UR賃貸って? その中身について解説!
- 2019/1/9
- 賃貸
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最近、耳にするようになった「UR賃貸」ですが、語源は都市再生を意味する Urban Renaissance (アーバンルネサンス)からきています。独立行政法人都市再生機構の愛称として「UR都市機構」ともいったりします。
CMなどでも見かけますが、それがどういったものだか知らない方も意外といるはず。その中身についてみていきましょう。
独立行政法人都市再生機構とは?
日本住宅公団は住宅を供給するために分譲・販売・開発を行っていましたが、バブル崩壊後に土地の価格下落してしまい、苦しい運営が続いていました。そこで日本住宅公団は独立行政法人都市再生機構として統合され、UR賃貸として空いている部屋の貸し出しを始めました。
UR賃貸物件の中には、最新設備を備えたハイスペック住宅も含まれています。年数が経過した物件でも、内装をオシャレにリノベーションしたものもあり、その上で安価なことから話題になりました。
主たる事務所は神奈川県横浜市にあります。
独立行政法人都市再生機構は、機能的な都市活動及び豊かな都市生活を営む基盤の整備が社会経済情勢の変化に対応して十分に行われていない大都市及び地域社会の中心となる都市において、市街地の整備改善及び賃貸住宅の供給の支援に関する業務を行うことにより、社会経済情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び居住環境の向上を通じてこれらの都市の再生を図るとともに、都市基盤整備公団から承継した賃貸住宅等の管理等に関する業務を行うことにより、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって都市の健全な発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的とする。(独立行政法人都市再生機構法第3条)
~UR都市再生機構のHPより引用~
UR賃貸の目的とは?
お部屋を探しているお客さんからすれば、安くてキレイな物件というだけで魅力的です。しかも、既存の物件であれば「抽選」ではなく「先着順」で決まるというのも、わかりやすくて嬉しいポイントです。
なぜそのようなことをするの? と疑問に思いますよね。
本来の目的はというと、
- 土地区画整理事業 → 建替意向のある土地の集約、都市計画道路等の整備
- 再開発事業などによる建物の更新 → 老朽化した建物の更新、宅地の高度利用化
- 土地の取得・保有 → 連鎖建替を支援する種地の取得・保有
~UR都市再生機構のHPより抜粋~
これらを同時に進めることで、民間投資を誘発させて都市再生を実現…。とはいえ、一般の方には、かなりわかりにくいですよね。
要は、別の目的があるので居住年数などの制限や条件付きで安く貸したい、空室のままにするよりは少しでも収益にしたいということです。
UR賃貸で部屋を借りるには?
では、UR賃貸でお部屋を借りるにはどうすればいいのでしょうか?
まずは希望の部屋を探します。こちらの「UR都市機構」のHPで簡単に探すことができます。希望のエリアや沿線、間取りや家賃などを指定して探してみましょう。
→ https://www.ur-net.go.jp/chintai/
ここからが通常の賃貸物件を借りるときは違います。
不動産会社に行くと営業マンがお客さんの希望や条件を聞いて部屋を紹介してくれます。不動産会社に行って賃貸物件を借りたことがある方はわかるかと思いますが、営業マンが紹介した物件の中で気になった物件があれば内覧に行きます。その物件に決めたら申し込みをして、契約へと進むはずです。
UR賃貸の場合は、気になった物件があれば仮申込みをしてから内覧をします。仮申込み後、約1週間以内に内覧しなければいけません。内覧の際は、鍵を貸し出しますので当事者が自分で物件を見に行きます。貸し出す際には運転免許証などの身分証明書が必要です。内覧は原則1回しかできませんので、必ず自宅の家具や電化製品の大きさを全てメジャーで測って記録しましょう。メジャーも貸してくれるかもしれませんが、念のため当日は持って行くことをオススメします。
その物件に決めたら、内覧期間最終日の翌日から1週間以内に本申込みを完了さなければいけません。スケジュールがかなりタイトなのがわかります。
UR賃貸は、資格に適合しなければ申し込めない
UR賃貸はかなり特殊なことがお分かりいただけたと思います。実は、他にも特殊な部分があります。それは適合資格が明確に決まっていること。通常の不動産契約時にも審査がありますが、その内容は明らかにされていません。でも、UR賃貸は明確。その点が大きく違います。
まず、あなたが申込み資格に適合するかを確認しましょう。
