不動産投資で失敗しない税理士の選び方

不動産投資をする際、頭を悩ませることのひとつに、税理士選びがあります。

ここでは、今回は、皆さんが不動産投資を進めていく上でパートナーの1人となる、税理士の選び方について、不動産投資専門税理士でもある叶温氏にアドバイスをいただきました。

 

税理士は不動産投資に詳しいのか?

多くの人は“税理士”と聞くと、「数字に詳しい」というイメージがあると思います。確かに毎日数字を扱う職業なので、他の職業の人よりは数字に詳しいのは事実です。
でもその数字というのは「税金」に関する数字だけの場合が多く、「投資」の数字が詳しいとは限らないんです。
そもそも、税理士の本来のお仕事は、数字を整理して計算して税金の申告をすることです。要するに過去の数字の整理です。今では、経営のアドバイスなどをしてくれる税理士も多くなっていますが、本来のお仕事は“過去の数字の整理”なので、未だに帳簿を作って申告するだけ、という税理士が多いのは事実です。税理士の平均年齢が60 歳なので、まだ手書きで帳簿を作っている税理士もいらっしゃいます。
では、本題の「投資」、僕たちの業界でいうと「不動産投資」に税理士が詳しいかというと、実はほとんどの税理士は詳しくありません。
その証拠に僕が開催している物件シミュレーションソフトを使いこなすためのセミナー「不動産投資コンサルタント1 日養成講座」に、他の事務所の税理士さんが参加されることもあります。その税理士さんに参加理由を聞いてみると、「投資の指標について、よくわからない」という人が多いんです。
僕たちがよく使う「表面利回り」「実質利回り」「自己資金の回収期間」「債務回収比率」など、言葉は知っていても、その数字の基準がわからないようです。
では、どうやったら不動産投資に詳しい税理士を見つけることができるのでしょう?
まず手っ取り早いのは、ホームページで専門性を出している事務所です。専門性を出しているということは、それだけ自信があるということの表れですからね。
また、税理士と面談するときに、不動産投資の専門用語を使って話をしてみるのもよいでしょう。こちらが勉強していれば、その税理士さんが不動産投資について、どれぐらいの知識や経験があるのかが、ある程度わかります。
僕はよくお医者さんに例えるのですが、頭が痛いのに耳鼻科には行かないし、お腹が痛いのに歯医者にも行かないでしょう?それは、お医者さんの世界は、「○○科」と看板が掲げてあるので、専門性がわかるからですよね。専門じゃないお医者さんに診られると、病気が治らない可能性が高いことは誰でもわかります。
でも、ほとんどの税理士は専門を掲げていないので選ぶ難しさがありますが、まずは専門を掲げてなくても、その税理士さんがどれぐらい不動産投資に詳しいのかを会って確かめることが、あなたが不動産投資で成功するために必要なことでしょう。

 

個人事務所と税理士法人はどちらがいいのか?

税理士の中には個人でやっている事務所と、法人でやっている事務所があります。もともと税理士は個人でしかできない商売だったのですが、平成13 年の改正で税理士法人という形で運営することができるようになりました。
では、個人と法人でどのような違いがあるのでしょう?まず、個人事務所は名前を掲げている親方税理士さんが亡くなると、同時にその事務所も廃業となります。もちろん、事務所の中に番頭さんを張れるような税理士がいれば、その番頭さんの名前を掲げて引き継ぎできることもありますが、それは前の親方税理士さんの事務所とは、まったく別の事務所になります。要するに、事業の継続性がないわけです。
一方、税理士法人はそもそも2名以上の税理士がいなければ設立できません。したがって、複数人の税理士がいれば、誰か1人が亡くなっても、その税理士法人は継続されます。実は僕の事務所も、平成28年4月から税理士法人になりました。僕はいつも自分が亡くなった時のことを考えながら事務所を運営しているのですが、税理士法人にすることで、僕が亡くなった場合でも、お客さんやスタッフに“継続性”についての不安を少なくすることができます。
もちろん、税理士という仕事自体が人に頼る部分が大きい仕事ですので、お客さん側から見れば、担当してもらっている税理士が亡くなるとショックだと思いますが、それをスムーズに引き継いでくれる税理士やスタッフが居てくれることで、事業に対する不安も少なくなりますよね。個人事務所と税理士法人には、このような違いがあるので、よく考えて選ぶようにして下さいね。

 

地域密着と専門性、どちらがいのか?

税理士というサービスは、これまで地域密着の商売で、今でもその色は濃いです。なぜなら、お客さんは事業をしている人で、税理士はその会社に行って現状を把握して帳簿を整理し、税金の申告をするというお仕事だからです。また逆にお客さんの方も、自分の居るところから近い税理士の方が、いつでも顔を合わせて相談できるので、安心感があります。
ただ、問題は先ほど挙げた専門性の問題です。もちろん専門性のある税理士事務所が、近くにあると一番いいのですが、専門性のある税理士事務所が遠方にある場合もあります。
うちの事務所も不動産投資の専門性はあっても、神戸にあるので、敬遠する方も多くいらっしゃったと思います。ただ、今はインターネットが普及したので、それほど地域密着にこだわる必要はないと思います。
特に不動産賃貸業は、他の商売と違って税理士に“事業の現場を把握してもらう”という業種ではありません。人によっては、事務所は東京だけど、物件は北海道にあるというようなケースも多々あります。要するに、税理士が近くにいなくてもいい業種なんですね。
では、遠方の場合、お互いにどうやってコミュニケーションを取るのでしょう?
うちの事務所ではネットをフル活用していて、打合せはスカイプの画面共有機能を使い、納税予測や経営計画、キャッシュフローの実績など、こちらのPC画面をお客さんのPC画面に映し、お互いにやりとりをしながら行っています。
また日々の質問や資料のやり取りについては、メール、チャットワーク、電話、郵送で対応していて、お客さんにも満足して頂いています。特にチャットワークというツールは、メールより気軽に質問、資料のやりとりもでき、またスマホとも連携できるのでとっても便利なんですよ。

では、最後に不動産投資を成功させるための税理士事務所選びのポイントをまとめておきましょう。

  • 不動産投資に詳しい専門性のある税理士事務所
  • 継続性のある税理士事務所
  • ITツールに強い税理士事務所(サイトなし、帳簿・申告書類手書きは問題外!)

他には、

  • 料金設定が明瞭な税理士事務所
  • 相性の合う税理士がいる税理士事務所

ぜひ、気の合う税理士と契約をしてくださいね。

 

※本コラムは、2016年8月10日に配信されたMSPコラムを抜粋・加筆・修正したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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