昆虫食が世界中で熱い!ベンチャー企業が続々参入でブーム到来
- 2020/8/19
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「昆虫食」と聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?
以前は東京のスーパーでもイナゴの煮付けのようなものが売られえていて、ひえ~と思ったものですが、今、世界中で昆虫食が注目されているそうで、こうなったら調べずにいられません。
と言うことで、不動産にはあまり関係ありませんが、夏休みの自由研究と言うことでお付き合いください。
ちなみに昆虫食の世界、可能性のかたまりです!
世界が昆虫食に注目する背景
私にとって昆虫食は、郷土料理でありゲテモノという位置づけでした。
以前に地方(長野だったような・・・) に出張に行った時、「精をつけてほしい」と出されたご飯に、明らかに「あかんやつ」が乗っていたという苦い経験があります。蜂の子ご飯というものだそうで、出された手前、口をつけないわけに行かず、泣きながら食べた記憶があります。ひとくちだけ・・・。
私の50年の人生において、昆虫を食べたのはその一回のみ(あと一回、自転車で坂を登ってて開いた口にカナブンが入ってきて、思わず噛んでしまった経験がありますが)。
ですが、最近になって国連も昆虫食に注目しているようで、ベンチャー企業が次々と参入しています。これは何やら、ビジネスチャンスのにおいがプンプンしてきます。
では、なぜ昆虫食が注目されているのでしょうか?
これには、2013年に国際連合食料産業機関(FAO)が発表した、「食用昆虫~食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望」と題する報告書が関係しています。
そこでは、
「2050年には世界人口が90億人(現在は75億に)に急増し、深刻な食糧危機に陥る。そこで、人間が昆虫をたんぱく源として直接食べることや、昆虫を家畜や魚の餌にすることを推奨する」
と書かれています。
人口が増えれば、当然、食料が不足します。また開発も進み、一次産業を有効に行えるスペースが減ってしまうのはこれまでの人類の歩みを見ればあきらか。こうなると食料不足は深刻化するわけで、「何か対策を」となるのはあたりまえのことです。
ちなみに、どこかで見た資料では、世界中で20億の人が、2,000種類の昆虫を食べているとか。伝統食という位置づけですが、アジア、アフリカ、南米ではすでに食べられているそうです。めちゃくちゃ広いですよね。というか、白人が中心となって作った地域だけが食べていなかっただけかもしれません。
アメリカやヨーロッパも昆虫食に注目しだした!
ところが、これが変わろうとしています。
2015年、「ノヴェルフード(欧州で食経験のない食品や食品原料、または新たな方法でつくられた食品など)に関する規制」というものがEUで承認され、昆虫が食用として認められました。
その後、2018年から、実際にEU加盟国では昆虫が取引されるようになっています。
そしてこれにより、ベンチャー企業が中心となって、昆虫の養殖事業に参入。こうなると、アメリカでも注目を浴びるようになり、ブームがはじまったのです。結局、世界で流行るには、欧米で流行ることが重要だという世界の構図(笑
昆虫食が消費者に受け入れられている理由は2つ
昆虫食が消費者に受け入れられるようになった理由は、2つあると思います。
ひとつは、販売されるものに昆虫感がなく、オシャレになったから。
伝統食として食べられる昆虫は、(私が出された蜂の子ご飯のように)ほぼそのままということがほとんどでした。スーパーなどでも売られているイナゴの佃煮なども、まんまの姿です。だから苦手!
ところが、今ブームになっているものは、例えば粉末にしてクッキーやプロテインバーに練り込んであるなど、「昆虫なんて見たくもない!」という人も抵抗なく食べられると言うこと。
むしろ、「なんかオシャレだし、栄養価が高いならOK!」と喜んで食べているのです。
昆虫食はタンパク質の供給源として注目されていますが、かなりタンパク質がかなり上質。必須アミノ酸を多く含んでいます。その上、良質な脂肪分、カルシウム、亜鉛など、人間が必要とするさまざまな栄養が豊富に含まれている・・・とくれば、健康にいい食品なわけで、流行りますよね。
人気のほどはすさまじく、生産が追いつかないというベンチャー企業もあるほど。
日本でも無印良品のコオロギせんべいが、2020年5月20日に発売されましたが、即日完売。8月12日から再販されています。
昆虫の養殖は家畜よりも簡単で環境負荷が少ない
もうひとつの理由は、環境に優しい食材であることに気づき、養殖化が急速に増加。安定供給がなされるようになったということです。これまでは、自然から採取していましたから数が不安定。それでは商品化しようとはなりません。養殖化して、それなりの数の供給が安定的に仕入れ可能になったから、食品開発も進むというわけです。
そもそも、昆虫の養殖には魅力がたくさんあります。
- 家畜に比べると、肥料や水が圧倒的に少なくてよい
- 小規模な土地でも養殖可能
- ふん尿が少ない
- 温室効果ガスの原因になるゲップをしない
- 養殖魚の餌となる魚粉のように、飼料が枯渇しない
- 雑食のため、野菜の皮などの生ごみでも餌になる
- 成長が早い=出荷が早い
- 鳥インフルエンザやBSEなど、人に感染する病気がない(今のところ)
こうなると感度の高い若手のベンチャーが参入をはじめ、ますますブームは本格化するという構図です。
また、養殖しているコオロギから出るフンを農家に販売し、土壌改良材として使うなど、新たな試みも行われています。さらに、農家の高齢化により、負担の少ない昆虫養殖に転職するところが多いとされ、今後、ますます広がりを見せそうです。
国内にもコオロギを扱うベンチャーがあった
無印良品の「コオロギせんべい」190円(税込み)
では、国内に目を向けてみましょう。
前述の無印良品で販売されたの「コオロギせんべい」は、徳島大学の研究をベースに量産された食用コオロギを使用して製品化されました。
この徳島大学内には、株式会社グリラスというベンチャー企業があります。創業者は、社会産業理工学研究部助教・工学博士の渡邉崇人氏。約30年前からコオロギの研究に取り組んでいるそうです。歴史が違う!
そして、2016年から食用コオロギの研究を開始し、現在に至ります。
このグリラスと業務提携し、食用コオロギの安定生産を実現をサポートしているのが、機械・自動車部品メーカーのジェイテクトという企業。将来の食糧不足回避に向けて、安定した循環型エコシステムを構築したいと提携に至ったそうです。
長年の研究と、自動化技術や品質管理技術などのモノづくり技術が融合するって、なぜかわくわくしますよね。その実績のひとつが無印良品のコオロギせんべいなわけで、これは買いに行くしかありません!
これから拡大の可能性しかない昆虫食。
大注目ですね。
最後に、今世界中で問題となっているサバクトビバッタ。大群で飛来し、農作物を食べまくる困ったやつですが、今のところ、あれは食用にならないそう。
何だか悔しい!!
あいつを食べられれば・・・