遺品整理の方法とは?優良事業者の見つけ方も紹介
- 2020/1/13
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亡くなった方の遺品を整理して、残すものと処分するものに分ける遺品整理。少し前は遺族たち自らがおこなっていました。
しかし、生活環境や家族との関係の変化から、遺品整理は専門業者におまかせする方が増加しているようです。
そこで今回は、遺品整理について、自分たちでやる方法と業者に依頼をする方法を解説します。
遺品整理とは、故人の所有物を整理すること
亡くなった方が残した物を整理することを遺品整理と思っている方もいると思いますが、単に片づけるだけではありません。賃貸では次の人が住める状態にまで原状回復するまでを意味します。
残された物すべてを捨てられたらあっという間です。しかし、相続などに必要な書類がどこにあるかはわかりません。実際の作業は一つずつ確認をして、仕訳をしながら進めるという大変時間のかかるものです。
また、一人暮らしの方が入院をして亡くなった後の遺品整理と、部屋の中で孤独死を迎えた後の遺品整理では処理対応が大きく違います。
昨今の風潮から終活をし終えた方の遺品整理は比較的楽ですが、それ以外の遺品整理は物に溢れて、自分たちでやるのは難しいものがあります。
残されたものすべてが遺品である
一般的に遺品とは、不動産以外のすべてを指します。故人が所有していた日用品や家財道具、書籍、貴金属類のすべてです。その中から特に重要な物を探し出して保管します。
【特に重要なもの】
- 銀行の通帳・キャッシュカード
- クレジットカード
- 健康保険証・年金手帳・マイナンバーカード
- パスポート
- 印 鑑
- 有価証券
- 契約関係の書類
- 権利関係の書類
- 貴金属・美術品
遺品整理を急ぐ理由は期限があるから
遺産相続には期限があります。相続する場合だけでなく、相続を放棄するにも3か月以内に手続きを済ませなければなりません。
賃貸住宅なら早めに退去をしないと大家とトラブルに発展します。
たとえ持ち家でもそのままにし続けるのはよろしくありません。
遺品整理は誰がやるのか
遺品整理は遺族自身でやるのか、業者に依頼をするのかの2択です。
大まかなメリット・デメリットは以下の通りです。
遺族で遺品整理を行う | 【メリット】
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【デメリット】
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業者に遺品整理を依頼する | 【メリット】
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【デメリット】
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遺品整理を遺族自身でやる
あまりお金をかけたくない。故人は終活を終えていた。などなら自分たちで遺品整理をするのがおすすめです。
遺品整理を遺族でやるメリット
- 相続に期限はあるものの、自分たちのペースでできる
- 他の遺族たちと話し合いながらできる
- 費用を最小限に抑えられる
専門業者に依頼をすると3万円~費用がかかります。間取りと遺品の量によっては20万円を越えることも。
自分たちでやるとかかる費用は、粗大ごみの回収代、不用品の回収、ゴミ袋代、清掃道具、保管するものを入れる段ボール代ぐらいです。比較的安価で終わります。
遺品整理を遺族でやるデメリット
- 家財道具の搬出を自分たちで行う
- 時間と体力が必要
- 物に思い出があり作業が進まない
- 他の遺族による遺品の勝手な持ち出しがある
一番怖いのは他の遺族と揉める可能性です。作業をどのようにすすめて、何を保管するのかを相談しないと後々トラブルに発展します。
私の家では祖母が亡くなった際に叔母が残っていたものをすべて処分をし、形見分けできるものが一切ありませんでした。遺産がなくても関係にヒビが入りますので、注意しましょう。
遺品整理の専門業者に依頼する
時間をかけたくない。遠方に住んでいる。関係が希薄で自分たちでやりたくない。このような方は遺品整理専門業者に依頼をするのがベストです。
遺品整理専門業者とは?
