賃貸契約の名義変更をする6つのケース! トラブルも合わせて紹介
- 2019/6/25
- 賃貸
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事実婚でもないかぎり、結婚をしたり離婚をしたりすると名前が変わります。それにより身の回りの名義変更が大変ですね。
賃貸住宅の名義変更については、灯台下暗しで忘れられることも少なくありません。住んでいる人は変わらないんだからといって届け出をしないでいると、いざというときに保険が下りなかったり、余計なトラブルの原因にもなりかねません。
今回は、賃貸住宅に住んでいて、名義変更をすべきケースと必要な書類について解説します。
賃貸の名義人は変えられるのか?なぜ変えねばならないのか?
名義変更は必要な書類と事務手数料を支払うことで変えられます。場合によっては審査が介入しますので、スムーズにいくかどうかはまた別の問題です。
そして、住む人が変わったときは速やかに名義を変えておかないと大変なことになります。
賃貸契約は契約する際には借主(契約者)の名前だけでなく、いざというときの連帯保証人の記載もありますね。もし、あなたが住んでいたのに、他人のAさんに又貸しをすれば、書類と齟齬が生まれます。
さらに、賃貸契約を結ぶときには火災保険など各種保険にも加入しています。もしAさんが火災でケガをしたり、亡くなった場合に保険が下りない可能性は高いです。
また、名義変更をせずに暮らしており、何かの際にバレたときも大変。管理会社から不信感をかい、退去命令が出るかもしれません。先に契約を破っているのはこちらですから、何も言えませんね。
住んでいる人は変わっているのに、書類上はそのままにしておくと、後々トラブルの火種にしかなりません。
火災保険がきかなくなる可能性も?賃貸の名義変更をする6つのケース
賃貸契約を結ぶときは、部屋に住むという契約だけを結ぶわけではありません。火災保険をはじめとした、家財保険、借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険に加入します。
それぞれが家財、火災、漏水、隣人にケガを負わせたなどの補償になっていますよ。それにより入居者を守るだけでなく、大家自身も守られています。
そのため、住む人が変わって放置していると、本来かかるはずの補償がかからなくなる可能性があるのです。
名前が変わったら速やかに名義変更をすることをおすすめします。名義変更が必要なケースは以下の6つがあります。
- 結婚して名字が変わった
- 改名した
- 離婚・死亡した
- 法人と個人の切り替え
- 他の家族の名義にしたい
- 赤の他人の名義にしたい
それでは、ひとつずつ確認していきましょう。
①結婚して名字が変わった
男性でも妻の家に入れば名字が変わります。
もともと住んでいた賃貸や、同棲していたところに、そのまま住み続けるのも珍しくありません。
しかし、名字が変わっていますので、名義変更は行わなけばなりませんね。
②結構増えている!?キラキラネームを改名したケース
平成になり多くなったのが、キラキラネームと呼ばれる名前の人。
誰も読めない漢字、聞きなれない発音、名乗ると「え?もう一度言って?」と言われることが多々あるのがキラキラネームです。親の願いがこもりすぎている名前は、その人が成長したときに呪いになります。
そのため、大人になってから家庭裁判所へ申し立て、改名手続きを踏む方がいますね。
改名を行った場合も、賃貸の名義変更をいたしましょう。
③元の契約者はもういない。離婚・死亡したケース
契約者であった人がすでにその場にいないケースです。
場合によっては名義変更の前に審査が入ることもあります。
また、離婚した配偶者が契約者で、連帯保証人が配偶者の身内の場合は、名義変更だけでは終わりません。連帯保証人を新たにたてる必要があります。
契約者が死亡した場合は、賃貸契約は相続の対象です。相続手続きとともに名義変更を済ませておきましょう。
④法人契約と個人契約の切り替えのケース
社宅として使用していましたが、退職などを迎えても同じ賃貸に住み続ける場合に行います。
他には、会社によって家賃補助を行っているところもあり、その点で契約者を切り替える場合もあります。
⑤家賃補助が受けられるから家族間で名義変更したいケース
先ほどと同様に、家族の勤め先に家賃補助があるケースです。月々の給与に一定額支給され、賃貸契約が本人名義であることが条件なことが多いです。
また、子供が就職したため親から子供へ名義を変更することもあります。この際には審査などが入ることは稀で、通常の名義変更のみで行います。
⑥友人が住みたいと言っている。赤の他人の名義にするケース
住んでいる所の立地や環境、条件がいいと稀にあるのがこのケースです。もしくは、部屋は気に入っているが、海外などに長期出張することになり、友人を住まわせるということもあります。ルームシェアをしていたが、契約者となっていた人が退去することも。
このケースは名義変更ではなく、一度解約してからの友人の再契約になります。そのため、審査などが入り、場合によっては断られる可能性も潜んでいますね。
また、「退去 → 友人がすぐに住む」では現状回復工事を行うことができません。これにより、友人が退去する際に、前の住民がつけた傷なども請求されることもあります。
気軽に「住みたい!」とは言うものの、後のトラブルが多いのもこのパターンです。
敷金や仲介手数料はどうなるの?
