ZEH支援は2021年も継続!補助金をもらうために何をすべきか?
- 2020/12/10
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ZEH支援をご存知でしょうか?
ZEHとは「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」のことで、簡単に言えば、家の消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にすることを目指した住宅を立てた人に支援をするという事業です。国土交通省・経済産業省・環境省との3省連携で行われているもので、令和2年のZEH4次応募(最終)は令和3年1月8日までですが、令和3年も継続することが決まっています。
家庭用蓄電池やCLTへの補助も引き続き行われるほか、既存戸建ての断熱リフォームも継続。さらに新型コロナ感染症対策として、熱交換型換気設備も補助対象に含めることになっています。
ちょっと分かりにくい制度ですので、ここで詳しく説明していきます。
*あくまでも現段階で分かっていることですので、今後変更があれば随時更新していきます。
ZEHとは、家の消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にすることを目指した住宅
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy Houseの頭文字をとったもの(”Net”はないですね、笑)で、簡単に説明すると、「家の消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にすることを目指した住宅」なのは前述の通りです。
2014年4月に閣議決定し、「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅 の実現を目指す」とする政策目標を設定しました。それ以降、ZEH補助金が支給されています。
経済産業省と環境省が2020年用に発表したパンフレットには、次のようなイラストが描かれています。
ZEHイメージ
ZEH+イメージ
なんだか、分かりやすいような、分かりにくいような・・・という感じですよね。
ということで、改めて説明します。
私たちの家はエネルギーを消費しています。特に消費量が大きいのは冷暖房やお風呂など。そこで家自体の断熱性能をあげたり、省エネ性を高めたりして、消費するエネルギー量を減らします。それでもゼロにはなりません。それに加え、太陽光発電システムによりエネルギーをたくさん作れば、結果的に一戸あたりの消費エネルギー量は差し引きゼロになるということです。
実際にゼロになるかどうかはやってみなくちゃ分からないものの、それを目指して作った家に補助金をだしますよ、という制度ですね。
ちなみに、Net Zero Energy Houseの”Net”とは、「正味」という意味。冬は暖房、夏は冷房を多く使うのでエネルギーの消費量は上がります。一方、春や秋は冷暖房はあまり必要なく、エネルギー量はそれほど必要としません。したがって、単位で比較するというわけではなく、使うエネルギーと発電したエネルギーの年間トータルで比較したらゼロになるということを指すそうです。
ZEH補助金をもらうためにやるべきことは?
ZEH補助金をもらうために、具体的何をすればよいのかと言うと、
- 家の断熱性能を高める
- 暖房や給湯などエネルギーを消費するものは、消費量が少ない設備を使用する
- 太陽光パネルを設置するなど、再生可能エネルギーを創る
といった感じになります。
ZEH補助金は誰がもらえるのか?
では、ZEH補助金をもらえる人は誰でしょうか?
以下の3つの人が候補となります。
- 住宅を新築する人
- 新築建売住宅を購入する人
- 自己所有の既存住宅を回収する人
*ZEHマンションもありますが、住棟単位での申請になりますので、個人でどうこうできるわけではないので、ここでは紹介しません。
次に住宅の要件です。これは大きく分けると次の2つ。
- 所有者が自ら居住する戸建て専用住宅であること
- 登録されたZEHビルダーまたはプランナーが設計、建築、販売を行うこと
「登録されたZEHビルダーまたはプランナー」というところがポイントになります。
これについては、以下のサイトで確認できます。
1戸あたりの補助額は、ZEHで60で万円、ZEH+で105万円
では、補助額はいくらでしょうか?
- ZEH 定額60万円/戸
- ZEH+ 定額105万円/戸
- ZEH+R 定額115万円/戸
- 先進的再エネ熱など導入支援事業 最大90万円(1.2と併願可能)
*4の事業は、1または2と合わせて利用することになっていて、単独で利用することはできません。
ZEHの補助金額の違いは、性能の高さです。性能が高いほど補助額が高いということですね。
具体的に見ていきましょう。
1.ZEH 定額60万円/戸
ゼッチロードマップのZEHの定義を満たしていること
(一次エネルギー消費量が省エネ基準から-20%以上)
2.ZEH+ 定額105万円/戸
ZEHをさらに高性能化し、再生可能エネルギーの自家消費を拡大したこと
(一次エネルギー消費量が省エネ基準から-25%以上で、さらに断熱性能の強化や電気自動車充電設備の導入など)
3.ZEH+R 定額115万円/戸
ZER+を更にレジリエンス強化
2に加え、停電時における主たる居室での電源確保や、蓄電システム、太陽熱利用温水システムなどの導入によるレジリエンス強化
レジリエンスとは、災害対応力のこと。ZEHではよく出てくる言葉です。
4.先進的再エネ熱など導入支援事業 最大90万円(1または2と併願可能)
各項目の細い基準はさておき(来年度の詳細については未発表)、気になるところを説明します。
太陽光パネルの効果が期待できなくても大丈夫。ZEH OrientedとNearly ZEH
エネルギーを作ると言う部分は、太陽光パネルの設置が重要となります。
ところが、たくさんのエネルギーを作るには、太陽光パネルをつける場所、つまり屋根の広さが必要となります。これにはいくつかの問題があります。たとえば、地方の4 LDK であれば二階建てまたは平屋で広い屋根がありますが、東京などであれば3階建てが普通であり、こうなると太陽光パネルを付けたくても、必要な分をつけられないということになります。
このような場合に適用されるのが、ZEH Oriented。都市部の狭小地などに対応したもので、屋根の面積や日照時間によって十分な太陽光発電が見込めない場合、太陽光発電システムや蓄電池がなくても、基準を満たす断熱性や省エネ性を備えていればZEHとして認められるものです。
また、寒冷地や低照の地域や多雪地帯でも同じような問題がでてきます。これに対応するのがNearly ZEHで、太陽光発電の導入が条件に含まれないなど、ZEH住宅の条件を完全にクリアできていなくても補助金の申請ができます。
このように、地域にあわせた対応があるのもZEHの特徴。やむを得ない事情があってもZEH住宅として認められる可能性があるので、これから家を建てようと言う方は、地域を問わず、ZEHを検討してみることをおすすめします。
コロナ禍で注目の「熱交換型換気設備」とは?
新たな項目として、コロナ対応のものも含まれることになりました。それが熱交換型換気設備です。
これは、強制給排気換気扇の取り付けに関わります。強制給排気換気扇とは、室内と室外の給排気を強制的に行うもので、外気を取り込むため温度差があるとき(冷房時や暖房時)には、外気温の影響を受けてしまいます。たとえば、暖房で室内を暖めながら、冷たい外気を送り込むということで、エネルギーのロスが生じるとイメージするとよいでしょう。
熱交換型換気システムとは、このエネルギーのロスを減らすもの。強制給排気換気扇に排気される室内の空気の熱を、取り入れる外気に移す機能です。これにより、室内に外気の温度差が減るため、室内温度を一定に保ちやすく、換気で生じる冷暖房熱のロスを抑えられると言うわけです。
ちなみに、熱交換型換気システムには、「顕熱交換」といって熱だけを交換する方法と、「全熱交換」とよばれる熱といっしょに湿度も交換するものがあります。「全熱交換」は、高温多湿の夏や外気が乾燥する冬に特性を発揮してくれます。エネルギー効率に加え、つらい夏の暑さや冬の異常な乾燥の対策をすることで、より快適に過ごせるというわけです。
これからは、ますますエコな暮らしが大切になってきます。また、それに対する補助金も充実しているので、ぜひ一戸建てを建てるときには快適な暮らしをしながらお得を手にしてください。