイントを3つ紹介します。いずれも、基本的なこととして実践していきましょう。

自ら学び自分の目で見て考える習慣を身に付ける

不動産投資とは、数字との戦いでもあります。不動産の広告や業者の見せてくる数字は、何もかもうまくいってトラブルのない場合の数字であり、現実では達成困難な条件でもあると考え、自分で実質利回りを計算する習慣を身につけましょう。

インターネットで調べてみるだけでも、実質利回りの計算方法や、どういう費用を織り込まなければならないかについて、詳しく書かれた記事が見つかります。検討している物件周辺の家賃相場や物件価格の相場も、調査できるサイトがいくつか見つかるはずです。これらの情報をすべて組み入れた実質利回りを計算することで、より正確な利回りが確認できます。

利回りの計算だけでなく、不動産投資に関する状況を把握するための情報収集も重要です。これから需要は伸びるのか、それとも落ち込むのかといった広い内容から、その物件周辺で入居率に影響を与える大企業や大学に移転問題はないか、閉鎖の危険性はないかという情報も入手できるようにしておきましょう。

収益を考えるときは退去費用関連も織り込む

収益について計算するとき、不動産を購入する際の諸費用と年間で必要な費用について計算した後に退去関連費用も確認してください。退去費用を把握しておかないと、敷金・礼金をいくらぐらいにするかも見積もれません。敷金・礼金をゼロにしたり、最初の1ヶ月は家賃を不要にしたりといった入居者を増やす施策は、退去費用のことを考えるとかなりのリスクです。手元の自己資金に余裕があるとき以外は、これらの施策を勧められてもうのみにしないようにしましょう。

不動産投資について相談できる人脈を築く

不動産投資について、信頼して相談できる人脈を作りましょう。不動産投資についてのセミナーに参加したり、不動産投資についてのSNSコミュニティに参加したりすることでも人脈はできます。同じような目線で相談する人脈だけでなく、専門家との人脈もできればさらに良いでしょう。

 

まとめ

不動産投資の失敗あるあるパターンは、これから不動産投資を始める人にとって多くの示唆が含まれています。失敗例のどこが問題だったかという点に着目し、不動産投資の成功率を高めるポイントを見出し、実践しましょう。将来的なリスクなどは可能な限り洗い出して備えておけば、いざというときにも慌てずに済みます。不動産投資を成功させるために、事前の勉強や資金の貯蓄など準備も忘れずに進めてくださいね。

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