不動産の知識を身につければ、家賃などの交渉を有利に運べる。不動産を学ぼう・賃貸編
- 2019/10/8
- 賃貸
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不動産について学ぶことの重要性をコテツが語るシリーズ。今回は賃貸についてです。
賃貸に住む人の中には定期的に引っ越しをする方も多く、マイホームを購入する人よりも、不動産に触れる機会が多くなります。最近は、敷金・礼金の価格設定もさまざまな設定があり、正しい知識を持っていればお得に住まいを見つけられますよね。
今回は賃貸住宅に住む人が不動産について学ぶことで、どういったメリットがあるのかと、不動産に対する知識のへ方について話を進めます。
賃貸に住む人も住んでいるのは不動産。身近な問題に違いはない
ーー今回は賃貸住宅と不動産を学ぶことの重要性について話を伺うわけですが、賃貸入居者と不動産って、少し距離があるように感じますが?
そんなことはないですよ。賃貸に住む人も、不動産物件に住んでいるわけですから、身近な問題のはずです。ただ、不動産の知識と言うとこれまでは投資家が学ぶことが多かったので、縁遠いというイメージを持っている人がいるのかもしれないです。
だからこそ今回あえては、賃貸住宅に住むことに特化してお届けしようと思っています。これを読むことで賃貸住宅にお得に住むコツをつかむ人もいるでしょうし、賃貸かマイホームを買うか悩んでいる方は、その方向性が見出せるかもしれません。
ーーそれは興味深いですね。
賃貸住宅を探すとき、多くの人は身近な人にアドバイスを求めると思います。相談を受けた人は、その地域の住環境や利便性について話してくれますよね。でも、不動産会社との交渉術についてアドバイスをくれる人は少ないと思いませんか?
それは不動産の知識や実のある情報を持っている人が少ないからです。でも本当は、これを知っているかどうかが、直接的メリットにつながります。
ーー確かにそうですよね。 住環境がいいと思うかどうかは物件にもよると思いますし、どんなに環境が良くても家賃を払えなければ済むことができないですからね。
家賃決定の仕組みを知れば、交渉の質が上がる
ーー賃貸物件に住むときの有利な交渉術についてお伺いしたいのですが。
では最初に、賃貸に関わる人を役割別に見てみましょう。
まず、借り手がいらっしゃいますね。昔の言い方、落語とかで出てくる言い方だと店子さんなんて呼んだりもしました。次に、戸建てやアパート、マンションを貸すオーナーさん、つまり大家さんがいます。
それ以外には、借り手と貸し手を結び付ける不動産会社があります。この不動産会社を細かく分けると、入居する前に賃貸物件に案内したり、入居の契約手続きをする仲介会社と、その物件を管理してる管理会社とにわけることができます。
ーー仲介会社と管理会社があることって知らない人が多いですよね。
そうですね。大家さんと借り手、それから仲介会社と管理会社の4つが出てきました。まず、部屋を選ぶときに気になるのは、「どこに住むか?」ということと、予算内で住める家を探すことだと思います。特に家賃は、毎月の支出に直結するものなので、重要視する人が多いです。毎月出せる予算を決めて、そこから逆算して住める場所や広さを決めたりしますよね。
ーーそうですね。興味があるというか、生活に直結しますから、重要視せざる終えないですよね。
ところで、この家賃って、どのようにして決めていると思いますか?
当然、大家さんの事情や、管理会社の事情など、貸し手側の事情が家賃の希望価格に大きく影響しています。でも、希望価格がそのまま家賃になるわけではなく、人気が高ければ、さらに高額でも借り手が付く可能性が出てきます。逆に人気がなければ、家賃を下げなければなりません。つまり家賃は、希望だけでなく需要と供給の関係が大きく関わるということです。実はこれを知っていることは、家賃交渉に大きく影響するんです。
ーーどういうことですか?
ある地域は空き室を抱えた大家さんがいっぱいいるとします。これは、供給に比べて需要が少ない地域になりますよね。こうなると、家賃は下がり、借り手が条件に合った物件を探しやすくなります。また、金額の交渉もしりやすくなります。
ーーなるほど。大家さんは家賃を下げてでも入居者に入ってもらいたいという意味ですね。
そうです。大家さんとしては、空室があるということは、そこから収入を得られないということになります。それは何としても避けたいこと。例えば、10万円の家賃設定の部屋のまま一か月間空室で過ごすのと、9万5000円にして1年8ヶ月住んでもらうのは同じことなわけです。
ーーそれは驚きですね。空室が2ヶ月3ヶ月と長引けば長引くほど、家賃は下げられる可能性があるということですね。
そうです。不動産について学んでいればこういう観点から物件を見られるようになります。これを知らなければ、不動産会社から「家賃10万円です」と言われて、そのまま10万円払ってしまうケースもあります。
ーー値引き交渉って、なかなか出来ない人もいますもんね。
そうなんです。また、「もうちょっと安くなりませんかね」と交渉する人もいますが、こういった背景を知らなければ根拠のない値引き交渉になってしまいます。でも、不動産を学んでいれば、その仕組みや大家さんの痛いところをつけるわけですね。他にも、値引きをしてもらいやすい月とそうでない月があるので、それも狙うと、さらに交渉が楽になります。
ーー家賃交渉の質が高くなるということですか?