次の1~5の条件をすべて満たす方がお申込みいただけます。
- 申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方
- 日本国籍の方、またはURが定める資格を持つ外国籍の方で、継続して自ら居住するための住宅を必要とする方
- 単身者もしくは現に同居し、または同居しようとする親族のある方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が、URが定める入居開始可能日から1か月以内に入居でき、物件内で円満な共同生活を営むことができる方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が暴力団員などではない方
~UR都市再生機構のHPより引用~
平均月収額が基準月収額以上ある方とは、世帯で申込みをする場合、家賃が82,500円未満ならば家賃額の4倍の月収額、家賃が82,500円以上で200,000円未満ならば330,000円以上の月収額が必要です。給与収入や年金であれば毎月安定して入るお金ですが、事業所得・不動産所得・その他の雑所得が主な場合は、「平均月収額が基準月収額以上」が申込みの条件となります。
こちらにわかり易く図解してあります。
→ https://www.ur-net.go.jp/chintai/rent/requirements/
本申し込み、契約に必要なもの
本申込みをするためには次の書類が必要になります。
- 賃貸住宅入居申込書(UR都市機構指定様式)
- 住民票の写し
- 収入を証明する書類 など
さらに、契約するには次の書類が必要になります。
- 賃貸借契約書(事前に必要事項をご記載)
- 印鑑証明書(3ヵ月以内に取得したもの)
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど) など
内覧したらすぐに決めて、すぐに必要書類を準備して、すぐに引っ越しの準備をしなければなりません。先にも書きましたが、仮申し込みから本契約までは2週間しかありません。会社勤めの方は「収入を証明する書類」の準備に時間がかかる場合がありますので、内覧するよりも前に段取りしておくことが重要となります。
本申込みと契約の書類についてはこちらに詳しく記載されています。
→ https://www.ur-net.go.jp/chintai/rent/documents/
UR賃貸住宅のデメリット
UR賃貸のデメリットは、上記「UR賃貸で部屋を借りるには?」を見ておわかり頂けたかと思いますが、仮申込み(内覧)から本申込み・契約・入居までのスケジュールのタイトさ。これは言うまでもありませんね。
次に挙げられるのは、部屋の面積が家賃に影響しているので「部屋数のわりに家賃が高め」ということです。しかしながらUR賃貸のメリットと比較すれば、総額として割安になることもあります。
申込基準が厳しい、やや厳しめとする見方もありますが、毎月支払う家賃の額を考えれば当然の基準ではないでしょうか。
UR賃貸のメリット
メリットは、大きくわけて3つのポイントがあります。
1つ目に「初期費用の安さ」です。
UR賃貸は仲介手数料がかかりません。通常、不動産会社で賃貸物件を借りる場合は家賃の約1ヵ月分の手数料がかかります。礼金ナシも大々的にアピールしているようですが、近年の流れからいって礼金ナシは珍しくはありません。
契約時に必要な費用は、敷金(月額家賃の2ヵ月分)、家賃、共益費のみです。キャンペーン期間中は更に安くなることもあるようです。
2つ目に契約物件の「更新料がない」ことです。
更新料単体で見ると小さな額かもしれませんが、長い目でとても大きな額になります。ランニングコストとして更新料はない方が断然お得です。
3つ目に契約時の「保証人が不要」なことです。
UR賃貸は住民票の写し、収入証明書などの書類を提出することで契約することができます。通常の賃貸物件であれば「誰に保証人をお願いしよう?」という悩みは付き物です。契約書への保証人のサインが必要になるばかりか、保証人の印鑑証明も必要になるため、協力を仰がなくてはいけません。保証人が頼めない人、頼みたくない人には嬉しいポイントです。
→ https://www.ur-net.go.jp/chintai/whats/merit/
まとめ
年齢、新婚や2世帯家族、子育てなど、条件が当てはまれば更にお得に住めるプランもあります。UR賃貸からUR賃貸の物件へ住み替える場合は、敷金の引継ぎも可能です。UR都市再生機構が運営しているので、退去時の原状回復負担も明確な上に、割安なので安心して住むことができます。仲介手数料ナシ・更新料ナシ・保証人ナシは嬉しいものの、全国的に見ても物件数はとても少ないです。希望のエリアで空室が見つかること自体がチャンスかもしれません。