じつは大損?不動産投資で節税は可能なのかを解説

  • 2019/8/29
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不動産投資を検討していると、必ず目にするのは「不動産投資は節税になる」というワード。とくに老後を悠々自適に暮らしたいと考えている方にとっては気になるのではないでしょうか?
不動産と節税については、専門書でも特集を組まれるほど注目されています。

しかし、その一方で不動産投資詐欺で多いのは、

  • 節税になる
  • 家賃収入が少ない年金の足しになる
  • 相続税を安くできる

以上のようなものです。

子供の成長を知れば、「子供を私立に通わせたい。留学もさせたい」と思い、年老いていく親を見れば、「知人は相続税が払えずに家を手放した。田園調布だって相続税が払えなくて土地を手放している」などと手元にあるお金のことが気になってきます。

今回は、不動産投資は本当に節税になるのかをお話してまいります。

 

なぜ不動産投資と節税が結びつけられるのか?

結論から言うと、節税目的で不動産投資はやるべきではありません。
そして、そんな売り方をする営業マンとも手を切った方が無難です。

まずは私たちが支払っている所得税と住民税の流れから知っておきましょう。

所得税と住民税

会社員、個人事業主、アルバイト。すべての人が支払っているのが所得税と住民税です。
所得税とは前年の所得に対して税率が課せられ、算出されています。いわばもらう金額が高ければ高いほど、税率も増えていき高くなるのです。

<所得税税率表>

所得金額

所得税税率

控除金額

195万円以下

5%

0円

195万円越え 330万円以下

10%

97,500円

330万円越え 695万円以下

20%

427,500円

695万円越え 900万円以下

23%

636,000円

900万円越え 1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円越え 4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円以上

45%

4,796,000円

たとえば、年収600万円でもろもろの経費が引かれて手取りは430万円ほど。

(所得330万円-控除97,500円)×税率10%=320,250円…①
(所得100万円-控除427,500円)×税率20%=114,500円…②
①320,250円+②114,500円=所得税434,750円

この計算例は課税所得を多めにしていますので、かなり税金が高めですね。実際にはもっと少ないはずです。
さらに住民税については課税所得の10%ほどです。この住民税はお住いの市町村によって若干変動します。だいたい10%と言われているのはそのためです。

こうやって見てみると、所得税と住民税で50万円以上が徴収されていますね。残ったお金で生活費、子供の学費、習い事と考えると税金はかなり高く感じます。

ここでのポイントは「所得税と住民税は年収から社会保険料など経費を引いた金額に課税される」ということです。

不動産投資をすると損益通算ができるようになる

先ほどの所得税と住民税はナゼ50万円もかかっていたのでしょうか?
それは、計上できる損失がなかったためです。計上できる損失がなかったために、課税対象額が高かったのですね。

この考え方は、

①計上できる損失が増えれば、
②課税対象額は減り、
③税金は低くなるということです。

そして損益通算とは、不動産投資で生まれた利益や損失を会社員給与とともに計算をして税金を算出することを言います。

【不動産投資で計上できる経費】

  • 管理費(共有部の清掃、設備の保守点検、法定点検費用など)
  • 修繕積立金
  • 賃貸管理会社への管理代行手数料
  • 保険料(火災保険料や地震保険料)
  • ローン返済の利息部分
  • 減価償却費

不動産投資で計上できる費用は上記のようなものです。

この中には不動産の購入費用は入っていませんね。というのも、購入費用は減価償却費としとて長期間にわたり計上していくためです。

減価償却費とは、建物などの固定資産は時間の経過とともに価値が下がっていきます。それに合わせて購入費用を分割して費用計上することをいいます。費用とは言っても、過去の購入費用を分割しているような状態のため、キャッシュフローが毎年動くわけではありません。お金は動いていないけれども、長期間にわたり費用計上ができると考えてください。

購入当初はその他の費用もあり、家賃収入が入っていても損失の方が大きいです。そしてその損失は会社員給与とともに損益通算がされるのです。
そのおかげで費用計上が増加し、損益通算をすると結果的に税金が安くなります。
要は、不動産投資で負ったマイナスを税金という形で優遇されているような状態なのです。

不動産投資が赤字だからこそ税金が安くなっている……。投資と考えると赤字はよろしくありませんが、減価償却費が効果を発揮しているのです。
減価償却費が計上されており、不動産収入がないうちは損益通算で節税ができます。

ですが、減価償却費は建物によって計上年数が決まっており、家賃収入も増えれば利益がでますね。
そうなれば、会社員給与と不動産投資の利益で所得税と住民税は増加。不動産投資による節税は一時的なものなのです。

不動産の減価償却について詳しく知りたい方は、「不動産の減価償却の基本を知る。ややこしい計算をわかりやすく解説」をご覧ください。

節税目的の住宅でも住宅ローン控除は受けられるのか?