コテツ:そういうことです。単に、「安くしてよ」と言うのではなく、「こういう理由があるので、こうするとオーナーさんもメリットがあるし、この金額だったら妥当なのかと思いますがいかがですか?」っていうと、まるで交渉の質が違いますよね。
ーーなるほどそれは面白いですね
家賃以外にもフリーレントや仲介手数料の値引きなど方法はいろいろある
ーーでは、家賃を下げてもらえなかった場合、それで諦めるべきなのでしょうか?
あきらめる必要なありません。実際には家賃交渉だけではなく、諸条件と呼ばれるところも交渉ができるのです。これを知らないのは、とてももったいないことなんですよね。
例えば、「今月の家賃は無料にしてもらえませんか」という交渉術があります。これは「フリーレント」と言う方法で、最近増えています。借主としては、先ほどの10万円の例ならば、1ヶ月無料で住むことができれば、その先2年住んだとしても、毎月4000円強の家賃の家に済んだのと同じ状況になります。これってお得ですよね。
あとは、敷金・礼金の交渉ができたりもします。
ーー家賃交渉ができなければ諦めてしまいがちですが、方向を変えて同じメリットを得ることができるということですね。
そうです。他にも、交渉相手が大家さんに払うコストではなく、仲介会社さんに支払う「仲介手数料」について交渉できる可能性もあります。仲介会社の立場や状況を知っているといろいろな交渉の手段が生まれきます。このために不動産を学んでほしいわけです。 月5000円安く住めば、1年で6万円。10年で60万円ですからね。決してバカに出来ない金額ですよ。
賃貸に住むか、家を買うか。知識があれば第三の選択も出てくる
ーー家賃交渉はする人が多いと思うのですが、他にも方法があるなんて全然知りませんでした。その他にも応用ができそうですね。
そうですね。不動産を学ぶということは、選択肢を増やすという意味でもあります。例えば、賃貸にずっと暮らすのか、マイホームを購入するかで迷っている人って多いですよね。賃貸で払う家賃と家のローンがほぼ同額などという場合は、ずっと引っかかっている人が多いでしょう。でも、将来のライフスタイルの変化を考えると購入には踏み切れないから、しょうがなく賃貸でいいかなという消極的な選択をする人もいます。
ーーよく聞く悩みですね。
この場合、不動産について学んでいなければ、持ち家か賃貸かの二択になります。でも、知識があれば、ひとまず今納得できる物件を購入し、ライフスタイルが変わったらそれに合わせたサイズの家を新たに購入する、または賃貸で住む。そうして先に買った家は、他の人に貸すことで資産を増やしていくという選択肢がでてきます。
ーーそれであれば資産が増えるわけで、老後も安心できますよね。
以前は、家は一生に一回しか購入しないというのが大前提でした。でもこれからは、ライフスタイルに合わせて買ったり貸したりする時代がやってきます。こうなると不動産の知識は人生一度の買い物のためではなく、長い人生の中で何度も生きてくる知識となるわけです。何歳になっても住まいは重要な拠点です。ぜひ多くの人に学び、正しい知識を持ってもらいたいと思っています。
ーーではどうやって学んでいけばいいのでしょうか?
毎日少しずつ、コツコツとというのが最大のポイントになると思います。情報を取り続けるという感じです。ただ、今は無料の情報がたくさんあるにも関わらず、それですら途中でやめてしまう人がたくさんいます。すぐに役立ちそうもないとか、長い目で見ないとお得感がないということだと思うのですが、 家は毎日住む所。これほど身近なものはないわけで、ぜひ自分の問題として取り組んでいただきたいですね。
まとめ
賃貸住宅を探すとき、家賃を無視して選べる人はいません。ただし、必ずうまくいくとは限らない家賃交渉。でも単純に家賃を下げてもらうだけでなく、他の交渉をすることで同じメリットを得られるというのは驚きでした。こういった交渉ができるのは、 不動産についての知識を普段から学んでいるからとのことで、これからは積極的に情報を仕入れ、学んでいっていただければと思います。
また、「不動産の学校」も皆さんの学びとなるような情報を提供していきますので、どうぞよろしくお願いします。