不動産投資で買うべき物件を見極める! 情報の集め方、調べ方
- 2018/11/16
- 不動産投資
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これから不動産投資を始めてみたいけどまず何をすれば良いのかわからない、『どうやって物件を探したらいいの?』『物件情報のどこを見て購入判断するの?』という疑問を持つ方も多いかと思います。今回は不動産投資のはじめの一歩である、物件情報の集め方・調べ方にテーマを絞ってお伝えします。
まずは、どんな物件を買いたいか?を見極める
不動産投資をおこなう上で重要なことは、より良い物件情報をたくさん集めることができ、気に入った物件をスピーディに購入判断できる目利き力です。見ている物件の数が少なければ良い物件を見つける確立は下がりますし、良い物件ほどすぐ売れてしまうためスピーディに過不足なく分析できる力が必要なのです。いくら勉強したとしても、この目利きができなければ永久に良い物件を買うことはできません。
まず、物件情報を集める前に「どんな物件を買いたいか?」をしっかり決めておきましょう。つまり、自分の“投資スタンス”を決めておくということです。物件情報を提供してくれる不動産会社は、区分所有物件や1棟マンション専門、都内やある特定地域のみなど、取り扱い物件に偏りのある会社が多く存在します。自分が欲しい物件条件と照らし合わせて、適切な不動産会社を選んで依頼しましょう。
今は不動産投資をする環境が本当に整っています。以前は手当たり次第に物件を見に行って、良い物件があれば自分で金融機関へ融資の相談に行き、運良く融資が通ればやっと買えるという状況でした。しかし、現在は業者と相談しながら、自分がどんな物件でどのぐらい融資を受けられるのかを探り、実際に買える確立の高い物件を紹介してもらうのが一般的です。どちらかというと、買う気のある良い客だと業者に対してアプローチする方が大事になってきています。
物件情報を1つ取るにしても、ネットですべて完結しています。一昔前は情報紙や新聞などで不動産売買の情報を見たりもしていましたが、今はネットで効率良くたくさんの情報を集めることができます。中級者以上になってくると、収益物件をあまり扱っていない業者から掘り出し物を見つけるというのがテクニックの1つになりますが、初心者のうちは融資付けを業者にお願いすることが多いので、収益物件を扱っている業者から買うのが良いでしょう。
いまだにパソコンを使っていない地場の不動産会社もありますが、収益物件を扱っている業者はほぼ100%ネットを活用していますので、ネットを駆使して良い物件を探すテクニックを身につけましょう。
収益物件検索サイトの登録
まずこれから始めるという方は収益物件検索サイトで会員登録とお気に入り登録をしましょう。特定の地域でのみ不動産投資をおこないたいという方は、地元の不動産会社のウェブサイトでも良いですが、まずは相場観などを見るためにも多くの不動産仲介会社が登録しているポータルサイトが良いでしょう。
物件の資料請求をする
ポータルサイトに会員登録した後は、どのぐらい物件情報メールがくるのか1週間ほど様子を見てみましょう。そこで情報が多すぎる、または少なすぎるという場合は条件の変更をしています。
ただし、買えないような物件情報ばかりと届くといって、条件を極端に絞りすぎるのもよくありません。また、たくさんメールが届いて困ると思っても、無料ですし特に負担になるものではないので受け取っておきましょう。ちなみに1日40~50通もの物件メールが届くというのは、ある一定規模の物件を持っている大家さんならば普通のことです。この程度で情報処理能力がパンクしているようではいけません。常に情報のシャワーを浴び続けることが大事なのです。メール機能を使って専用フォルダを作り、そこにすべて物件情報が入るように設定しておくと便利です。
その後は良さそうな物件情報があれば、さっそく資料請求をしてみましょう。中級者以上の方は直接業者に電話をするケースが多いのですが、まずはフォームから問い合わせをしてみましょう。
問い合わせフォームで大事なことは?
- 属性情報、及び自己資金や保有物件の数は詳しく正確に書くこと。
- 備考欄には自己アピールを記入し、買う意欲があることを伝える。
業者のところには、とんでもないスーパー大家さんから問い合わせがきている可能性もあるので、そこで埋もれないようにしっかりと自己アピールをしましょう。本当に良い物件であれば、1日で100件の問い合わせがきて、その日のうちに数件の買付けが入ることもあるぐらいです。
物件資料の分析
物件の資料請求をすると、色々な書類が送られてきます。きちんと資料が揃っている場合もあれば、ほとんど資料がない場合もあり、物件や不動産会社によってまちまちです。その中で物件を買うかどうか判断するときに最低限必要な書類は、(マイソクと家賃明細(レントロール)になります。マイソクとは販売図面のことで、物件の概要、間取り図、地図などをまとめた資料の通称です。売買物件、賃貸物件ともにあります。
その物件が購入NG条件に当てはまっていないかマイソクで確認します。購入条件は人によって違いますが、再建築不可・借地・違法建築物件には注意しましょう。これらについてはマイソクの備考欄などに記載されていることもありますが、マイソクの情報からある程度判断できることも多いです。
◆再建築不可物件
道路の幅や土地が道路とどう接しているかを確認します。基本、接道(土地が道路と接している幅)や幅員(前面道路の幅)が2メートル以下の場合、再建築不可物件になります。また「43条1項但し書き道路」などの但し書きがある場合は、基本的には共同住宅が建てられません。再建築不可物件は土地としての価値が非常に低くなります。融資を受けることも難しいので、よほどの高収益物件ではない限りは購入を控えた方がいいでしょう。
◆借地かどうか
地代、残存期間、旧法借地権または新法借地権が書いてある場合は借地になります。借地には次のような特徴があり、扱いが難しくなります。
- 権利関係が複雑である(土地の所有権は地主さんにあり、その土地を借りて建築することになる)
- 名義変更や建築・増改築には地主さんの許可が必要で、その際に承諾料が必要となる場合がある
- 土地の所有権がないため、金融機関の評価が低く融資を受けることが難しい
◆違法建築
建ぺい率・容積率がオーバーしていれば既存不適格物件となります。土地面積、建物の面積、建ぺい率、容積率から計算して判断できます。絶対に融資がつかないわけではありませんが、知らずに買ってしまうと売却するときに苦労します。建ぺい率・容積率の計算方法はご自身で調べてみてください。また、一棟ものだと思って資料請求をしたら、区分所有物件のバルク売りだったということもあります。そこは販売図面(マイソク)をよく見て確認してください。
取引態様を確認する
「取引態様(とりひきたいよう)」というのは、不動産売買などにおける宅建業者の関与の仕方のことで、売主、代理、媒介(仲介)があります。資料請求をお願いした業者がどれに該当するか確認しましょう。なお、媒介には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介と3種類あります。売主が不動産業者の場合は、瑕疵担保責任が2年間付きますが、価格交渉しにくくなるということもあります。不動産業者が売主ではなく仲介(媒介)の場合は、売主側仲介業者(元付け)か買主側仲介業者(客付け)かを確認してください。
元付けとは、売主から売却を直接依頼されている会社です。物件に詳しく、売主の状況や意向を把握している場合が多いです。客付けとは、買主側から購入を依頼された会社です。買主側に立って行動する場合が多いです。媒介の業者が元付けか客付けかによって、価格交渉の戦略も変わってきます。
※本コラムは、2017年8月15日配信の「満室経営新聞」から抜粋・加筆・修正したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。