賃貸でなかなか良い部屋が見つからない…。もしかするとあなたのせいかも!?
- 2019/6/17
- 賃貸
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引っ越しをするにあたって、なかなか良い部屋が見つからない方も多いと思います。物件が見つからないのは「不動産屋のせい」ではなく、もしかしたら「あなたのせい」かも知れません。探し方に問題がある場合は軌道修正が必要です。
不動産屋に勤める私が、今、部屋探し真っ最中のあなたに探し方を教えます!
不動産会社へ最初の入店時を思い返してみる
部屋が見つからない理由には色々あります。家賃・間取り・立地に問題がある、不動産会社の取り扱い物件や担当営業マンに問題があるかも知れません。でも、入店当時のあなたに問題はありませんでしたか?
心当たりがないか思い返してみましょう。
高圧的な態度
たまに見られるのですが、いかにも「自分はお客様だぞ!」という態度で来店される方がいます。不動産、特に賃貸業は入居から退去までお客様と長くお付き合いが発生します(入居の仲介会社と管理会社が別な場合もあります)。なので、「あっ、面倒だな」「入居後に理不尽なことを言いそうだな」と思われて得することは1つもありません。
業務的な最低限の物件だけを紹介して、帰ってもらうようにすることもあります。
営業マンは家主様とも交流がありますので、良い物件があったとしても「このお客さんにあの家主さんの物件を紹介したくないな」「このお客さんが住んだら家主さんが可哀想だな」と思えば紹介を避けますし、決まらないように仕向けたりするのが心情です。
不動産会社同士で交流がある営業マンもいますので、他の不動産会社に行ってもお客様の噂が広がっていることもあります。
奇抜・貧相な服装
スーツなどの正装で行く必要はありませんが、最低限清潔感のある服装で行きましょう。あなたが営業マンを第一印象で判別しているように、あなたも営業マンから第一印象で判別されるのは当然のことです。
稀にジャージ・寝間着で来店される方がいます。失礼ですが、「お金を持ってないのでは?」と思われても仕方ありません。その様な服装で堂々と外出される無神経さも疑われます。
騒音クレームが予想される車・バイク
趣味は自由ですが、他人に迷惑をかけるのであれば共同住宅には住めません。アパートの家主さんだって入居を許可してくれませんし、営業マンも「入居後に近隣住民からクレームがくる」と思えば、部屋を気に入られたら困るので良い部屋は紹介しません。
車高が低い車、大きすぎる外国車では物件も限定されます。物件の幅を自ら狭くしているようなものです。
お部屋探しの条件は?
条件を聞かれたときに「安くてキレイで近くで角部屋で…。」と答えていませんか?
あなたの希望を全て叶える物件はありません。そんな物件があれば、皆その物件に決めます。
まずは条件と希望の整理をしましょう。条件は引っ越すにあたって「必要なもの」、希望は引っ越すにあたって必要ではないけど「あったら決め手になるもの」です。
学生であれば条件は学校近くの安い物件になるかと思います。どんなに良い物件でも、学生なのに学校から遠い、学校からのアクセスが不便では本末転倒です。
女の子の1人暮らしであれば、オートロックの部屋が条件になるかも知れません。その場合は家賃の安さは条件から外して、あくまでも希望として考えましょう。
担当の営業マンがあなたの条件と希望を整理できずに、物件をうまく紹介できずにいるかも知れません。
条件は本当にそれで良い?