遺品整理を専門的に扱い、遺品の仕訳けから部屋の清掃、ケースによっては特殊清掃、リフォームまで行ってくれます。
ただの清掃なら清掃業者に依頼をすることもできますが、細かい物の仕訳などもあるので、専門業者に依頼をするのが安心です。
遺品整理を業者に依頼をするメリット
- 時間がなくても遺品整理ができる
- 遠方でも遺品整理ができる
- 重要なものを捨てる危険性が低い
自分たちの生活もある中で遺品整理をするのは大変手間がかかります。会社も休まなくてはいけない、住んでいるところが遠い、何が重要なのかわからない……。
遺品整理専門業者の中には、協会が認定している優良事業者があります。重要な書類や貴金属類、コレクション類の知識も持ち合わせていますので、遺品整理がスムーズにすすめられます。
遺品整理を業者に依頼をするデメリット
- 費用がかかる
- 悪質な業者が存在する
遺品整理の費用は3万円~100万円ほどです。間取りと遺品の量、作業のどこまでを依頼するのかにもよります。
この遺品整理業者は数年で3倍になりました。孤独死が増えたり、核家族化の影響で利用する人が増えたことが考えられます。そして残念ながら悪質な業者の報告も増加……。
費用もまちまちなので、複数業者で見積もりをもらって選択するのがよいでしょう。
【悪質な業者の一例】
- 訪問せずにメールだけで見積を出す
- 低く見積もって、後から高く請求する
- 不用品の処理に対して高額に請求する
- 遺族の立ち合いは拒否する
- 法人情報が一切開示されていない
見積提示の際の音声を録音したり、合い見積もりをとって極端に安すぎる業者は疑ってかかるなどするとよいでしょう。信用できる業者の探し方は後述します。
遺品整理で起こったトラブル
私のところは現金化できる遺産がないから、トラブルにはならないと思っていたら大間違いです。よくある例をご紹介します。
他の遺族とのトラブル
たとえお金にはならなくても、故人の思い出として「形見分け」をするのが一般的です。故人の所有物を遺族たちで分けるのですが、誰が、どれをもらうのかで揉めます。時計や宝石、貴金属類は揉めないことが珍しいです
中には勝手に持ち帰る遺族も!早い者勝ちだと勘違いしている遺族もいて、今後の関係にヒビが入ります。
また、交友関係の広い故人の場合は、遺族がまったく知らない人が「生前にもらう約束をした」とやって来るケースも。書面で残っていれば一番いいのですが、口約束がほとんです。そして無下に追い返すこともできません。故人との関係がわかる写真を持参してもらったり、他の遺族たちと相談したりすることになります。
業者とのトラブル
葬儀でもありますが、見積りとは桁違いの高額請求をしてくる業者がいます。予想以上に遺品が多かった。当日にオプションの追加があった。など言い訳は様々です。
もちろん実際にやってみないとどのくらいの量になるかなんてわかりません。しかし、他の業者よりも格安で見積もりを出して、すべて片付いた後で「プラス50万円です」では話になりません。
また、契約したものの遺産整理が始まらない、なんかおかしいと感じて解約を申し出ると高額なキャンセル料が請求された例も。
遺品整理業者とのトラブル数は増加傾向にあります。
画像出典:独立行政法人国民生活センター
自分で遺産整理をする際には、物を4つに仕訳けると効率がいい
自分たちで遺品整理をする際には、
- 不用品
- 貴重品
- 買取品
- 保管品
以上の4つに仕訳けると、比較的スムーズに作業が進みます。
これは書類……これは写真……などと引っ越しのように細かく分けていると、いつまでたっても終わりません。
そのため、廃棄するものは直接ゴミ袋に入れたり、貴重品はそれだけでまとめておき、後日さらに細かく分けるなどしましょう。
家電製品やコレクション品はリサイクル業者などに買い取ってもらうことが可能です。故人にとってもゴミとして捨てられるよりも、同じコレクターの下で利用される方がいいことでしょう。
遺品整理はまず、
- 廃棄する不用品
- 書類や貴金属、美術品などの貴重品
- 業者に買取を依頼する買取品
- 遺族同士で形見分けをする保管品
この4つに分けて、効率よく作業をすすめることをおすすめします。
遺品整理をするための前準備
親族が亡くなり、遺品整理となっても、ちょっとお待ちください。
ケースによっては取り返しのつかない事態になるかもしれません。前準備をご紹介します。
超重要!故人に借金や負債はないか調べる
