住むだけでなく、現代風にしてお店を開くなど、注目の高い古民家リノベーション! 古民家は土台がしっかりとしているため、年数がたっていても優良物件です。しかし、古民家のリノベーションに関心はあっても詳しくは知らない方がほとんどではないでしょうか?
今回は、古民家のリノベーション(再生)についてお伝えします。
古民家のリノベーション(再生)とは安全と快適のもう一つのカタチ
古民家のリノベーションとは、古い日本家屋の造りや材料を生かしつつ、現代の暮らしに合わせて快適に暮せるよう改修することです。
太い柱や突き出た梁(はり)が物語るように、昔の日本家屋はとても頑丈。メンテナンスが途絶えて土壁が剥がれていても、土台が何ともないことは珍しくありません。
また、キッチンやトイレ、お風呂などの生活に欠かすことができず、かつ効率的な方がストレスを溜めないところは最新の設備を導入できます。
歴史がある材料を使いつつ、現代人が暮らしやすい家にするのが古民家リノベーション(再生)です。
古民家リノベーション(再生)の魅力
世代を超えて人々を守ってきた古民家には、古民家だけが持つ魅力があります。
わざわざ古民家を探し、直して暮らす人々はその魅力を知っているのでしょう。
とくに愛される理由は以下の3点です。
- 季節を通して暮らしやすい
- 天然素材でカラダと自然にやさしい
- 残されたモノを活用して自分だけのオリジナルデザインができる
魅力1.風土を知りぬき作られているから、季節を通して暮らしやすい
夏の強い日差し、冬の厳しい寒さ。昔の家は断熱材や空調機器がありませんでした。
しかし、古民家に入ってみると不思議と涼しく、風を感じることができます。
冬には居間や台所で生まれた熱を対流させて、家を温めるようになっており、よく考えられています。古民家は機械に頼らずとも過ごしやすいように知恵が凝縮されているのです。
たとえば、雪が多い地域ではガラス窓が二重になっています。これは、1枚だけのガラスや厚みのあるガラスにするよりも、ガラスとガラスの間に空気を入れることで断熱効果がぐっと高まるから。
一方、夏が蒸し暑い地域では、ふすまが取り外せ風の通りが良くなります。
風土の気候を熟知し作られた古民家は、エコで過ごしやすく、地球にもやさしい住宅です。
魅力2.天然素材でカラダや自然にやさしい
古民家に使われている材料は、天然もの。シックハウス症候群の原因になるようなものは含まれていません。
そのため、アレルギー体質の方や過敏な方でも安心して暮らせます。
古民家の主な材料は、
- 木:家全体
- 土:瓦、壁
- 石:基礎
- 無垢材:畳などの床
- 紙:障子、ふすま
自然の物を最低限の加工を施して使用しているのです。
接着剤なども、米が原料の「米のり」、動物の皮や骨を原料とした「にかわ」など自然由来の物を使っています。米のりというと小学校の工作で使った「でんぷんのり」を思い出す方もいるのではないでしょうか?
「米のりなんて強度ないんじゃない?」
いえいえ、そんなことありません。今でも建材として使用されているほど優秀な接着剤なんです。
基本的に口に入れても大丈夫な素材ですので、過敏な方でも安心です。
魅力3.世界にただ一つのデザイン住宅
昔は建売住宅がなく、1軒ずつ家を設計し建てていました。
そして、古民家は引き続き使える建材もあれば、交換が必要な建材もありますね。そのため、古民家のデザインは1軒1軒異なってきます。
オリジナリティを求める方にはうってつけです。まだ使える建材と新しい建材とのコントラストは相乗効果を生み出します。
古民家リノベーション(再生)の5つのメリットとデメリット
メリットがとても多い古民家ですが、注意をしなくてはいけない点もあるので見ていきましょう。
メリット1.貴重で優秀な建材が豊富
古民家は放置されていたとしても倒壊することはあまりありません。
造りも頑丈ながら、建材がとても強いんですね。太い柱は今ではお目にかかれないような太さの物もあります。
十分使えるところは残して、交換が必要なところだけを換える。これは場合によっては新築よりも金額と手間がかかりますが、文化財に近い物件を後世に残すには必要なことでしょう。
メリット2.身体と環境にやさしい住宅ができる
古民家は天然素材で造られていますので、環境にも人のカラダにもやさしい家です。
シックハウス症候群などの可能性が極めて低く、過敏な方でも安心して住めます。
ただし、新しく使う建材には注意をしましょう。
加えて、まだ使える建材は残して使うので、森林の伐採や輸送にかかるコストなどが削減できます。
1軒だけではわずかなものですが、古民家リノベーションはますます増えていくことから環境保護に期待ありです。
メリット3.昔のものを生かすことでオリジナリティがでてくる
古民家は1軒ずつ造りが異なり、現役で活用できるところとリノベーションするところも違います。
新しく住む住民のコンセプトにもよって世界に1軒だけの住宅ができあがり!