敷金については、本来ならば一度戻すのが正しいです。
ですが、親から子に名義変更を行ったなどだと、戻さずに子供がそのまま引き継ぐことがほとんど。
一方、赤の他人が再契約を行う場合は、敷金は戻ってきます。そして、次の契約者が新たに支払います。
賃貸の名義変更・再契約に必要なもの。そしてお金はかかるの?
名義変更を行う際に必要な書類は、名義変更と再契約で異なります。
書類が足りていないとスムーズに運びませんので注意しましょう
賃貸の名義変更に必要なもの
管理会社にて、変更契約書または覚書という書類を用意しています。それを取り寄せ、さらに名義が変更になったことがわかる書類を添付しますよ。
運転免許証ならば裏面に名義変更の旨が記載されています。運転免許証の写真がある表面と裏面のどちらもコピーをしておきましょう。
他には、住民票なども名義変更が確認できるので有効な書類です。
賃貸の再契約の手順
個人 → 法人や赤の他人へ変わる際には、再契約という形になります。
一からの契約になるため、名義変更よりも必要な書類が多くなりますよ。
- まずは、現在契約している方の解約手続きを取る
- 次に新しい入居者との契約
- 管理会社や大家さんの審査
- 確認事項のチェック
- 本契約、敷金などの支払い
事務手数料は1万円ぐらい発生する可能性がある
赤の他人に譲る以外は、入居者の生活が変わることはありません。そのため、費用が発生するとぼったくられているように感じる方がいます。
しかし、私たちが知らないだけで、各種保険の変更手続きが発生しているのです。
個人の大家ならば無料のところもありますが、たいていは事務手数料という形でお支払いをします。金額は1万円程度。
中には家賃半月分~1か月分を請求するところもあります。事前にいくらかかるのか確認しておくことをおすすめします。
賃貸の名義変更完了!電気・ガス・水道はどうすればいい?
賃貸の名義変更(もしくは再契約)が無事に終わりましたら、次は生活する上で欠かせない電気・ガス・水道も名義変更しておきましょう。
稀に管理業者で行うというところもありますが、前の住民の分もしれっと請求してくることがあります。これが結構問題なんです。水道料金は2か月分の請求ですし、前の住民が公共料金を滞納していたケースもあります。
未払いのまま逃げるように引っ越していった前の住民の公共料金は、支払う義務はありません。家族間の名義変更ならば家族間で解決すべきですが、それ以外は管理会社で支払うべきものです。
インフラ系の名義変更は、少し面倒ですが自分自身で行うことをおすすめします。
万が一、前の住民の未払いがあった場合は、少しの金額だからいっかとは思わずに、払わない旨を管理会社に伝えましょう。
勝手に捨てると罰せられる可能性も!前の住民の郵便物が届く
このケースは友人・知人からの再契約で発生することが多いです。宛名の住民はもう住んでいないのに郵便物が届いていまう。
DMなら心配はいりませんが、【親展】など重要な書類が届き、勝手に捨ててしまうと罰則対象です。
このような場合には、郵便局に自分自身の転居届を提出します。そして、前の住民はすでに退去していることも伝えます。この際、先に届いていた前の住民の郵便物を郵便局にお返ししましょう。
賃貸の名義変更・再契約で考えられる2つのトラブル
名義変更をするパターンが意外と多かったでしょうか?
ここからは実際にあったトラブルをご紹介していきます。
トラブル①単身者向けの賃貸はそもそも名義変更できません
比較的、家賃が安いのが単身者向けの賃貸。そもそも名義変更が行えない仕組みになっています。なぜならば、同居人はいないため、退去か新規契約の二択だからです。
トラブル②前の住民の分もしなきゃいけないの!?悪魔の原状回復工事費
赤の他人の名義変更(実際は再契約)で一番多いトラブルが、いざ退去するときの原状回復工事費です。
前の住民のすぐ後に入居をすると、工事を入れるヒマがありません。そのため、次に退去をする時に前の住民の分も直さなくてはいけないのです。お金がかかることもあり、とてももめやすいです。
大家さんの中には面倒ごとを嫌って、赤の他人への再契約を断ったり、前の住民の退去後に必ず原状回復工事を入れてリセットしている人もいるほどです。
人との関係にもヒビが入る可能性もありますので、注意しましょう。
まとめ
時間がたてば生活のサイクルも変わってきて、賃貸住宅の名義変更が必要になってくるかもしれませんね。面倒だな……と思っていると、保険がきかずに泣きを見ることになるかもしれません。
名義変更の事象が発生しましたら、速やかに申し出て変更しておくことをおすすめします。