遺品整理をしていると借用書が出てくることがあります。故人がどのように生活をしていたかなんてわからないものです。出てくること自体は珍しくありません。
問題は、その金額と相続放棄の熟慮期間である3か月を過ぎていた場合です。
少額の借金で、相続金額>借金ならば問題はありませんが、払いきれないほどの借金なら相続放棄がベスト。
しかし、故人が亡くなって半年や12月に督促状が届く可能性もあります。
できることなら、遺品整理をする前に故人に借金・負債はないか調べておきましょう。
もし、熟慮期間の3か月を越えて借金の存在がわかった場合は、借金の存在を知った時から3か月間が熟慮期間となることがあります。弁護士などに相談をしましょう。
相続権のあるすべての親族に了承を得る
遺品整理は早い方がよかれと思い勝手にやると、後から揉める原因になります。
「故人から時計を形見分けするよと言われていたのに、勝手に売られてしまった!」
現金化が難しい遺品でも、故人と遺族の思い出の品というのは数多くあります。
また、生前による遺品整理でも揉めることが。
私が目にしたパターンでは、画家である祖父が自らの作品を捨て始めたことがありました。画家の作品は売却ができるということで、相続税がかかります。自身が亡くなった後で家族に迷惑がかからぬようにと作品を処分し始めたのですが、親族にとっては故人をしのぶ形見分けになるものですね。
遺品整理は必ず相続権のあるすべての親族に了承を得てから進めましょう。
遺品整理にかかる費用も了承を得る
遺品整理にかかる費用は3万円~100万円ほどです。遺品が多いと高額になります。
全体の費用でこれくらい、親族で分ければ一人あたりこれくらいとわかった時点で、親族全員から了承を取りましょう。
3万円くらい出してくれるだろうと思わぬことです。本人は払う気があっても、その伴侶は違うかもしれません。
親族本人からの了承と、親族と財布をともにしている家族からも了承されているのか確認しておくことがベストです。
故人から決められた形見分けはあるのか確認しておく
遺族によっては、故人から形見分けを伝えられている人がいます。一見すると不用品でも2人からすれば思い出という価値があるもの。
誤って処分しないように、あらかじめ形見分けの存在を聞いておきましょう。
信用できる業者に遺品整理を依頼する方法
遺品整理業者は右肩上がりで増えています。生活環境の変化や孤独死が増えたためです。
中には悪徳な業者も存在しますので、正しい業者に依頼をするための方法をご紹介します。
1. 質問や電話対応が丁寧
業者によってサービス内容はまちまちです。費用の発生の仕方も違うかもしれません。
疑問点を解決するため、もしくは作業依頼をするために電話をしておざなりな対応、都合の悪い内容をうやむやにするような態度があったら、その業者はやめておいた方が無難です。
2. 見積書に詳しい内訳がついている
契約書・見積書によくわからない名称のものがあることはありませんか?
たとえば、携帯電話のユニバーサルサービス料金。もちろんコレは悪質なものではありませんが、よくわからないのに請求されているものは存在します。
信用できる遺品整理業者では、明確な内訳書があったり、どのようなものにかかっているのか説明があります。
詳しい内訳もない、説明もない業者はやめておきましょう。
3. 遺品整理士が業務にあたっている、もしくは優良事業所に認定されている
画像出典:一般社団法人遺品整理士認定協会
遺品整理士とは、遺品整理に関わる民間資格です。遺品整理の専門知識と技術を持ち、健全に対応することを目的として設けられました。
現場で必要な知識や作業中の留意点などを知っている彼らが対応にあたると心強いです。
また、遺品整理士認定協会で認められた優良事業所もおすすめ。2018年12月時点で863社あります。適正な業務を適正な金額で行っている事業所はこちらから検索可能です。
まとめ
遺品整理は突然にやってきて右も左のわからないことがほとんど。
特に重要な遺品は、
- 銀行の通帳・キャッシュカード
- クレジットカード
- 健康保険証・年金手帳・マイナンバーカード
- パスポート
- 印 鑑
- 有価証券
- 契約関係の書類
- 権利関係の書類
- 貴金属・美術品
この9点です。注意をしておきましょう。
昨今では遺品整理専門業者に依頼をすることも多いです。
信頼できる業者の見つけ方は、
- 質問や電話対応が丁寧
- 見積書に詳しい内訳書がついている
最低でもこの2点をクリアしている業者に依頼をすることをおすすめします。
遺品整理を適切に行い、親戚関係も良好に暮らしていきましょう。