ヨーロッパの住宅を見ると、昔の建物を直して暮らしています。同じ住宅は決してなく、オリジナリティが溢れだすステキな住宅です。
メリット4.固定資産税は築後年数で算出するから古民家は安くなる
家や土地を所有していれば必ずかかる固定資産税。
家の部分に関しては築後年数が算出に関係しますので、年数がたっている古民家は固定資産税が安い傾向にあります。
ただし、増築や移築をすると固定資産税が上がりますので要注意です。このままだと部屋が足りないといった場合は、固定資産税が上がることに留意しておきましょう。
メリット5.古民家リノベーションで補助金がもらえる可能性
住む地域によっては、古民家をリノベーションやリフォームをすると補助金がもらえるところがあります。
地方自治体により内容はかわりますので、事前に問い合わせて確認をしておくと損がありません。
デメリット:断熱・耐震・防火性は手を加えなければいけない
発泡スチロールは1950年にドイツで開発されました。その後、国産化されましたが、建材に転用されたのはもっと後です。
そのため、当然のことながら、1950年以前に建てられた古民家に断熱材は入っていません。
耐震に関しては、瓦が重くて大きな地震に見舞われたときに落ちたりする危険性があります。防火性は木造住宅なので、新しく施した方が無難です。
古民家で安全に快適に過ごすためには、断熱・耐震・防火性に手を加えることがおすすめ!
満足度の高い古民家リノベーションのポイントは水回り
古いものと新しいもののコントラストが魅力的ですが、リノベーション箇所を誤ると暮らしにくい家になってしまいます。
とくに注意をすべき箇所は、
- キッチン
- トイレ
- お風呂
- 脱衣所
といった、生活をする上で欠かせない場所です。
古いものが良いからといって、キッチンを古いまま使うと効率が悪くなります。新しいキッチンと食洗器を導入すると子供が小さくても安全だったり、掃除がしやすかったりするので良いですね。
古民家のトイレは、和式だったり母屋の外だったりすることも珍しくありません。確かに味はありますが、毎日使うことを考えるとそのままというわけにはいきませんね。
増築となると固定資産税が上がる可能性もあるので、事前に確認をしておくことをおすすめします。
さすがに五右衛門風呂はないとは思いますが、外の空気が入り込んだり、脱衣所が寒すぎたりすることが多いです。ヒートショックの危険もあるので、お風呂と脱衣所は合わせて直しておきましょう。
同じ古民家でも、水回りを最新式にすることで快適さは格段に良くなるでしょう!
自分にピッタリの古民家はどうやって見つけるの?
今の時代だからこそ必要なのが、古民家のリノベーションです。あるものをうまく活用して豊かに暮らせます。
そんな暮らしが手に入るよう、古民家を探す方法を見ていきましょう。
古民家を探す方法1.空き家バンクを使って全国から探す
空き家バンクとは、自治体が参画をして、空き家や住民のいない古民家を探せるサイトです。
物件の中には畑や蔵が付いているものもあり、中には100万円という格安物件もあります!
物件の情報はスーパーが近いなど選択ができます。大抵の古民家は町の中心から外れた場所にありますので、スーパーが近いのは重要なポイントです。年を取り、運転免許を返納しても暮らしやすいところが良いですね。
古民家を探す方法2.古民家住まいるでマッチングする
古民家と土地の歴史も合わせて紹介している面白いサイト。農家の家から、かつて武士の家だったものも紹介されています。
土地付きだけでなく、家のみの販売もあるので注意が必要です。家のみの販売は土地が付いてきませんので、移築が必要になります。
また、賃貸物件もあり、中には体験入居OKなんて古民家も! その土地に短期間だけ暮らしてみたい方なども受け入れています。
古民家を直す業者「クロニカ」
古民家と工務店を探せるポータルサイトです。
気に入った古民家を見つけたものの、業者選びに失敗した方は少なくありません。というのも、新築工事とはまったく勝手が違うからです。
古民家のリノベーションは専門の知識と技術を持っている業者を選ばないと、追加で補修工事が必要になることも。お金だけでなく時間も余計にかかりますので、古民家のリノベーションは専門の業者に依頼をしましょう。
まとめ
深刻な空き家問題の解消、地方活性の可能性もある古民家のリノベーション。場合によっては新築と同等の費用がかかることもありますが、暮らしやすさと満足度がとても高くなります。自分だけのオリジナル感も出せますので、SNSでの発信がお好きな方にもおすすめです。
古民家での生活ってどんなのだろう?と思う方は、体験入居で探すとちょうどいい物件が見つかることでしょう。古さと新しさが融合する古民家のリノベーション物件で、あなたも暮らしてみませんか?