投資目的での不動産でもローンが組めます。それによりサラリーマンでも比較的カンタンに不動産投資がはじめられる利点がありますね。

しかし注意をしないといけないのは、ローンは組めても住宅ローン控除は受けられないことです。

この住宅ローン控除とは、住宅借入金等特別控除と呼ばれる制度であり、住む目的で家を購入すると、一定の割合で所得税から控除されるものです。
住宅を購入する際の負担を軽減できるのですが、投資目的の不動産購入には適用されません。
不動産投資では住宅ローン控除は使えません。

 

今後の人生設計にも影響する?金融機関からの融資お断り!

節税目的で不動産を購入し、赤字経営を続けることで所得税と住民税は多少安くなるかもしれません。
しかし、経年劣化や設備投資のために金融機関から融資を受ける際には、断られる可能性が高くなります。なぜならば、融資を受ける前から赤字であり、経営を見直す見込みもないからです。

金融機関はただの金貸しではありません。貸したお金は利子がついて戻ってきて、さらにお金を生むための融資をするためにやっているのです。お金が戻ってくるだけでなく、さらに利益が生まれる環境・関係を築くために融資をするのであって、節税だけを目的としている人には融資はしません。

金融機関によっては不動産投資の融資だけでなく、他の融資に対しても審査が厳しくなる可能性もあります。

それほど不動産投資の赤字経営とはよろしくない状態なのです……。

 

現預金より不動産の方が相続税が安くなるのは本当!

所得税や住民税ではなく、相続税対策のために不動産を購入する人がいます。2015年から相続税は増税されており、基礎控除額がガクンと減っているからです。

2015年1月1日以降の相続税控除枠
(2019年8月現在)
3,000万円+法定相続人数×600万円
2014年12月31日以前の相続税控除枠 5,000万円×法定相続人数×1,000万円

基礎控除枠だけで2,000万円も減っていますね!この激減事件もあり、不動産での相続が増えているのです。

人気の理由は、現預金の相続税の算出方法と不動産の相続での算出方法は異なるため。
現預金の相続は相続金額で算出をするのですが、不動産の場合は建物費用の50%~60%程度の評価額になります。

一例ですが、法定相続人2人で相続をするとなると、
基礎控除枠3,000万円+法定相続人2人分1,200万円=4,200万円
まで相続税がかかりません。

そして、5,000万円の不動産を相続するとなると、通常ならば控除枠を越えた800万円に対して相続税が加算されます。
しかし、不動産は50%~60%で評価をされるため、2,500万円~3,000万円に減額されるのです
そうすると控除枠内(4,200万円内)に収まり、さらに1,000万円以上相続税がかからずに相続できるわけです。

このやり方で相続をするならば、タワーマンションの相続がおすすめ!
タワーマンションは部屋の条件や高層階になればなるほど高くなりますが、相続税の算出には考慮されません。

どういうことかというと、他のもっと安い部屋と同じ市場価格で計算されるのです。これを利用すると、高層階で部屋数も多い1億円規模の部屋でも、相続価格は3,000万円と格安になる可能性があります。

そして、不動産での相続の問題は建物そのものの価値が下落することですが、タワーマンションは価値が下がりにくく、将来的には人に貸すことも可能ですね!

 

まとめ:うまい話には裏がある

不動産投資ははたして節税になるのかをご紹介いたしました。
結果的には、投資なのに赤字経営をしないと節税にはならず、しかもその状態では金融機関から融資も受けられないことがわかりました。
投資なのに赤字にしないといけないという点で本末転倒……うまい話には裏があるわけですね。

しかし、相続を前提とするならば話は別!不動産価値の半額で相続ができたりとお得な部分がありました。
所得税と住民税の節税にはおすすめしませんが、相続税ならばうまく立ち回ればお得になりそうですね!

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