条件と希望は整理できたでしょうか。次は、その条件が矛盾していないか確認しましょう。
条件が矛盾している方は意外と多いです。
場所の矛盾
たとえば、職場まで近い物件を探す場合、「A町の物件」を条件とする方がいます。もう少し深く掘り下げると「A町であれば職場まで○○分で行ける」ことが理由のはずです。
だとしたら、「職場から○○分圏内の物件」という条件に変えて探しましょう。不動産会社からすればB町で通勤時この道を使えば早いと知っていることもあります。
頑なに「A町の物件」と言い張る方がいらっしゃいますが、言い方ひとつで紹介できる物件の範囲が広がります。
価格の矛盾
たとえば「家賃5万円以内」を条件にしたとします。家賃が5万円でも共益費や駐車料を加味すると総額で6万円近くの物件を紹介されるかも知れません。「月々の支払いが総額で5万円」という言い方に変える必要があります。
また、インターネットを別途契約されている方は、3千~6千円程度を月々支払っているはずです。ネット込みの別件であれば、月々の家賃としては5万5千円程度でも総額としては許容範囲内に入りませんか?
そのような方は「インターネット込みであれば家賃5万円以上でも可能」という条件に変えることで紹介可能な物件が広がります。
月々の支払総額が5万円を超えたとしてもトータルで考えるとお得な物件があるかも知れません。
更に、長期的な視点で考えてみることも必要です。物件によって、または契約する不動産会社によって、契約の更新料が変化します。C物件を契約するのに、Y不動産会社で契約した場合は更新料がかかり、Z不動産会社で契約した場合は更新料がかからないこともあります。同じ物件でも、別な不動産会社で契約することで違うことがあります。
ネットの情報を見過ぎてない?
ネット環境が普及し、スマホでも簡単に物件の情報を得ることができます。しかし、ネットの情報だけで判断するのは危険です。気になったらまずは営業マンに話を聞いて、実際に見に行きましょう。
ネットで「この物件良いな」と思っても、周辺の雰囲気や環境は見に行かなければわかりません。
「4階建ての最上階」の物件に惹かれて見に行ったら、エレベーターではなく階段で4階まで上がる物件かもしれません。
物件は良くても、営業マンに話を聞いたら「実は家主がちょっと厄介で…」なんてこともあります。
ネットの情報はあくまでも上辺だけの情報です。
決まっている物件がシステム上の問題で数日表示されたままになっていたり、人的な問題でまだネットに上げられていない掘出物の物件もあったりします。
とはいえ、家が見つからないのは担当の営業マンのせいもある
ここまで「あなたのせい」かも知れないとお話しましたが、本来あなたの条件を聞き出す能力が求められるのが営業マンの方です。しかし営業マンも人間です。
聞き出す能力が低い方もいます。話は上手いけど知識が少ない、話は不得意そうだけど一生懸命に探してくれる…、など個性があります。営業マンの力をいかに活用するかは、あなたの技量も試されるところです。
不動産の賃貸に関しての営業は、単に物を売る訪問販売や家電量販店の店員さんとは違います。あなたから営業マンに話しかけることで、「このお客さん、もしかしたらあの物件気に入るかも!」と気付くキッカケになります。
話をして信頼関係を気付くことで入居後にもその関係性が役立ちます。不動産賃貸の営業マンは家主さんとあなたの間に入って仕事するため、他の営業とは違う少し特殊な仕事です。物を売ったら終わりではなく、入居した後から長いお付き合いが発生する場合が多いので、営業マンを味方につけて損はありません。
まとめ
良い部屋が見つからない方は、営業マンのせいにする前に、自分のことを思い返してみましょう。条件と希望をしっかりと整理できていますか?
その条件に矛盾はありませんか?
営業マンにあなたのことをちゃんと伝えていますか?
まず、立地や部屋の理想を思い付くだけ紙に書いてください。その中で、絶対に必要なもの3つに丸を付けましょう。それ以外は条件ではなく希望ということで整理ができます。
不動産の賃貸業界は、お客様との付き合いが長くなるので「クレーム産業」とも呼ばれ、他の販売営業とは違います。トラブルがあったときにはあなたの味方になってくれます。「自分はお客様だぞ!」という態度で来店しても良いことは1つもありません。
部屋探しにも、入居後にも役立つ信頼関係を営業マンと築きましょう。