ビルオーナーや一棟マンションのオーナーなどは、持ち物件に防犯カメラを設置したいと考えている方も多いと思います。
また、オーナーが設置しなくても、そこに入っているテナントがお客さんの出入りを確認するためなどの理由で、防犯カメラを設置していることもあるでしょう。
今回紹介するのは、そんな防犯カメラの話です。
これから設置する方は、ご一読いただければと思います。
警察官も「もう見たくない」といった雑居ビルの防犯カメラ映像
まず紹介するのは、都内にある雑居ビルに入居する飲食店です。
ここが防犯カメラを設置したのは、お客の来店にできるだけ早く気付くためでした。
その店舗があるのは地下。ワンフロア貸切のためその階段を降りてくるのは自分の店に来るお客しかいません。
一方、店舗の入り口部分は死角っぽくなっているため、忙しい時は来店に気づかないということもあります。それではお客さんに申し訳ないということで設置されました。
その後、店の入り口部分に冷凍ストッカーを置くようになった(もちろん鍵付き)ことで、店が無人の時間帯に食材にイタズラをされたら場合、後から確認できるようにと、24時間録画をはじめます。
手ごろな価格になった防犯カメラ。しかも多機能!
ところで、録画機能つきの防犯カメラというと、一昔前はコンビニや大きなビルにしか設置されておらず、それなりの費用が必要でした。
ところが今は、非常に安くなっていることをご存じでしょうか?
いくらぐらいだと思います?
この飲食店が設置したものは、1万円程度。
しかもスマホと連動可能で、遠隔地からタイムリーに録画状況を確認でき、特定の部分をアップにしたり、映す場所を変えたりできます。
そしてカメラにはマイクがついていて、「お前何やってんだ!」などと、ちょっとした脅しをすることもできますw
録画機能は、カメラにマイクロSDカードを挿入でき、これを利用すれば、容量いっぱいまで録画可能。
また、月に数百円払えば、クラウドに最新の2週間分を保存してくれ、どこでも再生できる優れものです。
安くなりましたよね。
そしてカメラの前で悲劇が起こった
そんなある日のこと。
この飲食店に悲劇が起こります。
昼すぎ。店のオーナーが仕事をしようと出勤し階段を降りていくと、異様なトイレ臭・・・というか、明らかにウンPの臭気に嫌な予感がします。
その臭いは階段を降りるほどに強くなっていき、「何かヤバい…」と思ったら、階段の踊り場一面に広がったウンP!!
購入してきた食材を落としそうになったらしいのですが、
「これを落としたら食材までダメになる!!」
と謎の動悸が止まらないまま店内に逃げ込み、「どうしろって言うんだ~」とパニックになります。
何度も何度も深呼吸をし、店内にまで臭いが広がっていることに気づき、とにかくオープンまでに本体はもちろん、臭いも何とかしなくてはいけないと、めちゃくちゃに怒りながら掃除をしたそうです。
臭いはともかく、本体は掃除が終わった後、 防犯カメラを確認します。
なぜなら、ウンPの被害がもっとも酷かったのは防犯カメラの目の前だったからです。
そこでチェックしてみると、犯人は60代前後の窓際サラリーマンぽい男。そいつが一度降りてきて、場所チェックをした後、一度外に出ます。
数分後、再び階段を降り、決してここには書けないような事を数分間に渡ってしでかしやがったのです!!!
詳しいことは割愛しますが、まずはズボンを脱いで、お尻をペローンッと長時間に渡って出し、その後、ピーをピーして、ピーな状態にしていきます。
オーナーは、店の前がどんどんと汚されていく動画を見て、
「こいつ、 ぶっ殺してやる!!」
と怒りに満ちながら、ひたすらそのケツを見るという悲惨な時間になりました。
ちなみに、その録画映像を警察に持って行ったところ、途中まで見た警察官が、「大体分かったんで、もういいです」と言い、「全部出し終わった後の行動がすごいんで、最後まで見てください!」と言ったそうです。
最終的に、店のオーナーがビルの大家さんと共に警察署に出向き、被害届を出すに至りました。
ウンPをされても泣き寝入りのやられ損!
ちなみに・・・
警察で確認したところ、この件では積極的な捜査はできないとのこと。
「不法侵入」は雑居ビルということから成立させにくく、故意であることが立証しにくいので「偽計業務妨害罪」での逮捕も難しい。
警察では「軽犯罪」がやっとだろうから、「その後、民事でがんばってください」と言われました。
自分たちで見つけようと、同じ曜日の同じ時間に犯人捜しをしたものの、「マスクをした60歳前後の男性、中肉中背、白シャツにグレーのパンツ、斜めがけのカバン」という特徴のない犯人で、「いっぱいいるわ!!」ということであきらめたようです。
結局、3ヶ月経っても犯人は見つからず。
ウンPのされ損ですわ!!
結局、この件では、防犯カメラはあったものの、見たくもないじじいのケツを見せられ、店頭がどんどんと汚されていくのを目の当たりにし、冷凍ストッカーの食材にはふれていなかったものの、気持ち悪いので全部捨て、臭すぎるので1日営業を休んだにも関わらず、どうにもならないという悲惨な状況になりました。
もっと衝撃だった歌舞伎町の防犯カメラ
怒りに満ち溢れていたのも時間とともに最悪の事例の一つとして刻まれ、そしてさらに時が過ぎ、酒の場の笑いのネタとなるころ、別のビルオーナーから、防犯カメラで大変なものを日々、目の当たりにしているという話を聞きました。
そのビルオーナーの持ち物件は、日本一の歓楽街、歌舞伎町にあり、ビルには15のテナントが入っています。
5年ほど前、あまりにもビル内の使われ方が悪く、時にはトイレのドアがバキバキに壊されたり、よからぬところに立ちションをされたり、嘔吐物の被害が続出。
その階のテナントの所に掃除をしろと言いに行ったところ、「うちだという証拠が欲しい」だの、「浮浪者じゃねーの?」等と言われることが多発したため、「犯人を探そう」ということで防犯カメラを設置します。
立ちションや嘔吐物は犯人がすぐわかるようになり、その都度、テナントに文句を言いにいき、掃除をしてもらえるようになったそうです。
が!!!!!!
ここに防犯カメラを付けたことで、思いも寄らぬ映像を月に何度も目にするようになるのです。
そのビルにテナントとして入っているのは、ホストクラブや男版の地下アイドルを見せるような店舗。
そのホストや男性地下アイドルが、非常階段など人目につかないところに行き、男女としてまぐわう姿が映るそうなんです。
例えば、チャラチャラした若い男がでっぷりした中年女に手を引かれて非常階段に行き、女性に襲われているとしか思えないシーン。
「あなた初めてなんでしょ。私が教えてあげるわ」と男性が男性に行けないことをしているシーン。
若い女性がなにやらやたらと謝りながら暴力的にご奉仕するシーン。
中には、カメラがあることを分かっていて、これみよがしにやっているケースもあるそうで、うんざりだそうです。
ここに設置してあるカメラは音声をしっかりとる上等のもの。
その気になったら高く売れるんじゃないの?というシーンが目白押しらしく、「生活が苦しくなったら売ろうかな」と冗談半分に言っていました。
防犯カメラはそれなりに役立つけれど、余計なシーンもたくさん取れてしまうようです。
カオス映像も残ってしまう
最後にひとつ、防犯カメラは防犯には役立たなかったけれど、壊したものは弁償してもらえたというお話。
年末のある日。
飲食店オーナーがふと防犯カメラを見ると、店頭の看板が壊れているのを見つけます。
カメラは設置してあってもずっと見ているわけではありません。
そこでまずは看板を直しに行き、明らかな足跡があり、誰かに踏んづけられたことを理解します。
そして店内に戻り録画を見ると、一人の男性がビルの入り口に看板を移動させて入り口を塞ぎ、次の男性がそれを横に蹴り倒し、さらにその後ろの客が「わはははは」と笑いながら、足を振り上げて踏んで行く一部始終が映っていたのです。
しかも、そのビルの2階にはカラオケがあり、その時間帯に営業しているのはそこしかありません。
怒ったオーナーはその動画をもってカラオケ屋に行き、「5分くらい前に10名ぐらいで入ってきた団体がいないか?」と確認をし部屋を突き止め、部屋へ突入!
ちなみにこの時の飲食店のマスターは、「こんな馬鹿なことをするのは20代の若者だろう。看板は補修をすれば治るだろうけど、同じようなことを繰り返さないように注意しよう」と考えていたそうです。
そして言われた部屋を開け、「このビルの入り口にある看板にいたずらしたのは誰だ!」と言って部屋を見渡すと若者の姿はなし。多くは40代、中には明らかに50代の人も混ざっているグループ。
「部屋間違ったかな?」と思って謝ろうとした時、2人の男性がゆっくりと立ち上がり、「申し訳ありません。私です」「私もやりました」
マジか・・・
「お前何歳だよ」と聞くと、
「お恥ずかしいですが、50歳をこ超えています・・・」
ま、ま、ま、マジか・・・
怒れる50代と怒られる50代という、カオスな状況。
ドン引きする室内。
マスターは、怒り続けるしかないのか?この状況。マスクしてるから年齢分からんわい!
どうすりゃいんだ??
と考えていると、別の男性が、「外で話しませんか?」と提案。
飲食店マスターと2人の犯人男性、提案男、さらに20代のカラオケ店長まで一緒にビルの入口まで行き、事情を確認することに。
マスターは、「お灸を据えにいただけだから、もうどうでもいいゎ」と思っていたらしい。
犯行現場に行くと、ひとりの犯人男性が犯行状況をボソボソと話だし、「50を過ぎて、酔っ払って、いたづら半分でよけなことをし、申し訳ありませんでした」と平謝り。
すると「外で…」と提案男性がカラオケ屋に戻り(多分)、名刺入れを手にして戻ってきて、
「私、会社の代表をしております、○○と申します。今日は会社の忘年会でして、うちの者がご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」と頭を下げたそうです。
それを見た犯人男は、土下座をしようとする修羅場。
それはビルの入口であり、外から丸見えの場所。
カオス!!!!!
マスターが、「もういいです」と切り上げようとすると、「これ、弁償させてください」と数万円手渡され、「足りなかったら言ってください」と言われたそう。
「自分で直すから結構です」と言ったものの、「お詫びです」と引き下がらなそうだったので、遠慮なくいただきました。
「領収書は?」と聞くと、「要りません」って。
何?この会話w
ちなみに、この謝罪の一部始終も、防犯カメラにバッチリ記録されています。
50代が土下座しようとするシーンも・・・
怖い、怖い。
防犯カメラを設置するのに若干の勇気がいる…のか?
ということで、防犯カメラは犯人を捕まえるには、まあ役に立つこともあるし、立たないこともある。
しかし防犯以外のことが写っていたり、ちょっとくすっと笑ってしまうことも写っていたり、色々あるよというお話でした。
防犯の為にだけつけたいという方は、ちょっと勇気が必要かもしれません、笑